【北海道の法人向け】換気扇・ロスナイの電気代はいくら?暖房費削減のために「止めてはいけないライン」とは

札幌も本格的な冬を迎え、毎月の光熱費の請求書を見るのが少し怖い季節になってきましたね。
オフィスの管理担当者様や店舗オーナー様から、私たちtotoka(トトカ)によくこんなご相談をいただきます。

「暖房費が高すぎるから、換気扇を止めてもいいだろうか?」
「24時間換気って、誰もいない夜間も回し続ける必要があるの?」

お気持ちは痛いほどよくわかります。外気温が氷点下になる北海道で、せっかく暖めた空気を外に捨ててしまう換気は、コストの観点から見れば「無駄」に見えるかもしれません。しかし、ただ闇雲に換気を止めることは、建物へのダメージや従業員の健康リスク、さらには法的なリスクを招く恐れがあり、結果的にコストが高くつく可能性があります。

この記事では、北海道の企業が知っておくべき「換気扇・ロスナイの電気代の真実」と、コスト削減と快適性を両立させるための「止めてはいけないライン」について、具体的な数字を交えて解説します。読み終える頃には、自社の換気運用が正しいかどうかの判断基準ができているはずです。

換気にかかる「2つのコスト」を理解する

まず、換気にかかるコストには2種類あることを理解しましょう。「換気扇を回すための電気代」と「換気によって失われる熱のコスト」です。特に北海道においては、後者が圧倒的に重要になります。

1. 換気扇そのものを回す電気代

実は、換気扇のモーターを動かす電気代自体は、それほど高くありません。

一般的なオフィスや店舗で使われる換気扇(パイプファンや天井埋込形)の消費電力は、機種にもよりますが数W〜数十W程度です。少し大きめの業務用有圧換気扇でも数十W〜100W程度が主流です。

【計算例:一般的な換気扇(消費電力30W)の場合】
  • 消費電力:30W(0.03kW)
  • 稼働時間:24時間
  • 電気料金単価:35円/kWh(北海道の法人向け高圧電力の目安として設定)

0.03kW × 24h × 30日 × 35円 = 756円/月

24時間つけっぱなしにしても、換気扇1台あたり月額700〜800円程度です。「ちりも積もれば」ではありますが、経営を圧迫するほどの金額ではありません。

2. 換気によって「捨てている」暖房費(熱ロス)

北海道で問題なのはこちらです。
換気をするということは、「灯油やガス、電気を使って22℃に暖めた室内空気」を外に捨て、「氷点下5℃の極寒の外気」を室内に取り込むことを意味します。

この冷たい外気を再び22℃まで暖めるために、暖房設備がフル稼働します。これを「換気負荷」と呼びます。

一言で言うと
換気扇を止めて節約できるのは数百円の電気代ですが、適切な換気制御で削減できるのは、数千円〜数万円規模の「暖房費」です。

「換気扇」「ロスナイ」「24時間換気」の違い

コスト削減を考える前に、自社の設備がどのタイプかを確認しましょう。

一般的な換気扇(第3種換気など)

トイレや給湯室、古いオフィスの壁についているプロペラファンなどです。空気をそのまま排出し、給気口や隙間から外気が入ってきます。

  • メリット: 設備が安い。
  • デメリット: 熱をそのまま捨てるため、北海道の冬には暖房費へのダメージが最大になります。

ロスナイ(全熱交換形換気機器)

三菱電機の商標ですが、一般的に「全熱交換器」のことを指します。排気する空気の「熱」だけを回収し、入ってくる冷たい外気にその熱を移してから室内に取り込みます。

  • メリット: 換気をしても室温があまり下がらない。暖房費を大幅に削減できる。
  • デメリット: 導入コストがかかる。定期的なフィルター掃除が必要。

24時間換気システム

2003年の建築基準法改正により、原則としてすべての建築物に設置が義務付けられました。シックハウス症候群を防ぐため、2時間に1回、室内の空気が完全に入れ替わる量の換気を行う必要があります。

  • 注意点: スイッチ自体に「24時間換気」と書かれており、基本的には入居者がオフにすることを想定していません。

止めてはいけないライン(法的・実質的リスク)

「誰もいない夜間や休日なら、換気を止めてもいいのでは?」
この疑問に対する答えは、「条件付きでYESだが、基本はNOに近い」です。ここが「止めてはいけないライン」の判断基準になります。

1. 法律のライン(建築基準法・ビル管法)

建築基準法では、居室における換気設備の設置が義務付けられています。特に、特定建築物(延べ床面積3,000㎡以上のビルなど)の場合、「ビル管法」によって空気環境の基準(CO2濃度1000ppm以下など)が厳しく定められています。

2. 建物の寿命を守るライン(結露・カビ)

北海道の冬、換気を止めると何が起きるでしょうか?
室内では人の呼吸や活動によって水分が発生します。換気が止まると湿気がこもり、冷えた窓ガラスや壁の内部で「結露」が発生します。
これがカビの原因となり、クロスの剥がれや断熱材の腐食を招きます。
「光熱費を数千円ケチった結果、数百万円の修繕費がかかる」というのは、北海道のビル管理ではよくある失敗事例です。

3. 生産性のライン(CO2濃度)

二酸化炭素(CO2)濃度が高くなると、人は眠気を感じたり、集中力が低下したりします。

  • 1000ppm以下:快適(基準値)
  • 1500ppm超:眠気を感じ始める
  • 2500ppm超:頭痛や倦怠感により、明らかにパフォーマンスが落ちる

「最近、暖房の効いた部屋で会議をするとみんな眠そうだ」という場合、換気不足で酸欠に近い状態になっている可能性があります。これは見えないコストロスです。

【北海道版】コストを抑えつつ賢く換気する3つの対策

では、どうすれば「必要な換気」を維持しながら「コスト」を下げられるのでしょうか。totokaが推奨する具体的なステップをご紹介します。

対策①:フィルター清掃を徹底する(即効性:中)

基本中の基本ですが、意外とできていないのがフィルター掃除です。
特に「ロスナイ」などの熱交換換気扇は、フィルターが目詰まりすると熱交換効率が劇的に落ちます。「熱を回収する機能」が働かず、ただの換気扇になってしまうのです。

  • 頻度: 北海道の冬シーズン前(10月〜11月)に一度、必ず清掃・交換を行ってください。雪解けの春にもう一度行うのが理想です。

対策②:CO2センサーを活用した「見える化」制御(即効性:大)

「常に強運転」か「停止」か、の0か100かで考えるのはやめましょう。
Amazonなどで数千円〜1万円程度で購入できる「CO2センサー」を設置してください。

  • 運用ルール例:
    • CO2濃度が800ppm以下なら、換気扇を「弱」にする、または間引いて運転する。
    • 1000ppmを超えたら「強」にする。
    • 無人の夜間: 24時間換気義務がある場合でも、法的に許容される範囲(または建物の湿気状況を見ながら)で、風量を最小限(弱運転)に絞ることは可能です。※完全停止は結露リスクがあるため推奨しません。

対策③:ロスナイ(全熱交換器)への入れ替え(即効性:特大)

もし現在、単純なプロペラファンや換気扇で排気を行っているなら、熱交換器(ロスナイなど)への設備更新を強くおすすめします。

北海道の場合、単純換気から熱交換換気に変えることで、換気による熱負荷を約60〜80%削減できるという試算もあります。
イニシャルコストはかかりますが、昨今の燃料費高騰を考えると、数年で回収できるケースも増えています。国の「省エネ補助金」の対象になることも多い設備です。

まとめ

今回の記事のポイントを整理します。

  • 換気扇本体の電気代は安いが、換気による「熱ロス(暖房費の増加)」が高い
  • 換気を完全に止めるのは「結露・カビ・法的リスク」があるためNG。
  • 「CO2センサーでの制御」「熱交換換気(ロスナイ)の活用」が北海道の最適解。

まずはここから!3ステップのアクション

  1. 現状把握: 社内の換気扇のフィルターが詰まっていないかチェックする。
  2. 計測: 安価なCO2センサーを導入し、過剰に換気しすぎていないか(濃度が低すぎないか)を確認する。
  3. 診断: 「うちは換気扇をどう運用するのが正解?」と専門家に相談する。

北海道のエネルギーコスト削減ならtotokaへご相談ください

換気設備の運用見直しは、大規模な工事をしなくても、設定変更や清掃だけで効果が出ることもあります。

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