北海道の保育園・こども園必見!衛生管理とコスト削減を両立する「給湯・空調・加湿」の最適化マニュアル

札幌をはじめ、北海道内の保育園・認定こども園の運営者の皆様、毎日の園運営お疲れ様です。

特に冬場、頭を悩ませるのが「光熱費の高騰」ではないでしょうか。 大切なお子様をお預かりする施設として、寒さを我慢するわけにはいきません。さらに感染症対策のための「換気」と「加湿」は必須。窓を開ければ冷気が入り、暖房を強めれば空気が乾燥し、加湿器をフル稼働させれば電気代が跳ね上がる……。まさに、あちらを立てればこちらが立たずの悪循環に陥りやすいのが、北海道の保育現場の現状です。

「光熱費を削りたいけれど、子どもたちの環境が悪くなるのは絶対に避けたい」 「衛生基準を守りながら、無駄なコストだけを省く方法はないだろうか?」

もしこのようなお悩みをお持ちなら、この記事がきっとお役に立てます。 今回は、北海道のエネルギー事情に詳しいコンサルタント会社「totoka」が、保育の質を落とさずに実行できる、給湯・空調・加湿の省エネ・コスト削減ポイントを徹底解説します。

専門的な設備の話もありますが、わかりやすく噛み砕いてお伝えします。「自園でもすぐにできそうなこと」から、ぜひ取り入れてみてください。

【現状分析】なぜ北海道の保育園はエネルギーコストが高止まりするのか?

具体的な対策に入る前に、まずは保育施設特有のエネルギー消費傾向を整理しましょう。オフィスビルや一般家庭とは異なる「3つの大きな負荷」がかかっていることが原因です。

1. 「24時間に近い」空調稼働時間

一般的なオフィスなら夜間や休日は空調を止めますが、延長保育や休日保育を行っている園では、稼働時間が圧倒的に長くなります。さらに北海道の寒冷地仕様の建物は気密性が高い反面、一度冷え切ると温めるのに膨大なエネルギーを使うため、「アイドリング運転(弱運転)」を続けるケースも多く、暖房コストが積み上がります。

2. 大量の「お湯」の使用

調理室での給食づくりはもちろん、頻繁な手洗い、排泄介助後のお尻洗い、沐浴など、保育園は「お湯」を大量に消費します。 北海道の冬、水道水の温度は極めて低くなります(1桁台の水温になることも)。これを適温(40℃前後)まで温めるには、本州の数倍のエネルギーが必要です。

3. 「換気」と「加湿」のジレンマ

感染症対策ガイドラインに基づき、冬でも定期的な換気が求められます。せっかく暖めた空気を外に捨て、氷点下の外気を取り入れる。このロスを埋めるために暖房機がフルパワーで稼働します。さらに、暖房で乾燥した空気を潤すために大型加湿器を何台も動かすため、ここでも電力負荷がかかります。

totokaの視点 「無駄遣いをしているわけではないのに光熱費が高い」と感じるのは、この構造的な問題があるからです。だからこそ、精神論の節約ではなく、「設備の使い方」と「契約の見直し」という仕組みのアプローチが必要不可欠なのです。


【給湯編】衛生を守りつつ、沸かしすぎを防ぐ

給湯コストの削減において重要なのは、「温度設定」と「ピークカット」です。

安全な温度と省エネのバランス

給湯設備において最も注意すべきは、レジオネラ菌などの細菌繁殖リスクです。タンク内のお湯の温度を下げすぎると、衛生上のリスクが発生します。

  • 貯湯タンクの温度: 一般的に60℃以上で管理することが推奨されています。これを極端に下げる(例:40℃で保存する)のは衛生上おすすめできません。
  • 給湯温度(蛇口から出る温度): ここが調整ポイントです。手洗いや洗い物に使うお湯の設定温度が必要以上に高くなっていませんか? 例えば、混合水栓(お湯と水を混ぜて出すタイプ)の場合、給湯設定温度が高すぎると、結局水で薄めて使うことになります。
    • 改善策: 洗い場や調理場の用途に合わせて、必要最低限の温度設定(40〜42℃など)に見直すだけでも、ガスや電気の消費を抑えられます。

「お湯の使い分け」でコストダウン

北海道の多くの園では、電気温水器やガス給湯器を使用しているかと思います。

  • 予洗い・つけ置きの水温: 油汚れのひどい食器や、汚れた衣類の予洗いに「熱湯」を使っていませんか? 酵素系洗剤などは30〜40℃のぬるま湯で最も効果を発揮するものが多いです。高温すぎると逆にタンパク質汚れが固まることもあります。「熱ければ熱いほど落ちる」という思い込みを見直すだけで、お湯の使用量を減らせます。
  • 節水コマ・節水シャワーヘッドの導入: これは初期投資が少なく、効果が確実な方法です。特に沐浴槽のシャワーや、調理場のシンクなど、流しっぱなしになりがちな箇所には「手元止水スイッチ」付きのヘッドや、泡沫アダプター(空気を含ませて水量を減らす器具)を導入しましょう。お湯の使用量が減れば、それを沸かすエネルギーも減ります。

【空調・換気編】熱を捨てない工夫とデマンド管理

北海道の保育園において、光熱費の6〜7割を占めるのが「暖房費」と言われています。

換気による「熱ロス」を防ぐ「全熱交換器」

「換気はしなきゃいけないけれど、寒いのは困る」。この悩みを解決する設備が「全熱交換器(ロスナイなど)」です。

  • 一言で言うと: 排気する暖かい空気の「熱」だけを回収し、入ってくる冷たい外気に移して室内に戻す換気扇です。

もし、貴園の換気扇が普通の「プロペラファン(回ると外が見えるタイプ)」や「レンジフード型」だけであれば、暖房した熱をそのまま外に捨てている状態です。 全熱交換器を導入(または適切にメンテナンス)することで、換気をしても室温が下がりにくくなり、暖房負荷を大幅に軽減できます。これは北海道の施設では必須級の設備投資と言えます。

「デマンド値」を意識した運用

高圧電力(キュービクルがある規模の施設)をご契約の場合、基本料金は「過去1年間で最も電気を使った瞬間(30分値)」で決まります。これを「デマンド値」と呼びます。

  • よくある失敗例: 冬の朝、登園前に「寒いから」といって、全教室のエアコン、床暖房、調理場のIHなどを一斉に「強」でオンにする。 → この瞬間にデマンド値が跳ね上がり、その後の1年間、高い基本料金を払い続けることになります。
  • 対策:順次起動(時差起動)
    • 7:00 乳児クラスの暖房ON
    • 7:15 幼児クラスの暖房ON
    • 7:30 事務室の暖房ON
    このように、スイッチを入れる時間を15分〜30分ずらすだけで、ピーク電力を抑え、基本料金を数万円〜数十万円単位で下げられる可能性があります。これは設備投資ゼロで、明日の朝からできる対策です。

フィルター清掃は「職員の負担」にしない

エアコンや換気扇のフィルターが目詰まりしていると、効率が10〜20%悪化します。しかし、忙しい保育士さんに「こまめに掃除して」と頼むのは現実的ではありません。

  • 提案: フィルター清掃を外部委託(プロに依頼)するか、用務員さんの業務として明確にスケジュール化しましょう。清掃コストを払っても、電気代の削減分で元が取れるケースが多いです。特にホコリの多い保育現場では重要です。

【加湿編】実は見落としがちな「電気食い」

インフルエンザや風邪予防のために、冬場の保育室は湿度50〜60%を保ちたいところです。しかし、加湿の方法によって電気代は天と地ほどの差が出ます。

加湿方式によるコストの違い

  1. スチーム式(加熱式): お湯を沸かして蒸気を出すタイプ。
    • メリット:衛生的、加湿能力が高い、暖かい。
    • デメリット:電気代が非常に高い(ポットでお湯を沸かし続けているのと同じ)。
  2. 気化式: 水を含んだフィルターに風を当てて気化させるタイプ。
    • メリット:電気代が安い。
    • デメリット:室温を下げる(気化熱)、フィルターの手入れを怠るとカビやすい。
  3. ハイブリッド式: 状況に応じて加熱と気化を使い分けるタイプ。
    • メリット:バランスが良い。多くの業務用加湿器はこのタイプ。

北海道の保育園における最適解

コストだけを見れば「気化式」ですが、冷たい風が出るため室温を下げ、結果的に暖房負荷を上げてしまうことがあります。 おすすめは「ハイブリッド式」を選び、設定湿度に到達したら自動で省エネ運転に切り替わる機種を使うこと。

また、意外な盲点が「過加湿」です。 窓が結露してびしょ濡れになっている場合、それは加湿しすぎ(または断熱不足)です。結露はカビの原因となり、アレルギー児には悪影響です。 湿度計を部屋の中央(窓際や加湿器のすぐそば以外)に置き、「相対湿度50%」を目安にコントロールしましょう。60%を超えて加湿し続けるのは、エネルギーの無駄遣いになるだけでなく、建物を傷める原因にもなります。


【補助金・制度】北海道だからこそ使える支援

設備更新には費用がかかりますが、国や北海道、札幌市などの補助金を活用できる場合があります。

  • 高効率空調・給湯器への更新: 「省エネ補助金(エネルギー使用合理化等事業者支援事業)」など、古い設備を最新の省エネ機器に入れ替える際に、費用の1/3〜1/2程度が補助される制度が毎年のように公募されています。
  • 断熱改修(窓の二重化など): 先進的窓リノベ事業など、窓の断熱性能を上げるリフォームにも補助が出ます。内窓(二重窓)をつけるだけで、冷気の侵入(コールドドラフト)が防げ、暖房効率が劇的に改善します。

これらは申請のタイミングや要件が複雑です。「そろそろ設備が古いな」と思ったら、壊れる前にご相談いただくのがベストです。


まとめ

保育園・こども園におけるエネルギーコスト削減と、快適な環境づくりを両立するためのポイントを整理します。

  • 給湯: 衛生上の安全温度(タンク内60℃以上)は守りつつ、使用時の温度や水量を「節水コマ」などで物理的に抑制する。
  • 空調・換気: 朝の一斉点灯を避ける「時差起動」で基本料金を下げる。換気による熱ロスを防ぐ「全熱交換器」の導入・メンテを行う。
  • 加湿: 結露するほどの過加湿はNG。湿度計を見ながら50%を目安に管理し、ハイブリッド式等を活用する。

【まず貴園がやるべき3ステップ】

  1. 現状把握: 直近1年間の電気・ガス・灯油の明細を用意し、どの季節(月)にコストが跳ね上がっているかを確認する。
  2. 運用改善: 「朝のエアコン時差起動」と「設定温度のルール化」を職員に周知し、1ヶ月試してみる。
  3. 専門家診断: それでも下がらない、あるいは設備が古い場合は、プロに「デマンド値の分析」と「設備更新のシミュレーション」を依頼する。

totokaへの相談

「うちは古い建物だから仕方がない……」と諦める前に、一度totokaにご相談ください。

保育の現場は、先生方が子どもたちの安全を守ることで手一杯で、エネルギー管理にまで手が回らないのが当然です。だからこそ、私たちのような外部の専門家を「設備係」として使ってください。

totokaでは、現在のご契約内容と過去1年分の光熱費明細をご共有いただければ、 「適正な契約メニューになっているか」「運用の工夫でどれくらい削減余地があるか」を無料で簡易診断いたします。

もちろん、無理な設備の売り込みや、保育の質を下げるような提案は一切いたしません。 「浮いた光熱費で、新しい遊具を買いたい」「職員の休憩室を快適にしたい」 そんな未来を一緒に作りませんか?

まずは、「無料診断希望」とお気軽にお問い合わせください。