「電気の使用量はそれほど増えていないのに、基本料金が高いまま下がらない」——北海道の中小企業でこのような悩みを抱えている方は、「デマンド値」に原因があるかもしれません。
高圧契約の基本料金は、電気を「どれだけ使ったか」ではなく、「瞬間的にどれだけ多く使ったか」によって決まります。この仕組みを理解し、デマンドコントロールを実践することで、基本料金を下げられる可能性があります。
この記事でわかること
✅ 「デマンド値」とは何か?基本料金が決まる仕組み
✅ たった30分の使いすぎが1年間の基本料金を上げてしまう理由
✅ デマンドコントロールの具体的な方法
✅ 北海道の企業が特に注意すべき「冬場のデマンド跳ね上がり」
1. 「デマンド値」とは?基本料金が決まる仕組み
① デマンド値の定義
デマンド値とは、30分間の平均使用電力(kW)のことです。電力会社のメーターは、30分ごとにデマンド値を計測しています。
図:デマンド値の仕組みと基本料金への影響
北海道の事業所では、冬場に暖房用のエアコンやヒートポンプが一斉に稼働することでデマンド値が急上昇します。特に月曜日の朝、週末に冷え切った建物の暖房を一斉に入れるタイミングでピークが立ちやすいのが特徴です。
2. デマンドコントロールの3つの方法
図:電力使用のピークを平準化することで、基本料金の基準となる最大デマンドを下げる
① 運用の工夫(コストゼロで始められる)
設備投資をしなくても、電気機器の使い方を工夫するだけでデマンド値を抑えられます。エアコンの起動を時間差で行う、電力消費の大きい機器の同時使用を避けるなどが効果的です。
デマンド値は「30分間の平均」で計算されるため、ピークを分散させるだけで最大デマンドを下げられます。空調機を3台同時に起動するのではなく、5分間隔で順次起動するだけで、30分間の平均使用電力は大きく変わります。
② デマンド監視装置の導入(手動制御タイプ)
目標デマンド値を超えそうになるとメールや警報で知らせてくれる装置です。導入コストは数万円〜20万円程度で、小規模事業所に適しています。
③ デマンドコントロールシステムの導入(自動制御タイプ)
事前に設定した優先順位に基づいて、空調や照明などの電力を自動的に制御するシステムです。導入コストは数十万円〜100万円程度ですが、人員をかけずにデマンド管理ができるため、中規模以上の施設に向いています。
3. デマンドコントロールを始める3ステップ
電気料金の請求書に記載されている「最大需要電力」「契約電力」を12か月分確認します。
デマンドが高い月・時間帯を分析し、何が原因で電力使用が集中しているかを特定します。
まずは運用の工夫(起動時間の分散等)から始め、効果を見ながら監視装置や自動制御の導入を検討しましょう。
北海道の事業所で最もデマンドが跳ね上がりやすいのは、週末に暖房を切っていた建物を月曜朝に全館一斉稼働させるタイミングです。対策として「金曜の退勤時に暖房を完全にオフにせず、設定温度を10〜15℃程度に下げた状態で維持する」という方法があります。週末のわずかな電力消費で建物の極端な冷え込みを防ぎ、月曜朝のピークを大幅に抑えることが可能です。
4. まとめ:基本料金は「管理できるコスト」になる
高圧契約の基本料金は、デマンドコントロールによって管理・削減が可能な「変動費」です。まずは電気料金の請求書を確認し、デマンド値の推移を把握するところから始めてみてください。北海道の企業は冬場のデマンド管理が特に重要です。
記事情報
公開日:2026年3月28日
参照資料:経済産業省 資源エネルギー庁「電力の需要と供給」、各電力会社の契約約款(高圧電力)
※基本料金単価は契約先の電力会社やプランにより異なります。

