北海道の不動産オーナー必見【賃貸集合給湯省エネ2026事業】について解説

2026年3月31日より交付申請の受付が開始された「賃貸集合給湯省エネ2026事業」。賃貸マンション・アパートのオーナー様にとって、従来型給湯器を省エネ型給湯器(エコジョーズ・エコフィール)に交換する際に最大10万円/台の補助金を受けられる制度です。

北海道は寒冷地ゆえに給湯エネルギーの消費量が全国平均より高く、この制度を活用するメリットが非常に大きい地域です。本コラムでは、2026年3月12日版の交付申請の手引き(リフォーム工事タイプ)に基づき、制度の概要をわかりやすく解説します。

この記事でわかること
✅ 賃貸集合給湯省エネ2026事業の概要と補助額
✅ 補助対象になる住宅・給湯器の条件
✅ 申請スケジュールと手続きの流れ
✅ 北海道の賃貸オーナー様が押さえるべきポイント

1. 賃貸集合給湯省エネ2026事業とは?

本事業は、「住宅省エネ2026キャンペーン」を構成する4つの補助事業のひとつです。家庭のエネルギー消費で大きな割合を占める給湯分野について、既存賃貸集合住宅に対する小型の省エネ型給湯器(エコジョーズ/エコフィール)の導入を支援し、2030年度のエネルギー需給見通しの達成に寄与することを目的としています。

正式名称既存賃貸集合住宅用小型省エネルギー型給湯器導入促進事業費補助金(賃貸集合給湯省エネ2026事業)
事業予算35億円(令和7年度補正予算)
対象となる工事既存賃貸集合住宅の従来型給湯器を、小型の省エネ型給湯器へ交換するリフォーム工事
補助対象者賃貸集合住宅のオーナー等(工事発注者)
交付申請者賃貸集合給湯省エネ事業者として登録された施工業者
事業HPhttps://chintai-shoene2026.meti.go.jp/
💡 ポイント:消費者自身は申請できません

補助金の交付申請を含むすべての手続きは、住宅省エネ2026キャンペーンに登録された「賃貸集合給湯省エネ事業者」(施工業者)が代行します。賃貸オーナー様自身が直接申請することはできませんので、登録済みの施工業者にご依頼ください。

2. 補助額はいくら? 最大10万円/台

補助額は、設置する給湯器の性能(追い焚き機能の有無)と、加算対象工事の有無によって決まります。

① 基本額

設置する給湯器給湯器の性能補助額(基本額)補助上限
小型の省エネ型給湯器
(エコジョーズ/エコフィール)
追い焚き機能なし5万円/台1住戸につき
いずれか1台まで
追い焚き機能あり7万円/台

② 加算額(ドレン排水工事を実施する場合)

追い焚き機能加算対象となる工事補助額(加算額)
なし共用廊下を横断してドレン排水ガイドを敷設する工事(ドレン排水ガイド敷設工事)3万円/台
あり浴室へのドレン水排水工事(三方弁工事、三本管工事)

③ 基本額+加算額のまとめ

追い焚き機能基本額加算額合計(最大)
なし5万円/台3万円/台8万円/台
あり7万円/台3万円/台10万円/台
北海道 北海道の賃貸オーナー様へ

北海道では灯油給湯機(エコフィール)を使用している賃貸物件も多くあります。エコフィールも本事業の補助対象です。また、寒冷地では追い焚き機能付き給湯器の需要が高いため、基本額7万円+加算額3万円=最大10万円/台の補助を受けられるケースが多くなります。複数住戸の一括交換を計画する場合、まとまった補助金額になります。

3. 補助対象になる給湯器の性能要件

エコジョーズ(ガス給湯器)

種類要件
給湯単能機モード熱効率が90%以上
ふろ給湯器モード熱効率が90%以上
給湯暖房機給湯部熱効率が95%以上

エコフィール(石油給湯機)

種類要件
油焚き温水ボイラー連続給湯効率が95%以上
石油給湯機(直圧式)モード熱効率が91%以上
石油給湯機(貯湯式)モード熱効率が80%以上

※補助対象製品は事務局に登録された製品に限られます。住宅省エネ2026キャンペーンの補助対象製品検索ページから確認できます。

4. 補助対象になる住宅の条件

本事業の補助対象となるのは、以下の条件をすべて満たす既存賃貸集合住宅です。

条件内容
建物の要件1棟に2戸以上の賃貸住戸を有する集合住宅
既存住宅の要件工事請負契約日時点で、建築から1年以上が経過している、またはいずれかの住戸で人が居住した実績がある建物
賃貸の要件人の居住の用に供するために賃貸借契約を締結して貸し出される住戸
⚠ 補助対象にならない建物

新築住宅、戸建住宅、交付申請時点で住宅に区分されない建物(倉庫等)、特別養護老人ホームや有料老人ホームなどの施設、民泊施設、旅館業法の許可により運営する施設(ウィークリーマンションを含む)は補助対象になりません。

💡 こんなケースも対象になります

賃貸併用住宅:賃貸住戸数が2戸以上であれば対象
社宅:社員等と賃貸借契約(社宅使用契約等含む)を締結して貸し出す場合は対象
空室の住戸:入退去等のタイミングに合わせた計画的な設備更新も対象
サブリース物件:オーナーがサブリースに供している賃貸住戸の給湯器交換は対象

5. 撤去する従来型給湯器について

交換前に撤去する給湯器は、排熱の回収等の効率を改善する機構を持たない従来型のガス給湯器または石油給湯機であることが必要です。

従来型給湯器に該当する(対象)従来型給湯器に該当しない(対象外)
・BF式従来型給湯器(バランス釜)
・FF式、FE式、CF式、RF式従来型給湯器
 (ガス小型給湯器、屋外設置給湯器、室内型給湯器、小型湯沸かし器)
・従来型石油給湯機
・エコジョーズ
・エコフィール
・エコキュート
・ハイブリッド給湯機
・エネファーム
・電気温水器
・太陽熱温水器
⚠ 補助対象とならない給湯器の例

・オーナー等が自ら購入した機器(いわゆる施主支給や材工分離による工事
・中古品、またはメーカーの保証の対象外である機器
・交換前の給湯器が有するすべての機能を有していない機器
・交換前の給湯器より能力(号数)が小さい機器
・売価等が補助額を下回る工事

6. 事業スケジュール

項目期間
契約日の期間着工日以前
着工日の期間2025年11月28日以降
交付申請の予約受付期間2026年3月31日 ~ 予算上限に達するまで(遅くとも2026年11月16日)
交付申請の受付期間2026年3月31日 ~ 予算上限に達するまで(遅くとも2026年12月31日)
重要 予算上限に注意

事業予算は35億円です。交付申請(予約を含む)の受付期間であっても、予算の上限に達し次第、受付終了となります。早めのご検討・お申し込みをおすすめします。

7. 申請手続きの流れ(リフォーム工事タイプ)

リフォーム工事タイプの申請は、以下の流れで進みます。

1
施工業者が事業者登録
施工業者が「住宅省エネ支援事業者」および「賃貸集合給湯省エネ事業者」として登録
2
工事請負契約の締結
施工業者(賃貸集合給湯省エネ事業者)とオーナー等(共同事業者)が工事請負契約を締結
3
共同事業実施規約(兼自認書)の締結
補助金の還元方法等について両者で合意し、事務局指定の規約を締結
4
リフォーム工事の着手
2025年11月28日以降に、補助対象製品(1台目)の設置工事に着手
5
交付申請の予約(任意)
工事着手後、交付申請の予約を行い予算を確保(予約は任意)
6
工事完了・交付申請
契約に含まれるすべての工事が完了・引渡し後、交付申請を提出
7
交付決定・補助金交付
審査完了後(約1.5~2ヶ月)、交付決定。施工業者の指定口座に振込後、オーナー等に還元

8. 交付申請に必要な書類一覧

書類名必須備考
共同事業実施規約(兼自認書)事務局指定様式
工事請負契約書(原契約)注文書・注文請書でも可
工事【前】写真(従来型給湯器)撤去台数分、カラー
工事【後】写真(補助対象製品)設置台数分、カラー
補助対象製品の銘板写真設置台数分、カラー
工事発注者の本人確認書類法人の場合は担当者分
賃貸集合住宅の不動産登記事項証明書全ページ
法人の実在確認書類工事発注者が法人の場合
管理委託契約書等工事発注者が管理会社の場合
加算工事の工事【後】写真加算対象工事を実施した場合

●=必須、○=該当する場合に提出

💡 工事前写真の撮り忘れに注意

工事前写真を撮り忘れた場合、原則補助対象になりません。ただし、1事業者1申請に限り「工事【前】写真・提出免除依頼書(給湯器用)」の提出により免除される場合があります。撤去工事の前に必ず撮影しましょう。

9. 他の補助事業との併用について

住宅省エネ2026キャンペーンは4つの補助事業で構成されています。補助対象が重複しなければ併用可能です。

補助事業主な対象
先進的窓リノベ2026事業窓の断熱改修
給湯省エネ2026事業高効率給湯器(エコキュート、ハイブリッド給湯機、エネファーム)
賃貸集合給湯省エネ2026事業(本事業)賃貸集合住宅の小型省エネ型給湯器(エコジョーズ、エコフィール)
みらいエコ住宅2026事業幅広いリフォーム工事
⚠ 併用時の注意点

・同一箇所の工事、同一の設置工事を各事業に重複して申請することはできません。
・みらいエコ住宅2026事業と重複申請を行った場合、本事業の交付申請が無効となり、交付決定の取り消しおよび返金等の措置となります。

10. 北海道の賃貸オーナー様が押さえるべきポイント

北海道 活用のポイント

■ 灯油給湯器(エコフィール)も対象
北海道では灯油を使用する給湯機が多く使われています。エコフィール(潜熱回収型石油給湯機)も本事業の補助対象製品です。従来型の石油給湯機からの交換も補助を受けられます。

■ 複数住戸の一括交換がおすすめ
1棟あたり2戸以上の賃貸住戸が対象です。例えば10戸のアパートで追い焚き機能あり+加算工事を実施した場合、最大10万円×10台=100万円の補助金を受けられる可能性があります。

■ 空室のタイミングを活用
空室の住戸に交換設置する給湯器も補助対象です。入退去のタイミングに合わせた計画的な設備更新を推奨されています。

■ 予算に限りがあるため早めの対応を
事業予算は35億円です。予算上限に達した時点で受付終了となりますので、施工業者と早めにご相談ください。

11. お問い合わせ先

事業ホームページhttps://chintai-shoene2026.meti.go.jp/
お問い合わせ窓口0570-081-789(IP電話等:03-6629-1646)
受付時間9:00~17:00(土・日・祝含む)

※通話料がかかります。基本的なパソコン、メール設定や操作方法についてのお問い合わせには対応していません。

記事情報
公開日:2026年3月18日
参照資料:賃貸集合給湯省エネ2026事業「交付申請等の要件について(交付申請の手引き)」リフォーム工事タイプ 2026年3月12日版
※本記事は上記資料に基づいて作成しています。最新情報は事業ホームページをご確認ください。