「脱炭素」「カーボンニュートラル」という言葉を耳にする機会が増えました。しかし、具体的に何をすればよいのか分からないという北海道の企業経営者も多いのではないでしょうか。
そんな中、環境省が推進する「デコ活」推進事業の令和7年度補正予算による公募が、2026年3月13日に開始されました。この補助金は、脱炭素につながる製品やサービスを社会に広める取組を支援するもので、補助上限は最大3億円という大型の制度です。
本記事では、北海道の中小企業や法人の方が「自社に関係があるか」「活用できるか」を判断できるよう、制度のポイントをわかりやすく解説します。
この記事でわかること
✅ 「デコ活」推進事業の補助金とは何か
✅ 補助金額・補助率・対象事業の種類
✅ 応募できる事業者の要件と共同申請のルール
✅ 申請の流れとスケジュール(締切:2026年4月15日)
✅ 北海道の企業にとっての活用ポイント
1. 「デコ活」推進事業の補助金とは?
① 制度の目的
「デコ活」とは、脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動の愛称です。環境省が主導し、2030年度までに温室効果ガスを2013年度比で46%削減(家庭部門は66%削減)する目標の達成を目指しています。
この補助金は、国民の行動変容やライフスタイルの転換を促す「社会実装型」の取組を支援する制度です。従来のような普及啓発(チラシ配布やセミナー開催)にとどまらず、脱炭素につながる製品・サービスを実際に社会に広めるプロジェクトが対象になります。
単なるPRや広報活動ではなく、消費者が実際に脱炭素な製品やサービスを「選べる仕組み」を作り、事業として自走できる状態を目指す取組のことです。たとえば、省エネ家電の購入を促す地域ポイント制度や、再生可能エネルギーの活用を促進するサービスの展開などが想定されます。
② 予算規模
令和7年度補正予算として、一般会計分3億3,500万円、エネルギー対策特別会計分1億7,500万円が計上されています。大型の支援制度であることがわかります。
北海道は寒冷地のため、暖房や給湯にかかるエネルギー消費量が全国平均よりも高い傾向にあります。それだけに、省エネルギーや脱炭素に関する取組の効果が大きく出やすい地域です。地域の企業や自治体が連携して暮らしの脱炭素化を進めるプロジェクトは、この補助金の趣旨に合致しやすいでしょう。
2. 補助金額と補助率はいくら?
対象事業は「広域規模事業」と「地域規模事業」の2種類があります。どちらかを選択して申請します。
| 区分 | 対象範囲 | 補助率 | 補助上限額 |
|---|---|---|---|
| 広域規模事業 | 2つ以上の都道府県にまたがる事業 | 1/3以下 | 3億円 |
| 地域規模事業 | 1つの都道府県内で効果が認められる事業 | 1/3以下 | 1億円 |
補助率は対象経費の3分の1以下です。残りの3分の2は事業者側が負担する「マッチングファンド方式」で実施されます。つまり、国と事業者が1:2の割合で資金を出し合う形です。
事業者と国がそれぞれ資金や人的・物的資源を持ち寄り、より大きなプロジェクトを実現させる仕組みです。代表事業者・共同事業者のいずれも経費を計上する必要があります。補助金だけで全額まかなえる制度ではない点にご注意ください。
3. 誰が応募できる?共同申請のルール
① 応募できる事業者
以下のいずれかに該当する法人・団体が応募できます。
| 民間事業者 | 株式会社、合同会社など(風俗営業等を除く) |
| 地方公共団体 | 都道府県、市町村 |
| 独立行政法人 | 独立行政法人通則法に基づく法人 |
| 各種法人・NPO | 一般社団・財団法人、公益法人、NPO等 |
② 2者以上の共同申請が必須
この補助金の大きな特徴として、必ず2者以上が共同で事業を実施する必要があります。1者のみでの申請はできません。
代表事業者を1者決め、補助金の申請・交付の窓口となります。代表事業者は事業全体の責任を負い、共同事業者が規程に違反した場合もその責任を負うことになります。
採択後に代表事業者や共同事業者を変更することは、原則としてできません。申請前にパートナーとなる事業者や団体との調整を十分に行っておくことが重要です。
4. どんな事業が対象になる?審査のポイント
① 対象事業の要件
補助の対象となるためには、以下のすべての要件を満たす必要があります。
| 環境保全効果 | CO2削減のほか、資源循環やネイチャーポジティブ(生物多様性保全)の効果も対象 |
| 行動変容の促進 | 単なる呼びかけではなく、国民が実際に行動を変える仕掛けであること |
| ボトルネック解消 | 消費者側の障壁を構造的に取り除く仕組みであること |
| 社会実装 | 補助期間終了後も効果が継続する事業計画であること |
② 審査で加点されるポイント
書類審査と外部有識者による審査委員会を経て採択が決まります。以下の要素を満たすと加点の対象になります。
| 加点項目 | 内容 |
|---|---|
| 独自性 | 提供する製品・サービスに独自の利点や強みがある |
| 異業種連携 | 普段は連携しにくい相手との協働事業になっている |
| 中小企業の参画 | ベンチャー企業や中小企業による連携事業である |
| 先進性・モデル性 | 他地域や他業界への応用・横展開が見込まれる |
| 費用対効果 | CO2削減量に対する費用対効果が大きい |
| デコ活への参画 | デコ活応援団への参画やデコ活宣言をしている |
| 排出削減目標の公表 | 2050年ネットゼロに向けた目標をHPなどで公表している |
5. 補助対象となる経費は?
この補助金はソフト経費が対象です。設備購入など大型のハード投資ではなく、事業を推進するための運営費が中心となります。
| 人件費 | 事業に直接従事するスタッフの給与等 |
| 社会保険料 | 事業従事者の保険料(事業主負担分含む) |
| 諸謝金 | 外部専門家への謝金 |
| 旅費 | 事業に必要な交通移動の経費 |
| 印刷製本費 | 資料等の印刷に係る費用 |
| 委託料 | 業務の外注にかかる費用 |
| 使用料・賃借料 | 会場使用料など |
| 消耗品費 | 事務用品等の購入費 |
6. 申請スケジュールと手続きの流れ
① 重要な日程
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 公募開始 | 令和8年(2026年)3月13日(金) |
| 問い合わせ期限 | 令和8年(2026年)4月8日(水)17時 |
| 応募締切 | 令和8年(2026年)4月15日(水)17時必着 |
| 補助事業期間 | 交付決定後~令和9年(2027年)2月28日 |
期限を過ぎた申請は、協会側の事情による遅延でない限り受理されません。Jグランツ(電子申請システム)での提出が基本ですが、GビズIDアカウントの取得に約2週間かかります。未取得の方は今すぐ手続きを始めましょう。
② 申請の流れ
2者以上の共同申請が必須です。代表事業者を決め、役割分担と経費の分担を整理します。
実施計画書、経費内訳、企業パンフレット、貸借対照表等を準備し、Jグランツで提出します。やむを得ない場合はメールでの提出も可能です。
外部有識者の審査委員会による審査を経て、採択が決定されます。
交付決定の通知を受けてから事業を開始します。交付決定前の発注や契約は補助対象外となるためご注意ください。
③ 提出書類一覧
| 様式第1 | 応募申請書 |
| 別紙1 | 実施計画書 |
| 別紙2 | 経費内訳 |
| 企業パンフレット等 | 代表事業者・共同事業者の業務概要 |
| 経理状況説明書 | 直近2年分の貸借対照表・損益計算書 |
| 定款 | 代表事業者・共同事業者の定款または法人登記簿 |
7. まとめ:北海道の企業が押さえるべきポイント
「デコ活」推進事業の補助金は、単なる設備投資の支援とは異なり、脱炭素な製品・サービスを社会に広める「仕組みづくり」を支援する制度です。地域の企業同士や自治体と連携し、消費者の行動変容を促すプロジェクトに取り組みたい方にとって、最大3億円という手厚い支援が受けられるチャンスです。
北海道はエネルギー消費量が多い地域であるため、暖房・給湯の省エネ化、再エネ電力の活用促進、寒冷地向け脱炭素サービスの普及など、CO2削減効果が大きいテーマで申請しやすい環境にあります。地元の自治体や関連企業と連携して共同申請を検討してみてはいかがでしょうか。応募締切は2026年4月15日(水)17時です。GビズIDの取得や共同事業者との調整を含め、早めの準備をおすすめします。
問い合わせ先
| 執行団体 | 一般社団法人 地域循環共生社会連携協会 事業部 |
| 担当 | 本戸・齋藤 |
| メール | deco08@rcespa.jp |
| 問い合わせ期間 | 2026年3月13日(金)~4月8日(水)17時まで |
記事情報
公開日:2026年3月23日
参照資料:環境配慮行動普及促進事業費補助金及び二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(「デコ活」推進事業)公募要領・事業概要
※本記事は上記資料に基づいて作成しています。最新情報は一般社団法人 地域循環共生社会連携協会の公募ページをご確認ください。

