蛍光灯をLEDに変えると工事は必要?バイパス工事と注意点【北海道の法人向け】

北海道の企業さまからよくある相談がこれです。
「蛍光灯をLEDにしたいけど、“工事不要”って本当? バイパス工事って何?」

結論から言うと、直管蛍光灯(いわゆるオフィス・工場・倉庫の棒状の蛍光灯)をLED化する場合、工事が必要になるケースが多いです。特に「安定器(電流を調整する部品)」が入っている器具は、バイパス工事(安定器を外して直結する配線工事)や、器具ごと交換が基本になります。日本照明工業会(JLMA)も、既設器具を改造して直管LEDを使う場合の注意点を整理したガイドを公開しています。

さらに、一般照明用の蛍光ランプは水銀規制(いわゆる水俣条約の流れ)で、種類ごとに段階的に製造・輸出入が禁止へ向かっています。環境省資料でもスケジュールが明記されています。
(※在庫の販売や既存品の使用まで直ちに禁止、という話ではありませんが、調達性は年々悪化します)


この記事でわかること(北海道の法人向け)

  • 工事が「必要なケース/不要に見えるケース」の違い
  • バイパス工事(直結工事)の中身と、やるべき理由
  • 事故・火災リスクを上げないための注意点(ガイドライン含む)
  • 北海道ならでは(低温倉庫・結露・高天井など)の落とし穴
  • 進め方(現地調査→機種選定→施工→運用)

1. そもそも「工事が必要」になるのはなぜ?

蛍光灯の器具には、多くの場合 安定器 が入っています。蛍光灯は放電(ガスに電気を流して光らせる)なので、電流を制御する仕組みが必要です。

一方、LEDは仕組みが違い、安定器が不要です。だから、器具側に安定器が残ったままだと、

  • 点灯方式が合わずに不点灯/ちらつき
  • 安定器の劣化による発煙・故障リスク
  • 無駄な電力が残る(安定器が電気を食う)
    といった問題が起きます。

このため「直管LEDに差し替えるだけ」では済まないケースが多く、安定器を外す配線(バイパス工事)や、器具ごとLEDへ交換が現実解になります。


2. 工事が必要?不要?よくある3パターン

パターンA:本当に工事がいらない(限定的)

代表例は、昔ながらのグロー式(点灯管=グロー球が付くタイプ)で、かつ メーカーが「グロー式器具専用・工事不要」と明記しているLEDランプを使う場合です。

ただし注意点があります。

  • 器具の方式がグロー式以外(ラピッド式・インバータ式)だと合わないことが多い
  • 「付けばOK」ではなく、安全に長く使えるかが別問題
  • 不適切な組合せで事故が起きた事例があり、業界団体も注意喚起しています

パターンB:バイパス工事(安定器を外して直結)

器具を活かしつつLEDにする代表パターンです。
安定器を撤去(または無効化)して、電源をLEDの口金(ソケット)へ配線します。

一般にこの作業は、電気工事(配線・結線)に当たり、資格者が行う領域になります。

パターンC:器具ごと交換(推奨されやすい)

最近の主流はこれです。
既設の蛍光灯器具をまるごと外し、LEDベースライト等の器具へ交換します。

器具改造に比べて、

  • メーカー保証・安全設計の範囲で運用しやすい
  • 事故リスクを管理しやすい
  • センサー・調光・非常用との整合など設計が楽
    という理由で、団体・メーカー側でも「器具ごと交換」を推奨する案内が多いです。
引用元:一般社団法人日本照明工業会https://www.jlma.or.jp/siryo/pdf/pamph/shoumeikigu_marugoto.pdf

3. バイパス工事(直結工事)とは?何をするの?

バイパス工事=「安定器を通っていた電気の流れを変えて、安定器を使わずにLEDへ供給する工事」です。
現場では「直結工事」と呼ばれることもあります。

バイパス工事で決まる重要ポイント:給電方式

直管LEDには大きく分けて、

  • 片側給電:片方の口金側だけに電源を入れる
  • 両側給電:左右に電源を分けて入れる
    などがあり、器具側の配線もそれに合わせます。

ここがズレると、不点灯・破損・感電リスクにつながるので、施工説明書どおりが必須です。

改造した器具は「表示」も必要になる

日本照明工業会のガイドでは、改造後に

  • 元の銘板情報が無効である旨
  • 給電側の表示
  • 蛍光灯が使えない旨
    などを分かる形で表示する考え方が示されています。
    (現場で混ざると危ないので、「誰が見ても誤使用しない」状態にするのが目的です)

4. 「工事が必要か」を現場で見分ける超実務ポイント

北海道の企業で多いのは、オフィス・店舗・工場・倉庫の直管器具です。まずは器具の方式を当たりましょう。

見分けの第一歩

  • グロー球(点灯管)が付いている → グロー式の可能性
  • グロー球が無い → ラピッド式・インバータ式の可能性が高い
  • 器具の銘板(ラベル)に点灯方式・適合ランプが書いてあることが多い

ただし、現場は「改修履歴」「器具混在」がよくあります。
同じ部屋でも器具が違うは珍しくないので、サンプル確認が安全です。


5. 法令・安全面:DIYが危ない理由(法人は特に)

配線してつなぐ作業は“軽微”に当たりにくい

経産省資料でも、資格が不要になり得る「軽微な工事」はかなり限定されています(コードや特定の接続器の範囲など)。
照明器具の内部配線を触って結線する行為は、一般にその範囲を超えます。

メーカーFAQでも、引掛シーリング等を介さず電源線を直接接続する施工には電気工事士の資格が必要と明記されています。

“点灯した”だけで安心しない(事故は組合せで起きる)

直管LEDは、器具との組み合わせや改造方法が適切でないと事故につながり得る、という注意喚起が出ています。

改造するとメーカー保証の対象外になりやすい

器具内部配線の切断・再結線などの改造は、既設器具メーカーの保証が適用外になる旨の案内があります。
(法人設備だと、事故時に「誰が・何を根拠に施工したか」が問われやすいので、記録も重要です)


6. 北海道の企業が特に注意したい:低温・結露・高天井

低温環境(冷凍・冷蔵・外気に近い倉庫)

蛍光灯は周囲温度で明るさや始動性が変わることが知られており、メーカーFAQでも低温・高温が不向きになり得る旨が説明されています。

一方でLEDも万能ではなく、器具ごとに使用周囲温度の範囲があります。一般品は5~35℃目安、などの注意も出ています。
冷凍・冷蔵倉庫なら、低温対応(例:-40℃対応など)の器具を選ぶのが安全です。

結露・湿気・粉じん(食品工場、バックヤード、車庫など)

北海道は屋内外の温度差が大きく、結露が起きやすい現場があります。
この場合は、防湿・防雨・防食や、カバー付き器具、器具の密閉性(IP等級)を検討したほうが事故と故障を減らせます。
(※IP等級=防塵防水の目安。数字が大きいほど強い、くらいでOKです)

高天井(工場・体育館・倉庫)

高天井は「交換回数が減る」ことがLED化の大きなメリットですが、同時に

  • 高所作業車の手配
  • 足場計画
  • 落下防止
  • 配光(光の広がり方)の設計
    がコストと安全を左右します。
    ここを雑にすると「暗い」「まぶしい」「ムラがある」になり、結局やり直しになります。

7. 費用感と回収(ざっくり計算のしかた)

金額は現場条件で大きく変わるので断定はしませんが、考え方はシンプルです。

回収の基本式

年間削減額(円)=(旧消費電力W − 新消費電力W)× 点灯時間(h/年)÷1000 × 電気料金単価(円/kWh)× 台数

  • 単価(円/kWh)は契約・燃料調整などで変動します。自社の請求書ベースで入れるのが正確です。
  • 24時間稼働(工場・倉庫・介護施設)ほど回収が早くなりやすいです。
  • 高天井は工事費が上がりがちですが、交換・保守の手間も大きく下がるので「総額」で判断がおすすめです。

8. 失敗しない進め方(北海道の法人向けロードマップ)

Step1:現地調査(器具方式の確認)

  • グロー/ラピッド/インバータ
  • 器具の混在有無
  • 200V系かどうか
  • 非常灯・誘導灯が混ざっていないか(※後述)

Step2:方針決め(3択)

  • 工事不要LEDでいける範囲だけやる(限定的)
  • バイパス工事で器具改造する
  • 器具ごと交換する(推奨されやすい)

Step3:機種選定(北海道ポイント込み)

  • 低温対応が必要か
  • 結露・粉じん環境か
  • 配光(作業面の明るさ確保)
  • 色温度(青白い/自然/暖かい)※現場用途で選ぶ

Step4:施工と記録

  • 施工説明書どおり
  • 改造した場合は表示(ラベル)を残す
  • 回路図・施工写真・使用機器の型番を保管(保険・BCP的にも効きます)

9. 注意:非常灯・誘導灯は“別物”として扱う

非常用照明器具・誘導灯は、法定点検や技術基準が絡む領域です。日本照明工業会も防災照明器具の注意点や制度に触れています。
また、非常用照明器具にLED光源を使う場合の技術基準(適合条件)に関する資料もあります。

現場では「同じ見た目の埋込器具の真ん中だけ非常灯」みたいなこともあるので、混ざっていたら必ず専門業者で切り分けしてください。


10. まとめ:北海道の法人が押さえるべき結論

  • 直管蛍光灯のLED化は、工事が必要になるケースが多い
  • 「工事不要」は“条件つき”。組み合わせ事故や劣化リスクもある
  • バイパス工事(直結工事)は、給電方式・表示・記録までがセット
  • 法令・安全面から、配線を触る施工は資格者領域になりやすい
  • 北海道は低温・結露・高天井が効く。低温対応の器具選びが重要
  • 蛍光ランプの製造・輸出入禁止の流れもあるので、計画的な更新が得

北海道の現場は、低温・結露・高天井などの条件で「選び方」と「施工の段取り」が変わります。
「工事不要でいけるのか」「バイパス工事が必要か」「器具ごと交換が最適か」――ここを間違えると、不点灯・ちらつき・想定より暗いといった手戻りにつながりがちです。

株式会社totokaでは、北海道の法人さま向けに、
現地確認 → 最適な方式の提案(バイパス工事/器具交換)→ 工事手配 → 効果の見える化まで一気通貫でサポートしています。
まずは「何をどこまで工事するのが得か」を、現状の器具・点灯時間・電気料金から整理します。
LED化をご検討中の方は、totokaまでお気軽にご相談ください。