木古内町の企業向け省エネ補助金|1/2・上限100万円・診断費用も対象【ゼロきこ】

北海道木古内町で事業を営む企業が省エネ対策を行うとき、補助率1/2・上限100万円の補助を受けられる制度があります。それが「木古内町企業等省エネ対策促進事業補助金」です。町のゼロカーボン推進事業(通称:ゼロきこ)の一環として実施されています。

この制度の特徴は、設備の購入費や工事費だけでなく、省エネ診断の費用そのものも補助対象経費に含められる点にあります。エネルギー価格の高止まりが続くなか、「まず現状を把握したい」という段階から使える設計です。

このコラムでは、木古内町の企業・事業者の方が申請可否を判断できるよう、補助額・対象になる省エネ診断と省エネ対策・申請の流れ・予算の消化状況までを、町の公式情報に基づいて整理します。

この記事でわかること
✅ 木古内町企業等省エネ対策促進事業補助金の補助率・上限額と申請期間
✅ 対象になる「省エネ診断」4種類と「省エネ対策」4類型の判定基準
✅ 省エネ診断費用も補助対象経費に含められる条件
✅ 補助対象経費・対象外経費の具体的な線引き
✅ 概算払い制度の使い方と、予算枠の消化状況の確認方法

更新履歴

  • 2026年10月25日:令和7年度開始・令和8年度継続の制度内容で全面更新(2025年の旧記事を同じURLで更新)
  • 2025年5月26日:初版公開

1. 木古内町企業等省エネ対策促進事業補助金とは?

① 一言でいうと

木古内町企業等省エネ対策促進事業補助金とは、町内で事業を運営する企業・事業者が行う省エネ診断や省エネ設備の更新に対し、費用の1/2(上限100万円)を町が補助する制度です。

町は2024(令和6)年度から家庭向けの省エネ家電買い換え補助を実施してきました。そこに加えて、2025(令和7)年度から企業・事業者向けの省エネ促進事業を開始しています。令和8年度も継続して実施されています。

正式名称木古内町企業等省エネ対策促進事業補助金(木古内町ゼロカーボン推進事業/通称:ゼロきこ)
実施主体木古内町役場 まちづくり未来課
補助率・上限額補助対象経費 × 1/2(千円未満切捨て)・上限100万円
申請回数1事業者につき1回が限度
申請期間令和8年4月1日〜令和9年3月31日(予算上限に達した時点で受付終了)
年度予算750万円
公式ページ木古内町「企業・事業者対象の省エネ促進事業を実施します」

② 制度の背景|産業部門が町全体の排出の15%程度

町の「地域温暖化将来ビジョン」によれば、木古内町における産業部門のエネルギー消費(電気・化石燃料・ガス等の使用)による温室効果ガス排出は、町全体の15%程度を占めています。

ゼロカーボンシティの実現には、家庭だけでなく事業者側の省エネが欠かせません。この補助金は、温室効果ガスの削減と、事業者のエネルギー費用負担の軽減を同時に狙った制度です。

2. 補助額はいくら?上限100万円に届く工事規模

補助金の額は、補助対象経費に1/2を乗じた額(千円未満切捨て)で、上限は100万円です。

工事 100万円 補助 50万円 工事 150万円 補助 75万円 工事 200万円 ↑ ここで上限100万円に到達 補助金(1/2・上限100万円) 自己負担

図1:補助対象経費と補助額のイメージ ※試算例

補助対象経費が200万円になると、その1/2にあたる100万円で上限に達します。つまり200万円前後の工事が、この制度を最も効率よく使える規模ということになります。

重要 経費ごとに「経費算入率」が設定されています

町の案内では、補助対象経費は「対象となる経費に、該当する経費算入率を乗じて得た額」と定義されています。経費の種類によって算入できる割合が異なるため、単純に見積総額の1/2にはならない場合があります。見積を作る前に、町の案内資料で経費算入率を必ず確認してください。

3. 対象になる「省エネ診断」は4種類

この補助金では、対象となる省エネ診断が4つ明示されています。いずれかに該当する必要があります。

診断の種類実施機関
① 省エネ最適化診断一般財団法人 省エネルギーセンター
② 省エネクイック診断一般社団法人 環境共創イニシアチブ(SII)
③ 省エネお助け隊による省エネ診断SIIが運営する省エネお助け隊ポータルの相談窓口一覧に登録している事業者
④ その他の専門的な診断エネルギー管理士等の専門的な資格を有する者が実施し、町長が特に認めるもの
💡 ポイント:④の存在が制度の柔軟性を高めています

①〜③は国の事業に紐づく診断メニューです。これに加えて、エネルギー管理士等の有資格者による診断も、町長が認めれば対象になります。国の診断枠が埋まっている時期でも道が残る設計です。事前に町へ相談し、どの診断で進めるかを確認しておくとスムーズです。

4. 対象になる「省エネ対策」4類型

対象となる省エネ対策も、次の4類型のいずれかに該当する必要があります。

類型内容
①エネルギー消費量が省エネ対策以前から年率10%以上低減することが見込まれる設備・機器等の更新(変圧器については、年間損失電力量が10%以上低減することが見込まれること)
②経済産業省資源エネルギー庁の省エネルギー対策促進支援事業費補助金「Ⅲ 設備単位型」に登録されている指定設備への更新(省エネ対策以前より省エネ性能が高いものへの更新に限る)
③省エネ診断により提案された省エネ対策に係る費用
④その他、省エネに寄与すると町長が認める費用
💡 ポイント:②の「設備単位型の登録指定設備」がいちばん証明しやすい

①の「年率10%以上」を証明するには、更新前後のエネルギー消費量を計算した根拠資料が必要です。一方②は、国の補助金で登録されている指定設備のリストに載っている製品を選べば要件を満たせます。高効率空調・業務用給湯器・変圧器・産業用モータ・LED照明などが登録対象です。製品選定の段階で「設備単位型の登録機種かどうか」を確認しておくと、申請書の作成が大幅に楽になります。

5. 補助対象経費と対象外経費|診断費用も対象になります

この制度の実務上の大きな利点は、調査費(省エネ診断に係る費用)が補助対象経費に含まれることです。

補助対象になる経費補助対象外の経費
・調査費(省エネ診断に係る費用)
・設備費(設備・備品等の導入費用)
・設置工事費
・処分費(既存設備等の処分費用)
・施設改修費
・その他、町長が不可欠と認める費用
・補助対象者が営む事業以外で使用する費用
・事業所の移転、新設および拡張に要する費用
・事業完了後、直ちに使用しない設備等の費用
・保証金、保険料、公租公課(消費税等を除く)
・人件費、事務費、旅費
・賃貸料、電話料、通信費、水道光熱費などの経常経費
・補助対象事業と直接関係ない工事費用
・申請者と同一の代表者または資本関係がある事業者への発注費用
・その他、町長が不適当と認める費用
重要 診断費用を対象に含めるには年度の条件があります

町の案内では、交付申請書の提出前に省エネ診断を実施し、その結果を受けて省エネ対策を実施する場合、省エネ診断の実施日が申請書提出日と同一年度内であれば、診断費用も補助対象経費に含められるとされています。年度をまたぐと診断費用が対象外になるおそれがあるため、診断と申請の時期は同一年度内に収める設計にしてください。

6. 申請の流れ|着手前申請と概算払いが特徴

原則として、省エネ診断または省エネ対策に係る工事等の着手(発注・注文等)の前に、町へ交付申請書を提出します。

1
業者から見積書・カタログ等をもらう
省エネ診断または省エネ対策の内容と金額がわかる書類を準備します。
▼
2
町へ交付申請書を提出する
交付申請書(第1号様式)、事業計画書(第2号様式)、誓約書兼同意書(第3号様式)、委任状(第4号様式)ほか、見積書の写し・現況写真・平面図等・省エネ性能がわかる書類を添付します。
▼
3
町の審査を経て交付決定通知書が届く
この通知を受けてから発注に進みます。
▼
4
業者へ発注する(必要に応じて概算払申請)
概算払いを希望する場合は、概算払申請書(第8号様式)に契約書・発注書・注文書または納品書の写しと振込口座がわかる書類を添えて提出します。
▼
5
実績報告書を提出する
実績報告書(第9号様式)に、契約書・納品書の写しと、着手前と完了後を比較できる現況写真を添えて提出します。
💡 ポイント:概算払いは資金繰りの負担を大きく下げます

多くの補助金は、工事代金を全額支払ったあとに補助金が入金される「精算払い」です。木古内町の制度では概算払いが用意されており、業者への支払い前に補助金を受け取れる可能性があります。100万円規模の投資では、この差が意思決定を左右することもあります。

7. 予算枠と申請状況の確認方法

本事業の年度予算は750万円です。申請・交付額が予算額を上回った時点で、その年度の受付は終了します。

町は申請・交付状況をホームページで公表しています。令和8年6月26日時点で、予算750万円に対する消化率は26.28%と公表されていました。2026年10月25日時点でも、町のページの公表値はこの数字のまま更新されていません。

重要 申請前に必ず最新の消化状況を確認してください

予算の消化状況は日々変わります。申請を検討する時点で町のページを確認し、枠が残っているかを把握してから準備を始めてください。なお町の案内では、本事業は複数年実施する予定とされています。今年度に間に合わなかった場合は、次年度以降の実施予定を確認するという選択肢もあります。

8. よくある失敗と回避策

よくある失敗回避策
見積を取ってすぐ発注してしまった原則として着手前申請。交付決定通知を受けてから発注する
年率10%削減の根拠を示せない設備単位型の登録指定設備を選ぶ、または省エネ診断の提案として整理する
診断を前年度に受けていて費用が対象外になった診断の実施日と申請書提出日を同一年度内に収める
関連会社に発注していた同一代表者・資本関係のある事業者への発注は対象外。第三者の見積を取得する
着手前の写真を撮り忘れた実績報告で着手前後の比較写真が必要。撤去前に必ず撮影する
北海道 道南エリアの事業所で効果が出やすい設備

木古内町を含む道南エリアは、道内では比較的温暖ですが、それでも暖房期間は長く続きます。灯油ボイラーや古い温水暖房機を使い続けている事業所では、熱源の更新が最も削減額に直結します。あわせて、蛍光灯や水銀灯が残っている倉庫・作業場のLED化は、投資額に対する回収が読みやすい定番の対策です。

9. 木古内町の事業者にとってのポイント

北海道 活用のポイント

■ 「1事業者1回限り」だからこそ、使いどころを選ぶ
この補助金は1事業者につき1回が限度です。小口の設備を単発で申請すると、次の大きな更新には使えなくなります。複数の対策をまとめて1回の申請に載せ、補助対象経費200万円前後で上限100万円を取りにいく設計が合理的です。

■ 診断費用を組み込めるのは全道でも珍しい設計
道内の市町村補助金では、診断費用の補助と設備更新の補助が別制度になっているケースが一般的です。木古内町は1つの制度で診断から設備更新までカバーできます。「まず現状を知る」段階から補助を使える点は、初めて省エネに取り組む事業者にとって心強い設計です。

■ 5年以上の事業継続の確約が必要
補助金の交付を受けた年度の翌年度から5年以上、事業を継続することを確約できる者が対象です。設備の耐用年数を踏まえた要件であり、短期的な設備入替えには向きません。中長期の設備計画とあわせて検討してください。

■ 予算750万円は「早い者勝ち」の規模
上限100万円の制度で年度予算750万円ということは、上限額いっぱいの申請が続けば7〜8件で枠が埋まる計算になります(推測を含む試算です)。年度前半に動くほど採択の可能性は高まります。

10. 国・道の制度との使い分け

制度実施主体補助率・上限向いているケース
木古内町 企業等省エネ対策促進事業補助金木古内町1/2・上限100万円診断+設備更新を合わせて200万円程度までの取組
省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)SII(国)区分により1/3〜1/2登録指定設備へのまとまった規模の更新
省エネルギー設備導入支援事業費補助金北海道1/2・単独500万円/コンソーシアム1,000万円複数拠点・サプライチェーンでの面的な取組
重要 他の補助金と重複する場合の取扱い

町の案内では、補助対象経費に国・北海道・その他の団体から本事業と重複する補助金等の交付を受ける場合、対象となる経費から補助金等を差し引いた額に経費算入率を乗じると定められています。また、町が実施している他の事業と重複して申請することはできません。併用を検討する場合は必ず事前に町へ確認してください。

11. よくある質問(FAQ)

Q1. 木古内町企業等省エネ対策促進事業補助金の補助額はいくらですか?

A. 補助対象経費の1/2(千円未満切捨て)で、上限は100万円です。補助金の交付は1事業者につき1回が限度となります。

Q2. 省エネ診断の費用も補助の対象になりますか?

A. なります。調査費として省エネ診断に係る費用が補助対象経費に含まれます。ただし診断の実施日が交付申請書の提出日と同一年度内である必要があります。

Q3. 申請はいつまでできますか?

A. 令和8年4月1日から令和9年3月31日までです。ただし年度予算750万円に達した時点で受付を終了するため、町のホームページで申請・交付状況を確認してください。

Q4. 補助金は工事代金を支払った後にしか受け取れませんか?

A. 概算払いの制度があります。概算払申請書に契約書・発注書・注文書または納品書の写しなどを添えて提出することで、支払い前に補助金を受け取れる場合があります。

Q5. 支店や営業所でも申請できますか?

A. できます。補助対象事業を実施する事業所が支店・支所・営業所等の場合は、その管理責任者を補助対象者にすることが可能です。その際は委任状の提出が必要です。

12. まとめ

  • 木古内町企業等省エネ対策促進事業補助金は、補助率1/2・上限100万円の町独自制度です(1事業者1回限り)
  • 対象となる省エネ診断は4種類、対象となる省エネ対策は4類型が明示されています
  • 省エネ診断の費用も調査費として補助対象にできます(診断実施日と申請日が同一年度内であること)
  • 原則として着手前申請です。概算払いの制度があり、資金繰りの負担を抑えられます
  • 年度予算は750万円で、令和8年6月26日時点の消化率は26.28%と公表されていました。申請前に最新状況の確認が必須です

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記事情報
公開日:2025年5月26日
最終更新日:2026年10月25日(令和8年度の制度内容で全面更新)
参照資料:
・木古内町「木古内町ゼロカーボン推進事業【通称:ゼロきこ】企業・事業者対象の省エネ促進事業を実施します」(まちづくり未来課)
・北海道 経済部GX推進局GX推進課「令和8年度 省エネ・新エネ関連助成制度一覧(渡島総合振興局管内の市町村)」
※本記事は上記資料に基づいて作成しています。予算の消化状況は2026年6月26日時点の公表値です(2026年10月25日時点で町の公表値に更新はありません)。最新情報および詳細条件は木古内町公式サイトをご確認ください。補助制度の内容は予告なく変更されることがあります。