1. はじめに
北海道は、広大な土地に人口や産業が分散している特性上、都市ガス(一般的には天然ガス)の配管網が十分に整っていない地域が多く存在します。そのため、多くの家庭や企業では「プロパンガス(LPG)」を利用するケースが一般的です。特に寒冷地である北海道では、冬場の暖房需要が非常に大きいため、プロパンガスの消費量も本州などと比較して増加しがちです。
一方で、プロパンガスの料金が高いと感じる利用者も少なくありません。企業がエネルギーコストの上昇に頭を抱えるケースも多く、特に生産性や収益性に大きく影響を与える可能性があります。本記事では、プロパンガスの基本情報や利用の現状、料金が高くなる理由、安全性や環境面の話題、そして企業がコスト削減を図る方法について解説し、最終的には弊社(株式会社totoka)がお手伝いできる内容をご紹介します。
2. プロパンガス(LPG)とは
プロパンガスとは、正確には液化石油ガス(LPG:Liquefied Petroleum Gas)の一種であり、その主成分は「プロパン(C₃H₈)」です。LPGにはプロパンのほかブタン(C₄H₁₀)などが含まれる場合もありますが、一般的な呼称としては「プロパンガス」とまとめて呼ばれることが多くなっています。
- 高いエネルギー密度: プロパンガスは高い発熱量を持ち、効率的にエネルギーを生み出すことができます。
- 液化によるコンパクト性: 常温・常圧下では気体ですが、圧力をかけて液化させることで体積を大幅に縮小でき、保管や輸送に便利です。
- 幅広い用途: 家庭用(暖房・給湯・調理など)から、農業・工業用の燃料まで幅広く利用されています。
3. プロパンガスが広く使われる理由と特徴
プロパンガスが多くの地域や業種で使われている理由は、主に以下の点が挙げられます。
- インフラ整備のしやすさ
都市ガスは大規模なパイプライン(導管)の整備が必要ですが、プロパンガスは各家庭や企業の敷地内にタンクを設置すれば供給可能です。そのため、人口密度の低い地域でも導入がしやすいメリットがあります。 - 高い燃焼効率
プロパンガスはガス機器との相性が良く、効率的に熱を利用できます。特に寒い地域で暖房を長時間使用する場合には、高効率な燃焼は大きなメリットとなります。 - 安定供給と停電時の強み
電気供給がストップした際でも、プロパンガスを使った給湯や調理機器、暖房機器は動作可能な場合があります。(※コンセントの必要な消費機器は使えません)分散エネルギーのため、自然災害時の非常用燃料としても有用です。
4. 北海道におけるプロパンガス利用の現状
4-1. 北海道の地理的特性
北海道は道内全域にわたって都市ガス管が整備されていない地域が多く、山間部や離島部なども含めると、プロパンガスの利用が非常に重要な位置を占めています。特に冬の暖房は必須であり、北海道の冬は長期にわたるため、その分だけプロパンガスの使用量が増える傾向にあります。
4-2. 都市ガスとの比較
都市ガスを使用できる地域は、札幌市などの大都市圏を中心とした一部に限られます。導管が未整備の地域では、企業も家庭もプロパンガスに頼るしかありません。そのため北海道全体ではプロパンガスのシェアが高く、ガス会社各社は供給体制を整えています。
4-3. プロパンガス会社の主な役割
プロパンガス会社は、以下のようなサービスを担っています。
- 定期点検・メンテナンス: 各企業や施設、家庭に設置されているタンクやガス機器の安全を定期的に確認・整備
- 供給・配送: ボンベ配送トラックやバルクローリーと呼ばれる専用車両で液化したガスを配送
- 料金プランの提供: 各社それぞれの料金メニューを提案しており、その他付帯サービス提案も実施
なお、北海道の主なプロパンガス会社としては下記のような企業が挙げられます。
- エア・ウォーター北海道株式会社
- 株式会社エネサンス北海道
- 北ガスジェネックス株式会社
- 北海道エナジティック株式会社
- 伊藤忠エネクスホームライフ北海道株式会社
5. プロパンガス料金が高いと感じる理由
5-1. 料金体系の仕組み
プロパンガスの料金は、一般的に「基本料金 + 従量料金」という二段階で設定されます。基本料金はタンクの維持費や保安管理費などをまかなうための固定費用で、従量料金は実際に使用したガスの量に応じて課金される仕組みです。この従量料金が、為替レートや原油価格の変動によって大きく左右されることが多いです。
5-2. 料金の変動要因
- 原油価格の変動: プロパンガスは原油の精製過程や天然ガスの採掘過程で副産物として得られます。そのため、原油相場に連動して価格が上下します。
- 為替レート: 日本は液化石油ガスの多くを輸入に依存しており、円安になると輸入コストが上昇するため、その分が料金に反映されます。
- 季節的需要: 寒冷地では冬の需要が特に高まり、需給バランスの影響を受けやすくなります。
5-3. 運搬コストの高さ
北海道のように広大な地域においては、輸送距離が長くなるほど運搬コストが増大します。都市部であれば導管を通じた都市ガスが利用できる場合もありますが、導管設備のない地域への配送はタンクローリーを使うため、燃料費や人件費などが余計にかかってしまいます。このような要因から、プロパンガス料金が「高い」と感じられる一因となっています。
6. 企業がプロパンガス料金に悩む背景
6-1. エネルギーコストが経営を圧迫する事例
企業にとってエネルギーコストは重要な経費の一つです。特に製造業や食品加工業、宿泊業など、熱エネルギーを多用する業種にとっては、プロパンガスの料金が上昇すれば経営にダイレクトな影響が出ます。価格転嫁が難しい場合、利益率が低下するリスクが高まります。
6-2. 北海道の寒冷地事情による消費量の増加
北海道は暖房期間が長いだけでなく、雪や厳寒期には建物の熱ロスが大きく、暖房機器をフル稼働することも珍しくありません。このため、年間を通じてのプロパンガス使用量が本州と比べて多く、結果としてエネルギーコストが高くなりやすい現状があります。
6-3. 企業に求められる省エネ・コスト削減施策
環境保護の観点からも、企業には省エネやCO₂削減が求められています。同時に、プロパンガス料金が高騰すると企業活動が制限される可能性があるため、エネルギーコスト削減の施策を早急に検討・導入することが重要です。
7. プロパンガスの安全性と対策
7-1. ガス機器・設備の定期点検
プロパンガスを利用する上で最も重要なことは「安全性」です。ガス漏れや火災事故を防ぐため、企業や家庭ではガス会社による定期点検が必須となります。特に企業の場合は、飲食店の厨房設備やボイラーなど、大型機器がガス供給を受ける場合も多いため、その分リスクマネジメントが欠かせません。
7-2. ガス漏れ警報器や警報システムの導入
万が一、ガス漏れが発生した場合でも早期に検知できるよう、ガス漏れ警報器を設置することが推奨されています。警報器には、人感センサーや一酸化炭素を検知するタイプなど、さまざまな種類があります。また、防災システムと連動している企業もあり、早い段階で避難や火元の遮断を行うことで事故拡大を防止できます。
7-3. 安全教育の重要性
ガス事故の多くは人的ミスによるものとされます。定期的に安全に関する研修を行い、従業員が正しくガスを取り扱うスキルや知識を身につけることは、コスト削減以上に企業の社会的責任として大切です。特に工場では扱う会社での責任が大きくなります。このため、従業員教育は必須ともいえるでしょう。
8. プロパンガスと環境問題
8-1. CO₂排出量と地球温暖化
プロパンガスは化石燃料の一種であり、燃焼時にはCO₂が排出されます。とはいえ、同じ化石燃料である石炭や重油と比べると、CO₂の排出量は相対的に少ないとされています。また、硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)などの排出量も少なく、大気汚染の面では比較的クリーンな燃料といえるでしょう。
8-2. カーボン・オフセットLPGやグリーンLPGの可能性
近年、再生可能エネルギーの普及が進む中で「カーボン・オフセットLPG」や「グリーンLPG」と呼ばれる、CO₂排出量を削減した形態のLPGに注目が集まっています。コスト面など実用化への課題はあるものの、化石燃料の使用を削減しつつ既存のインフラを活用できる点で期待される取り組みとなっています。
9. プロパンガスと他エネルギーの比較
9-1. プロパンガスと都市ガス(天然ガス)
- メリット: プロパンガスは導管が整備されていない地域でも利用可能であり、設備投資が小規模で済むという利点があります。
- デメリット: 都市ガスと比べると、一般的に料金は割高とされる傾向が強いです。ただし、地域やプランによって変動があり、一概には言えません。
9-2. プロパンガスと電気(電力)
- メリット: 電気に比べて火力が強く、調理や暖房などで即座に高熱量を得やすい。また停電時にも利用できる利点があります。
- デメリット: 電気料金との比較では、使用量や季節によってどちらが割安になるかは大きく変わるため、複合的な検討が必要です。
9-3. プロパンガスと重油・灯油
- メリット: 重油や灯油に比べて燃焼がクリーンで扱いやすい。一方、大規模施設でボイラーを動かす際には重油を使ったほうが経済的な場合もあります。
- デメリット: 灯油は家庭用暖房でも広く使われており、価格次第では灯油をメインに選ぶケースもあります。ただし、給湯や調理を灯油でまかなうことは難しく、用途が限られます。
10. プロパンガス料金を抑えるための具体策
10-1. 料金プランの見直し
まず重要なのは、現在契約中のプロパンガス会社が提供している料金プランをしっかりと把握し、見直すことです。企業の使用形態や年間使用量に応じて最適なプランが異なります。プロパンガスは自由料金制のため、ガス会社ごとに料金設定が異なります。必要であれば、ガス会社に相談してプラン変更の可否や、複数社からの見積もりを比較検討してみましょう。
10-2. 使用機器の省エネ化
古いガスボイラーや調理器具を使い続けていると、どうしても燃焼効率が落ちがちです。最新の省エネ性能を持つガス機器へリプレイスすることで、同じ熱量を得る際のガス使用量を抑えられます。導入コストはかかりますが、長期的な視点で見ればコスト削減につながるケースも多いです。
10-3. バルク供給システムの活用
中~大規模な施設や企業では、バルク供給システムを導入するケースもあります。大容量タンクを設置しておくことで配送回数を減らし、運搬コストを抑えたり、まとまった料金交渉を行えたりする可能性があります。
11. 北海道の企業が導入すべき省エネ対策
11-1. 建物の断熱性向上
プロパンガスの消費量を削減するには、暖房効率の改善が不可欠です。建物全体の断熱性能を高めることで、暖房に要するガスの使用量を減らすことができます。壁や窓の断熱材のグレードアップ、二重窓の設置、気密性の向上など、できるところから順次取り組むとよいでしょう。
11-2. 省エネ型機器の導入
暖房機器やボイラー、給湯器などを省エネ型に切り替えることで、燃焼効率を格段にアップさせることができます。また、調理場などがある飲食関連の企業や工場では、厨房設備や製造ラインのガス機器を最新モデルに更新することでガス使用量を大幅に抑えられる場合があります。
12. プロパンガスの将来性と今後の課題
12-1. エネルギー転換期におけるプロパンガスの役割
世界的にCO₂削減やカーボンニュートラルが進む中、エネルギー源としての化石燃料は厳しい目で見られる傾向にあります。とはいえ、現時点で完全に再生可能エネルギーへ移行するのは難しく、多くの地域では、しばらくは化石燃料を併用していく現実があります。プロパンガスは相対的にクリーンな特性を持ち、既存インフラの活用もしやすいため、過渡期のエネルギー源として重要な位置を占める可能性が高いです。
12-2. 再生可能エネルギーとの併用・ハイブリッド化
北海道には風力や太陽光、小水力など多くの再生可能エネルギー資源があります。一部の企業では、太陽光発電や地熱などと組み合わせてエネルギーのハイブリッド化を図っています。このように再生可能エネルギーとプロパンガスを組み合わせ、効率良く使うことで、環境負荷を抑えながら安定したエネルギー供給を得ることが可能となります。
12-3. 原料価格高騰へのリスク対策
プロパンガスは原油相場や為替レートの影響を受けやすいため、今後も価格変動リスクは拭い切れません。企業としては、以下の対策が考えられます。
- 長期契約や固定価格契約の検討: 一定期間の価格を固定し、予算管理をしやすくする。
- 複数エネルギー源の併用: リスク分散を図るため、電気や灯油など他のエネルギーと組み合わせる。
- 省エネ・使用量削減: そもそもの使用量を減らすことで、リスクに左右されにくい体制を整える。
13. プロパンガスが高いとお悩みの企業様へ:株式会社totokaのご提案
13-1. 弊社がご提供できるサービス概要
プロパンガスの料金を抑えたい、あるいは安全対策を強化したいといった企業様に向けて、弊社(株式会社totoka)では以下のようなサポートを行っております。
- 料金比較・コンサルティング: 複数のガス会社から適正な見積もりを取得し、企業様の使用状況やニーズに合わせた最適なプランをご提案いたします。
- 省エネ診断・対策立案: 建物の断熱状況から使用している機器の燃焼効率まで、専門家が多角的に分析し、削減策をまとめてご提案します。
- 導入支援・アフターフォロー: 機器の導入やバルクシステムへの切り替えなど、実行フェーズにおいてもサポートを行い、アフターメンテナンスまで責任を持って対応します。
13-2. 費用削減だけでなく安全対策もトータルサポート
弊社の強みは、単に「安い料金プランを探す」だけでなく、企業が抱えるリスクをトータルで把握し、「安全かつ省エネな環境づくり」をサポートできる点にあります。ガス漏れ対策や警報システムの導入、従業員の教育プログラムなど、コスト削減と並行して「安心・安全」も実現するための具体的プランをご用意いたします。
13-3. まずはお気軽にご相談ください
北海道でプロパンガスを利用している企業の多くは、料金の高さや環境負荷、安全対策など、さまざまな課題を抱えています。弊社では、こうした課題をワンストップで解決すべく、豊富な事例とノウハウを蓄積してまいりました。まずは一度、ご相談やお問い合わせをいただければ、企業様の現状をしっかりヒアリングした上で、最適な解決策をご提案いたします。
14. まとめ
北海道はその特有の地理的・気候的背景から、多くの企業がプロパンガス(LPG)を利用しています。しかし、プロパンガス料金が高いと感じるケースは少なくなく、特に冬季の暖房需要が大きい北海道では、エネルギーコストが経営に重くのしかかる場合があります。また、安全対策や環境問題への取り組みも、企業が考慮すべき重要な課題となっています。
本記事では、プロパンガスの基本情報から、なぜ「高い」と感じられるのか、その料金体系や供給体制、安全対策、さらに今後の将来性まで幅広く解説しました。さらに、プロパンガス料金の削減策として、機器の省エネ化や料金プランの見直し、バルク供給システムの導入、建物の断熱性向上など、具体的なアクションを提案しました。こうした取り組みを進めることで、単に費用を抑えるだけでなく、安全性や環境負荷の軽減にも寄与することが期待できます。
もし、貴社でプロパンガスの料金や安全対策、CO₂削減などについて課題をお持ちでしたら、ぜひ弊社(株式会社totoka)にご相談ください。専門家が現状を分析し、最適なプランをオーダーメイドでご提案し、コスト削減と安心・安全な業務運営を両立させるサポートを全力で行います。北海道の企業活動を支える大切なエネルギーとして、プロパンガスをより効率的かつ安全に、そして経済的に利用していきましょう。
お問い合わせや詳細のご相談は、弊社ホームページまたはお電話にて随時受け付けております。貴社のコスト削減と事業発展につながるお手伝いを、心よりお待ちしております。