「燃料代や電気代が高止まりして、利益を圧迫している」 「設備を更新したいが、どこから手を付けるべきか迷っている」
もし今、「北海道 省エネ診断」というキーワードで検索されているなら、貴社は以下のいずれかに当てはまるのではないでしょうか。
- 電気代が急に上がった(基本料金やピーク電力に心当たりがない)
- 冬のコストが怖い(灯油・ガスの使用量が読めず、予算が立てにくい)
- 設備更新の優先順位が決まらない(高額な投資で失敗したくない)
- 補助金を申請したい(省エネ効果の「根拠」を整理したい)
本記事では、北海道の厳しい冬や現場特性を踏まえ、「省エネ診断を受けると具体的に何が分かり、どう得をするのか」を、専門用語を使わずに解説します。
そもそも「省エネ診断」とは?
一言でいうと、「専門家が現場とデータを見てムダを特定し、削減策を『優先順位付き』で提案する取り組み」です。
単なる現状把握だけでなく、最近は「再エネ導入の提案」や「実行支援(伴走)」までセットになったメニューも増えています。
北海道経済産業局の案内でも、専門家が現地を訪問し、具体的な省エネ手法の助言や再エネ提案を行う支援として位置づけられています。
診断でチェックするのは「3つのポイント」
難しい言葉は使いません。見るのは主に次の3点です。
1. 使い方(運用)
- 温度設定は適切か(高すぎ/低すぎ)
- 不要なアイドリング運転をしていないか
- エリアごとのこまめなON/OFFができているか
- 休日や夜間もベース電力が落ちていないか
2. 手入れ(保全)
- 空調フィルターが目詰まりしていないか
- 熱交換器が汚れて効率が落ちていないか
- 蒸気やエアーの漏れはないか(シューという音がしていないか)
- 配管の保温(断熱)が剥がれていないか
3. 仕組み(設備・制御)
- 設備の能力が過大、または不足していないか
- 制御が古く、ムダな運転をしていないか
- 更新すべき設備の順位が決まっていない
診断の核心: いきなり高い機械を買うのではなく、「今の設備・使い方のままで落とせるコストを拾う」こと。そして投資が必要なら「回収が早い順に並べる」こと。これが最大のメリットです。
北海道企業が使いやすい「代表的な診断メニュー」
北海道で利用できる主な公的支援(国・道・市町村連携)を紹介します。 ※費用や募集期間は年度により変動します。最新情報は各リンク先をご確認ください。
A. 省エネ最適化診断(省エネルギーセンター系)
北海道経済産業局のページでも案内されている、最もスタンダードな診断です。会社の規模(エネルギー使用量)に応じたメニューがあり、国からの補助が入るため安価に受けられます。
- 費用目安(税込・国負担後の自己負担額例):
- 小規模診断:約 7,920円
- A診断(標準):約 10,670円
- B診断(詳細):約 16,940円
- 大規模診断:約 25,850円
- ※上記は過去の実績例です。年度により改定される場合があります。
- 詳細:省エネ最適化診断(一般財団法人 省エネルギーセンター)
B. SII(環境共創イニシアチブ)の省エネ診断
SII(通称:エスアイアイ)では、簡易な診断から詳細な分析まで、複数のプランが案内されています。設備更新の補助金申請とリンクする場合も多いため、更新計画がある場合におすすめです。
- 詳細:SII 省エネ診断事業
C. 省エネお助け隊(地域密着の支援窓口)
中小企業に対して手厚い支援を行う地域プラットフォームです。札幌商工会議所などの案内では、「診断費用の9割を補助」する枠組みが用意されていることが多く、コストを抑えて専門家の派遣を受けられます。
D. 北海道庁の支援(ゼロカーボン・省エネ加速化)
北海道独自の支援として、設備導入を前提とした「診断・分析・計画策定・設計」にかかる費用を補助する制度が出るケースがあります。単なる診断だけでなく、設計や調査の委託費も対象になり得るのが特徴です。
【実況】省エネ診断の当日の流れ(1日コース)
ここでは、工場・倉庫・店舗などでよくある「現地診断(1日想定)」の様子を再現します。実際に何をするのか、イメージをつかんでください。
1)到着〜最初の10分:目的を「1行」で決める
最初にやるのは「今日のゴール合わせ」です。
- 「電気代の基本料金を下げたい」
- 「冬の灯油・ガス代を減らしたい」
- 「設備更新の優先順位を決めたい」
- 「補助金申請の根拠がほしい」
この「1行」が決まるだけで、見るべきポイントと提案の精度が劇的に変わります。
2)開始30分:ヒアリング(机上で“当たり”をつける)
会議室などで、ざっくりとした状況を伺います。
- 稼働時間(平日・土日・夜間)
- 現場の困りごと(寒い・暑い・結露・故障が多い等)
- 主要な負荷(空調、ボイラ、冷凍冷蔵、コンプレッサなど)
- 請求書・検針票の確認(直近12か月分)
ここで診断員は「冬の朝にピークがきている」「休日も電力が落ちていない」といった仮説(当たり)を立てます。
3)60〜120分:ウォークスルー(現場を歩いて回る)
ここが本番です。設備を見るだけでなく、現場の方に「普段どう運転していますか?」と聞きながら回ります。
- 空調・換気: 設定温度、フィルタの目詰まり、室外機の雪・障害物、換気の回しっぱなし確認。
- 照明: 昼間の全点灯、エリアごとの消灯可否、明るすぎる場所の確認。
- ボイラ・給湯(北海道の重要ポイント): 設定温度、ポンプの常時運転、配管の保温(断熱)不足、蒸気漏れ。
- コンプレッサ(工場・倉庫): エア漏れの音、圧力設定、休日の稼働状況。
ムダの原因が「運用(使い方)」にある場合、投資ゼロで効果が出ることが多いため、念入りに確認します。
4)午後:図面・仕様・データで裏取り
午前中に見つけたムダを、午後は「数字と根拠」に落とし込みます。 請求データの季節変動や、設備のスペック、運転スケジュールを照らし合わせ、「なぜ高いのか」の証拠を固めます。
5)終了前30分:ミニ報告
一日の最後に、以下の3分類で速報を伝えます。
- すぐ効く: 設定変更、スケジュール調整、清掃、消し忘れ防止
- じわっと効く: 保温工事、漏れ対策、制御の微調整
- 大きく効く: 機器更新、熱源転換(再エネ含)
この時点で「まず何からやるべきか」が見えれば、その診断は成功です。
成果物と事前準備について
診断を受けると何がもらえる?(報告書)
後日、詳細な報告書が届きます。 「年間の削減ポテンシャル(金額・エネルギー量)」に加え、「投資不要ですぐできる対策」「投資回収〇年以内の対策」などが整理されています。
参考サンプル:省エネ診断報告書例(PDF)
事前に用意すると「診断の質」が上がるもの
全部揃っていなくても診断は可能ですが、あると精度が上がります。
- 直近12か月の請求書(電気・ガス・灯油・A重油など全て)
- 主要設備リスト(空調、ボイラ、コンプレッサ等の型式・年式)
- 図面(平面図だけでも可)
- 稼働カレンダー(稼働日、時間、繁忙期がわかるもの)
- 「困りごと」メモ(寒い場所、よく止まる機械など)
北海道企業が失敗しない「選び方」のポイント
1. 目的で選ぶ 現場のムダをざっくり知りたいなら「ウォークスルー診断」、詳細なデータ分析が欲しいなら「計測・分析型」、設備更新まで見据えるなら「計画策定支援」を選びましょう。
2. 安さだけで決めない 診断費用は補助金で安くなりますが、重要なのは「実行できる報告書が出てくるか」です。実績のある機関や、地元の事情(雪、寒冷地仕様)に詳しい専門家を選ぶのが鍵です。
3. 「その後」の支援を確認する 診断はあくまでスタート地点です。 「省エネお助け隊」や北海道庁の支援には、診断後の「計画策定」や「設計」に対する補助が含まれる場合があります。社内の決裁を通しやすくするためにも、こうした伴走支援の有無を確認しましょう。
まとめ:投資の前に「当たり」をつける最短ルート
省エネ診断は、闇雲に設備を更新する前に、「どこが一番のムダか」「何からやれば元が取れるか」を明確にするための健康診断です。 特に北海道は、冬の暖房・給湯負荷がコストを大きく左右します。この「冬のベース負荷」を下げるヒントが見つかれば、利益へのインパクトは絶大です。
totokaの支援について
totokaでは、北海道特有の現場事情(冬のピーク負荷、積雪対策、稼働条件)を前提に、以下のステップで支援を行います。
- すぐ効く運用改善(コストゼロ)
- 投資判断の材料作成(回収年数の試算)
- 実行の段取り(補助金活用を含めた計画)
「本格的な診断を受けるべきか迷っている」「まずは請求書を見て、見込みがあるかだけ知りたい」という段階でも、お気軽にご相談ください。現場に即した現実的なプランをご提案します。

