北海道でLPガス(プロパンガス)をお使いの事業者や一般家庭の皆様にとって、ガス料金の高止まりは大きな悩みではないでしょうか。特に冬場の暖房需要が大きい北海道では、光熱費が経営コストに直結します。
こうした状況を受け、北海道は5回目となる「LPガス利用者緊急支援事業」を実施しています。今回の第5次支援では、令和8年2月~5月の検針分を対象に、1契約あたり最大2,000円(税別)の値引きが行われます。
本コラムでは、第5次支援事業の概要、対象者、申請の流れ、よくある疑問点までを整理してお伝えします。
この記事でわかること
✅ 第5次 北海道LPガス利用者緊急支援事業の概要と対象期間
✅ 値引きの対象者・対象外となるケース
✅ LPガス販売事業者側の申請手続きと支援金額
✅ 値引き時の注意点とよくある質問
1. 第5次 北海道LPガス利用者緊急支援事業とは?
北海道では、LPガス料金の高騰が続く中、利用者の負担軽減を図るため、これまで4回にわたりLPガス販売事業者を通じた料金値引き支援を行ってきました。LPガス料金が依然として高い水準で推移していることを踏まえ、5回目の支援が実施されています。
この事業は、北海道がLPガス販売事業者に対して値引き原資を支給し、販売事業者が利用者のガス料金を値引きするという仕組みです。利用者側に申請手続きは必要ありません。
電気料金や都市ガスには国の激変緩和措置が講じられてきましたが、LPガスはその対象外でした。北海道は都市ガス管の整備が行き届いていない地域が多く、LPガス依存度が高い地域です。道独自の支援事業として5回にわたり継続されている本制度は、道内の事業者・家庭の負担軽減に直結する重要な施策といえます。
① 制度の概要
| 事業名 | 第5次 北海道LPガス利用者緊急支援事業 |
| 対象期間 | 令和8年(2026年)2月~5月検針分 |
| 値引き額 | 1契約あたり最大2,000円(税別)/合計2,200円(税込) |
| 値引き方法 | LPガス販売事業者が料金から値引き(原則2か月以内に分割可) |
| 利用者の手続き | 不要(販売事業者が申請・値引きを実施) |
| 交付申請受付期間 | 令和8年1月26日(月)~令和8年4月30日(木)※当日消印有効 |
| 問い合わせ先 | 北海道LPガス補助金センター TEL:0120-576-440(平日9:00~17:00) |
2. 値引きの対象者と対象外
① 対象となる利用者
本事業の値引き対象は、液石法に基づくLPガスの一般用・業務用の利用者、およびコミュニティーガス(旧・簡易ガス)の利用者です。飲食店やホテル、病院、介護施設など、業務用の物件も含まれます。
② 対象外となるケース
以下に該当する場合は値引きの対象外となります。
| 対象外の区分 | 具体例 |
|---|---|
| 国・地方公共団体が管理する施設 | 公立学校、消防署、市区町村役場など |
| 高圧法の工業用消費者 | 工場での製造用ガス利用 |
| 液石法の質量販売消費者 | 質量販売方式での取引 |
農協施設は対象、消防署は対象外です。病院については、国立・市立など税金で運営されているかどうかで判断されます。第三セクター等の施設も同様に、税金による運営かどうかが基準となります。判断に迷う場合は、北海道LPガス補助金センター(TEL:0120-576-440)に確認しましょう。
3. 支援の仕組みと支援金額
本事業は、北海道がLPガス販売事業者に対して値引き原資と事務経費を支給する仕組みです。利用者には直接お金が支払われるのではなく、ガス料金から値引きされる形で支援を受けます。
図:第5次LPガス利用者緊急支援事業のスキーム
① LPガス販売事業者への支援金
販売事業者には、値引き原資に加えて事務経費が支給されます。支援金額は値引き契約数に応じて以下のとおりです。
| 値引き契約数 | 事業者支援金額 |
|---|---|
| 300件以下 | 60,000円/事業者 |
| 301件以上 | 60,000円+1契約ごとに20円加算(加算上限1万件) |
4. 値引き時の注意点
① 値引き金額と表記ルール
値引きの対象は基本料金と従量料金のみです。リース機器料金や設備料金は対象外となります。また、検針票や請求書には値引き後の請求金額と値引き金額に加え、「北海道からの支援による値引き」という趣旨の文言を明示する必要があります。
検針票・請求書に記載する文言には細かいルールがあります。「北海道からの支援による値引」「北海道支援による値引き」は使用可能ですが、「北海道の支援値引き」「北海道支援値引」など、「北海道」と「支援」を「の」でつないだ表現は使用できません。「からの」「による」の表現が必要です。
② 値引きの分割・繰り越し
1回の請求で2,000円(税別)全額を値引きすることが基本ですが、請求額が値引き額に満たない場合は、2回に分割して値引きすることも可能です。ただし、値引き期間は最大2か月間となり、3か月目以降は対象外です。
また、2月の請求で値引き処理ができなかった場合は、3月の請求で2月分として値引きすることも可能です。その際は、請求書内に2月分の値引きである旨を明示する必要があります。
ガス会社が変更になった場合でも、同じ利用者が受けられる値引きは1回のみです。前のガス会社で値引きを受けた利用者に、新しいガス会社が再度値引きすることはできません。
5. LPガス販売事業者の申請の流れ
本事業はLPガス販売事業者からの申請に基づく仕組みです。利用者に支援が行き届くためには、販売事業者が申請手続きを行う必要があります。
継続事業者用・新規事業者用のいずれかの交付申請書を提出します。事業所が複数ある場合は本社一括申請となり、「申請事業所一覧表」の添付が必要です。受付期間は令和8年4月30日まで(当日消印有効)。
申請後1~2営業日で交付決定通知が発送されます。概算払請求書と対象消費者一覧表は交付申請と同時に提出します。
対象期間内の検針分について、利用者のガス料金から値引きを実施します。検針票・請求書への値引き額と「北海道からの支援による値引き」の表記を行います。
値引き実施後、実績報告書と対象消費者一覧表、事業所ごと10戸分の請求書写し(エビデンス)を提出します。入金は審査完了日を基準に、月末審査完了分は翌月15日、15日までの審査完了分は当月末に入金されます。
6. よくある疑問と回答
① 申請に関する疑問
| 質問 | 回答 |
|---|---|
| 本社が道外でも申請できますか? | 北海道の統括営業所から申請可能です |
| LPガスとコミュニティガスは一括申請できますか? | 別々の申請が必要です |
| 交付申請書に押印は必要ですか? | 不要です(簡素化のため) |
| 交付決定までの日数は? | 1~2営業日で発送されます |
② 値引き対象に関する疑問
| 質問 | 回答 |
|---|---|
| 滞納分も値引き対象ですか? | 対象外です。対象期間中に供給した料金のみが対象です |
| メーター複数台の場合はどう数えますか? | 契約(書面の交付)単位で数えます |
| 基本料金しか値引きできないシステムの場合は? | 基本料金の範囲内での値引きが可能です。利用者への告知が必要です |
本事業は、LPガス販売事業者からの申請がなければ利用者に支援が届きません。北海道のLPガス利用者に支援が広く行き届くよう、まだ申請がお済みでない事業者の方は、令和8年4月30日までに交付申請を行いましょう。申請方法の詳細やダウンロード書類は、北海道LPガス補助金センターの公式サイトでご確認ください。
7. まとめ
第5次北海道LPガス利用者緊急支援事業は、道内のLPガス利用者1契約あたり最大2,000円(税別)を料金から値引きする支援制度です。利用者側の手続きは不要で、LPガス販売事業者が申請・値引きを行います。
交付申請の受付は令和8年4月30日までとなっています。LPガス販売事業者の方は早めの申請をご検討ください。制度の詳細やご不明な点は、北海道LPガス補助金センター(TEL:0120-576-440、平日9:00~17:00)までお問い合わせください。
記事情報
公開日:2026年3月30日
参照資料:第5次 北海道LPガス利用者緊急支援事業 公式サイト、北海道庁 経済部資源エネルギー局 発表資料
※本記事は上記資料に基づいて作成しています。最新情報は北海道LPガス補助金センター公式サイトをご確認ください。

