基盤およびコンプレッサーの故障により、EHP業務用マルチエアコンの入替工事を実施。搬入経路がない現場で、ラフタークレーンを使わず人力搬入で対応したコスト最適化事例です。
札幌市中央区の介護施設様から、業務用マルチエアコンが動かなくなったとの緊急のご相談をいただきました。調査の結果、室外機の基盤およびコンプレッサーが故障しており、修理ではなく室外機ごとの入替が必要と判断しました。介護施設は入居者様の健康に直結するため、空調の停止は一刻も早く解消しなければなりません。
しかし、この現場には大きな課題がありました。室外機の設置場所まで車両が入れず、通常であればラフタークレーン(移動式クレーン)を使って搬入するケースです。ただし、ラフタークレーンは手配コストが高額になる上、道路の使用許可や近隣への騒音・振動の影響も懸念されます。施設周辺は住宅密集地であり、介護施設の入居者様への配慮も必要でした。そこで、ユニック車で現場近くまで搬入した後、人力で室外機を設置場所まで運搬する方法を選択。コストと周辺環境への影響を最小限に抑えた施工プランを立案しました。
業務用マルチエアコンの室外機は100kg以上の重量があり、搬入経路が確保できない現場ではラフタークレーン(移動式クレーン)が一般的です。しかし、ラフタークレーンは1回の手配で数十万円のコストがかかり、道路使用許可の申請・交通規制・近隣への事前告知なども必要になります。今回のように住宅密集地や介護施設の周辺では、人力搬入で対応できれば大幅なコスト削減と施工の迅速化が実現できます。totokaでは現場状況に応じて最適な搬入方法をご提案しています。
新しい室外機をユニック車で現場近くまで搬入。車両が設置場所まで入れないため、ここから先は人力での運搬に切り替えます。重量物を安全に取り扱うための養生と動線確保を事前に行いました。
ユニック車による室外機の搬入
入替に先立ち、既存の故障した室外機からフロン冷媒を回収。フロン排出抑制法に基づき、適切な回収機器を使用して環境負荷のない処理を行いました。
既存室外機からの冷媒回収
故障した室外機を撤去・搬出した後、新しい室外機を人力で設置場所まで運搬しました。ラフタークレーンを使わないことで、搬入コストを大幅に削減。介護施設の入居者様や近隣住民への騒音・振動の影響もなく、静かな環境を維持したまま施工を進めることができました。
人力による室外機の搬出・搬入
所定の位置に新しい室外機を据え付け、既存の冷媒配管との接続を実施。マルチエアコンは複数の室内機と接続するため、配管の接続精度が重要です。漏れのないよう確実にフレア加工・トルク管理を行いました。
新規室外機の据付・配管接続
配管接続完了後、真空ポンプで配管内の空気と水分を除去する「真空引き」を実施。規定の真空度に到達した後、保持試験で配管からの漏れがないことを確認しました。この工程が不十分だと冷媒の循環不良やコンプレッサーの早期故障につながるため、時間をかけて丁寧に行っています。
真空引き・気密試験の実施
北海道の冬場に室外機への積雪・吹雪の影響を防ぐため、防雪フードを設置しました。防雪フードがないと吸込口が雪で塞がれて暖房能力が低下したり、霜取り運転が頻発する原因になります。設置後、試運転で冷暖房の正常動作を確認し、介護施設様へ引き渡しを行いました。
防雪フード設置完了
| 工事種別 | EHP業務用マルチエアコン入替工事 |
|---|---|
| 故障原因 | 室外機の基盤およびコンプレッサー故障 |
| 機種 | EHP(電気式ヒートポンプ)業務用マルチエアコン |
| 搬入方法 | ユニック車+人力搬入(ラフタークレーン不使用) |
| 付帯工事 | 冷媒回収・真空引き・気密試験・防雪フード設置 |
| 法令対応 | フロン排出抑制法に基づく冷媒回収 |
搬入経路がない現場では「ラフタークレーン一択」と判断されがちですが、今回のケースでは人力搬入を選択することで、クレーン手配費の削減・道路使用許可の不要化・近隣や入居者様への影響ゼロという3つのメリットを同時に実現しました。また、介護施設は入居者様の生活空間であり、工事中の騒音・振動を最小限に抑えることが求められます。totokaでは施設の運営に配慮した施工計画を立案し、空調停止時間を最短にするスケジュール管理を行っています。北海道の冬場を見据えた防雪フードの設置まで一貫対応しているのも特長です。
※ 本事例はお客様のプライバシー保護のため、施設名・詳細な住所等を伏せて掲載しています。
※ 写真は実際の工事現場で撮影したものです。
※ 工期・費用は現場条件により異なります。詳しくはお問い合わせください。

