北海道電力の託送料金・電気料金 値上げまとめ【2026年11月改定申請に対応】

北海道電力の電気料金は、北海道電力ネットワークの託送料金の見直しによって段階的に引き上げられています。2025年10月に託送料金が改定されたばかりですが、北海道電力ネットワークは2026年7月10日、さらなる引き上げにつながる変更承認申請を経済産業大臣に行いました。承認されれば、2026年11月1日から新しい託送料金が適用される予定です。

託送料金は電気料金の中に組み込まれており、契約先が北海道電力でも新電力でも発生します。電気を多く使う道内の法人にとって、この改定は避けて通れないコスト要因です。

このページは、北海道電力ネットワークの託送料金と、それに伴う北海道電力の電気料金改定について、最新の動きから過去の経緯までを1ページに集約した恒久ページです。改定があるたびに更新します。

このページでわかること
✅ 2026年7月10日の変更承認申請の中身と、2026年11月の託送料金改定予定
✅ 2025年10月に実施済みの託送料金改定の平均単価(低圧・高圧・特別高圧)
✅ 高圧・特別高圧契約の法人が、影響をどう見積もればよいか
✅ 2026年7〜9月に実施中の国の電気・ガス料金支援(高圧も対象)
✅ 泊3号機再稼働による値下げ見通しとの関係
✅ 北海道の法人が今すぐ取れる4つの対策

📌 更新履歴

  • 2026年7月12日:北海道電力ネットワークの「収入の見通し」変更承認申請(2026年7月10日)を追記。2026年7〜9月使用分の国の電気・ガス料金支援(高圧も対象)を追加
  • 2025年11月1日:泊発電所3号機の再稼働を前提とした値下げ見通しの公表を反映
  • 2025年10月1日:託送料金改定の適用開始を反映
  • 2025年8月:初版公開

1. 【最新】2026年7月10日、北海道電力ネットワークが「収入の見通し」の変更を申請

① 何が起きたのか?(結論)

北海道電力ネットワークは2026年7月10日、経済産業大臣に「託送供給等に係る収入の見通し」の変更承認申請を行いました。これは、送配電事業者が得られる収入上限である「収入の見通し」を変更するための手続きです。

ここで押さえておきたいのは、この申請の段階では、託送料金の単価そのものはまだ決まらないという点です。実際の料金単価は、この申請が承認された後に行われる託送供給等約款の変更届出で決まります。

同社の公表資料によると、承認を受けた後、2026年11月1日からの新料金適用に向けて託送供給等約款の変更届出を行う予定とされています。

申請日2026年7月10日
申請の根拠電気事業法 第17条の2 第4項
申請者北海道電力ネットワーク株式会社
収入の見通し(変更前)1兆59億円(2023年11月24日承認・5か年合計)
収入の見通し(今回申請)1兆603億円544億円の増加
新料金の適用予定2026年11月1日(国の審査・承認を経て確定)
公式発表託送供給等に係る収入の見通しの変更承認申請について

② 544億円はどんな内訳か?

今回の増加額544億円の内訳は、公表資料で以下のように示されています。最大の要因は物価等の変動(337億円)で、増加額全体の約6割を占めます。

増加要因金額(5か年)内容
物価等変動+337億円資機材の調達コスト・労務費の上昇
金利変動(事業報酬)+125億円金利上昇による資金調達コストの増加
制御不能費用(実績乖離)+58億円事業者が管理できない費用の計画との差
制御不能費用(約定・公募結果)+24億円容量拠出金 +21億円、予備電源費用 +3億円など
合計+544億円1兆59億円 → 1兆603億円

出典:北海道電力ネットワーク「託送供給等に係る収入の見通しの変更承認申請の概要について」(2026年7月10日)

③ 2025年10月の改定とは理由が違います

ここが今回の申請を理解する上で最も重要な点です。2025年10月の改定と2026年11月の改定予定では、理由が異なります。

2025年10月の改定 主因:託送料金収入の不足 低圧家庭用などの需要減少により 収入が当初計画を下回る見込みに + 物価高騰による費用増 → 適用済み(実施済み) 2026年11月の改定予定 主因:物価・労務費・金利の上昇 資機材コスト・協力会社の賃金 金利上昇による資金調達コスト + 容量拠出金などの増加 → 申請中(審査・承認待ち)

図:2回の改定の理由の違い

2025年10月の改定は、低圧家庭用などの需要減少により、託送料金収入が当初計画を下回る見込みとなったことが主因でした。今回は「物価・人件費・金利が事業計画の策定時点の想定を超えて上がった」ことが主因です。つまり別々の要因による、2段階の改定ということになります。

重要 値上げ幅の単価はまだ公表されていません

2026年7月時点で公表されているのは「収入の見通し(544億円の増加)」までです。低圧・高圧・特別高圧それぞれの料金単価がいくら上がるかは、国の審査・承認を経て、託送供給等約款の変更届出の段階で公表されます。

現段階で「1kWhあたり○円上がる」と示す情報があれば、それは公式発表に基づかない推測です。当ページでは、単価が公表され次第この章を更新します。

④ 今後のスケジュール

2026年7月10日 変更承認申請 2026年 夏〜秋 国による審査・承認 承認後 約款の変更届出 2026年11月1日 新料金の適用

図:2026年11月の託送料金改定までの流れ(予定)

2. そもそも託送料金とは?なぜ電気料金に影響するのか

託送料金とは、電気を送り届けるための送配電ネットワークの利用料金です。送電線・変電所・配電線といった設備の維持・更新にかかる費用を支えています。

北海道では、送配電網を北海道電力ネットワーク株式会社が管理しています。北海道電力も新電力も、電気を届けるにはこの送配電網を使う必要があり、その利用料として託送料金を支払います。そしてその分は最終的に、私たちが支払う電気料金に組み込まれています

💡 ポイント:新電力に切り替えても、託送料金そのものはなくせません

「新電力に切り替えれば託送料金の値上げを回避できる」と考える方がいますが、これは誤解です。新電力も同じ送配電網を使うため、託送料金は同様に発生します。

ただし、託送料金の改定を需要家の料金にどのように反映するか(転嫁の時期・表示方法・料金メニューへの組み込み方)は、契約先や料金メニューによって異なります。切り替えの検討では、この「反映のされ方」も比較対象になります。

託送料金の算定にはレベニューキャップ制度が使われています。これは、送配電事業者が5年単位の事業計画を作り、国が「この期間にこれだけの収入を得てよい」という上限(収入の見通し)を承認する仕組みです。事業者はその枠内で効率化を図りながら料金を設定します。

現在は第1規制期間(2023〜2027年度)の途中にあたります。2026年7月の申請は、この第1規制期間の収入上限を引き上げるためのものです。

託送料金とレベニューキャップの仕組みをより詳しく知りたい方は、エネルギー・コスト削減カテゴリの関連コラムもあわせてご覧ください。

3. 2025年10月の託送料金改定(実施済み)— 単価はいくら上がったか

2026年11月の改定を理解する前提として、すでに実施済みの2025年10月改定を押さえておきます。この改定は現在の電気料金にすでに反映されています。

北海道電力ネットワークは2025年7月30日に約款変更を届け出て、2025年10月1日から新料金を適用しました。電圧区分別の平均単価は次の通りです。

契約区分改定前改定後差額
低圧
(家庭用・小規模事業所)
9.70円/kWh10.23円/kWh+0.53円
高圧
(中規模の工場・ビル)
4.42円/kWh4.69円/kWh+0.27円
特別高圧
(大規模工場・大口需要)
2.57円/kWh2.70円/kWh+0.13円

※ いずれも北海道エリア全体で算定した平均単価(消費税抜き)です。実際の契約では、基本料金(kW契約料)と電力量料金がそれぞれ改定されており、契約メニューによって改定幅は異なります。

家庭向けモデル(従量電灯B・30A・月230kWh)では月額124円・約1.1%の値上げと試算されています。

法人はどう影響を見積もればよいか

重要 「平均単価 × 使用量」は確定計算ではありません

高圧の平均単価は0.27円/kWh上昇しています。この数値を年間使用量に掛ける方法は、平均的な影響を把握するための参考試算です。

個別の負担増は、契約電力、使用量、時間帯、契約メニュー、小売電気事業者の料金への反映方法によって異なります。標準接続送電サービスでは基本料金と電力量料金がそれぞれ改定されているため、使用量を掛けるだけでは正確な金額になりません。正確な金額は、契約先の小売電気事業者に確認してください。

あくまで「自社にとってどの程度の規模のインパクトなのか」を掴むための参考値として、高圧の平均単価の上げ幅(+0.27円/kWh)を使った試算例を示します。

月 10,000 kWh 月 50,000 kWh 月 100,000 kWh 月 約2,700円 / 年 約32,400円 月 約13,500円 / 年 約162,000円 月 約27,000円 / 年 約324,000円 ※ 請求額の確定計算ではなく、エリア平均単価(+0.27円/kWh)を用いた参考値です

図:2025年10月改定による高圧契約の影響規模(参考試算)

💡 影響規模を掴むための参考式

参考値(円) = 平均単価の上げ幅(円/kWh) × 年間使用量(kWh)

高圧なら「0.27 × 年間使用量」、特別高圧なら「0.13 × 年間使用量」です。年間100万kWhの工場なら、高圧で年27万円程度の規模感になります。

繰り返しになりますが、これは請求額の確定計算ではなく、エリア平均単価を用いた参考値です。対策の予算感を掴むための出発点として使い、正確な影響額は契約先にご確認ください。

4. 泊3号機の値下げ見通しとの関係 — 結局、電気代はどうなるのか

2025年10月31日、北海道電力は泊発電所3号機の再稼働を前提とした電気料金の値下げ見通しを公表しました。規制料金で約11%、企業向けを含む自由料金全体で平均7%程度の値下げとされています。

「値上げと値下げ、どちらを信じればよいのか」と混乱しやすいところですが、この2つは別々のもので、両方が起こり得ます

項目方向時期確度
2025年10月 託送料金改定引き上げ実施済み確定
2026年11月 託送料金改定引き上げ2026年11月1日(予定)申請中(審査・承認待ち)
泊3号機再稼働に伴う値下げ値下げ再稼働後(時期未定)見通しのみ・前提条件あり
重要 値下げは「再稼働後」が前提です

北海道電力の値下げ見通しは、泊発電所3号機の再稼働を前提とした試算です。再稼働の時期が確定しているわけではなく、前提条件が変われば値下げ幅も変わり得ます。

一方、託送料金の改定は再稼働の有無に関係なく進行します。「そのうち値下げされるから待とう」という判断は、その間のコスト増を受け入れることになります。

なお、北海道電力の値下げ試算は2025年10月の託送料金改定(+124円/月)を織り込んだうえで算出されています。ただし2026年11月の改定予定分は、当然ながらこの試算には含まれていません。

値下げ幅は契約区分によって差があります。高圧・特別高圧の値下げ見通しは平均約6%で、規制料金の約11%より小さいと説明されています。理由は、卸電力市場価格の低下がすでに燃料費等調整額として電気料金に反映されているためです。

5. 電気料金を動かしているのは託送料金だけではありません

託送料金に注目が集まりがちですが、2026年の電気料金には複数の変動要因が同時に効いています。上昇要因だけでなく、現在は国による値引き支援(下げ要因)も実施中です。自社の電気代を考えるときは、全体像で捉える必要があります。

要因方向2026年の動き
託送料金上昇2025年10月に改定済み。2026年11月に再改定の予定(申請中)
再エネ賦課金上昇2026年度は4.18円/kWh(前年度3.98円から+0.20円)。全国一律
容量拠出金上昇2026年度適用分が上昇。需要家への請求方法は小売各社で異なる
燃料費調整額変動燃料価格・為替に連動して毎月変動
国の電気・ガス料金支援下げ2026年7〜9月使用分を対象に実施中(下記参照)

【実施中】2026年7〜9月使用分の電気・ガス料金支援

2026年7月から9月の使用分を対象に、国による電気・ガス料金の値引き支援が実施されています。高圧契約も対象で、申請は不要です。値引きは請求額から自動的に差し引かれます。

使用月低圧高圧特別高圧
2026年7月使用分3.5円/kWh1.8円/kWh対象外
2026年8月使用分4.5円/kWh2.3円/kWh
2026年9月使用分3.5円/kWh1.8円/kWh

※ 値引き単価は税込みです。電力使用量がピークとなる8月使用分が重点的に手厚く設定されています。

重要 特別高圧は対象外。10月以降は未定です

今回の支援は特別高圧契約が対象外です。特別高圧で受電している大規模施設は、この値引きを受けられません。

また、2026年10月使用分以降の継続については、2026年7月時点で正式な発表がありません。支援が終了した場合、その分の負担は元の水準に戻ります。支援を前提にした資金計画は避けるべきでしょう。

💡 支援があっても請求額が下がるとは限りません

値引き支援は「支援がなかった場合と比べて負担が減った額」を示すものです。猛暑で使用量が増えたり、燃料費調整額が上がったりすれば、値引き後でも請求総額が前年より増えることがあります

高圧契約で月10万kWhを使う事業所なら、8月使用分は 100,000kWh × 2.3円 = 月23万円の値引きとなる計算です。夏季の請求書を確認する際は、値引きが適用されているかを明細で確かめてください。

💡 削減できるのは「使用量」と「託送以外の部分」

託送料金と再エネ賦課金は、どの電力会社と契約しても単価そのものは同じです。しかしどちらも「使用量 × 単価」で決まるため、使用量を減らせば負担額は確実に下がります

電力会社の切替で効くのは、容量拠出金相当額の請求方法や手数料の差、託送料金改定の料金への反映方法です。「切替」と「省エネ」は、削減できる対象が違います。両方を組み合わせるのが基本になります。

6. 北海道の法人が今すぐ取るべき4つの対策

北海道 改定局面で法人が取るべき打ち手

■ 対策1:影響の規模を「金額」で把握する
まず、直近12か月の使用電力量(kWh)を請求書から集計します。高圧契約なら「0.27円 × 年間使用量」で、2025年10月改定分の影響規模がつかめます。年間100万kWhの工場なら年27万円程度です。これは確定額ではなく参考値ですが、対策に投じるべき予算感を判断する出発点になります。正確な金額は契約先の小売電気事業者に確認してください。

■ 対策2:契約電力(デマンド)を見直す
北海道の事業所は、冬季の暖房・融雪・換気により電力ピークが跳ね上がります。過去1年の最大デマンドが本当に必要な水準か確認してください。ピークを抑えられれば、契約電力に応じて算定される基本料金の削減につながります。なお、容量拠出金相当額の需要家への請求方法は小売電気事業者によって異なるため、デマンドを下げれば必ず容量拠出金相当額も下がるとは限りません。

■ 対策3:使用量そのものを減らす(省エネ投資)
託送料金も再エネ賦課金も「使用量 × 単価」です。単価は変えられませんが、使用量は変えられます。LED照明への更新で照明の消費電力は50〜70%程度削減できるケースがあり、老朽化した空調・ボイラーの高効率機器への更新も北海道では効果が大きく出ます。2027年末には直管蛍光灯の製造も終了するため、LED化は先送りできない課題になりつつあります。

■ 対策4:補助金と組み合わせて投資回収を早める
省エネ設備の更新には、国(SII・環境省)、北海道、市町村それぞれの補助制度が用意されています。補助率1/2の制度もありますが、補助率・上限額は制度、企業規模、設備区分によって異なります。また多くの補助制度では、原則として交付決定前の発注・契約・着工は対象外です。設備更新を検討する段階で、活用できる制度と申請時期を確認しておくことが不可欠です。

7. これまでの経緯(アーカイブ)

北海道電力・北海道電力ネットワークの料金改定は、近年繰り返し行われています。時系列で整理します。

時期内容主な理由
2023年4月レベニューキャップ制度スタート
第1規制期間(2023〜2027年度)開始
総括原価方式からの制度移行
2023年6月規制料金の値上げ(約23%)燃料価格・卸電力市場価格の高騰
2024年4月託送料金の見直し+発電側課金の導入に伴う電気料金改定託送制度の変更、発電事業者への費用分担
2025年10月託送料金改定(実施済み)
平均単価で低圧+0.53円、高圧+0.27円/kWh
低圧家庭用などの需要減少による託送料金収入の不足+物価高騰
2025年10月31日泊3号機再稼働を前提とした値下げ見通しを公表再稼働による燃料費削減効果(前提条件あり)
2026年7〜9月国の電気・ガス料金支援(実施中)
高圧は1.8〜2.3円/kWhの値引き
燃料輸入価格の上昇を踏まえた負担軽減
2026年7月10日収入の見通しの変更承認申請
1兆59億円 → 1兆603億円(+544億円)
物価・労務費・金利の上昇
2026年11月1日
(予定)
新託送料金の適用予定上記申請が承認された場合

この表からわかるのは、北海道の電気料金は「一度上がって終わり」ではないということです。制度改定・燃料市況・物価上昇と、変動要因が入れ替わりながら継続的に発生しています。国の値引き支援も期限付きです。だからこそ、その都度対処するのではなく、使用量そのものを構造的に減らす方向の投資が効いてきます。

8. よくある質問(FAQ)

Q1. 北海道電力の託送料金は2026年11月からいくら値上げされますか?

A. 2026年7月時点では、料金単価はまだ公表されていません。公表されているのは「収入の見通し」が544億円増加し、5か年合計で1兆603億円になるという点までです。実際の単価は、国の審査・承認を経て、託送供給等約款の変更届出の段階で明らかになります。

Q2. 新電力に切り替えれば託送料金の値上げを避けられますか?

A. 新電力へ切り替えても、託送料金そのものをなくすことはできません。新電力も北海道電力ネットワークの送配電網を使うためです。ただし、託送料金の改定を需要家の料金にどのように反映するかは、契約先や料金メニューによって異なります。

Q3. 2026年夏の電気代の値引き支援は、法人も対象ですか?

A. 高圧契約は対象です。2026年7〜9月使用分について、高圧は7月・9月が1.8円/kWh、8月が2.3円/kWhの値引きとなります(低圧は3.5円・4.5円/kWh)。申請は不要で、請求額から自動的に差し引かれます。ただし特別高圧は対象外です。10月使用分以降の継続については、2026年7月時点で正式な発表はありません。

Q4. 自社への影響額はどう見積もればよいですか?

A. 「平均単価の上げ幅 × 年間使用量」でおおよその規模を掴めます。2025年10月改定分なら、高圧は0.27円/kWh、特別高圧は0.13円/kWhです。ただしこれはエリア平均単価を用いた参考値であり、請求額の確定計算ではありません。実際の負担増は、契約電力・使用量・時間帯・契約メニュー・小売電気事業者の料金への反映方法によって異なります。正確な金額は契約先にご確認ください。

Q5. 託送料金とレベニューキャップ制度の関係は?

A. レベニューキャップ制度は、送配電事業者が5年単位の事業計画に基づいて国から「収入の見通し(収入上限)」の承認を受け、その枠内で託送料金を設定する仕組みです。北海道電力ネットワークは現在、第1規制期間(2023〜2027年度)にあります。2026年7月の申請は、この期間の収入の見通しを変更するためのものです。

Q6. 泊原発が再稼働すれば電気代は下がるのですか?

A. 北海道電力は再稼働を前提に、規制料金で約11%、自由料金全体で平均7%程度の値下げ見通しを示しています。高圧・特別高圧の値下げ見通しは平均約6%で、規制料金の約11%より小さい水準です。ただしこれは「見通し」であり、再稼働時期は確定していません。一方で託送料金の改定は再稼働と無関係に進むため、両方を織り込んで考える必要があります。

9. まとめ

このページの要点
✅ 北海道電力ネットワークは2026年7月10日、「収入の見通し」の変更承認申請を実施
✅ 収入の見通しは1兆59億円 → 1兆603億円(+544億円)。主因は物価・労務費・金利の上昇
✅ 承認されれば2026年11月1日から新料金が適用される予定。料金単価はまだ未公表
✅ 2025年10月改定分(平均単価で低圧+0.53円、高圧+0.27円、特別高圧+0.13円/kWh)は反映済み
✅ 2026年7〜9月使用分は国の値引き支援が実施中(高圧1.8〜2.3円/kWh、特別高圧は対象外
✅ 泊3号機の値下げ見通しは「再稼働後」が前提。高圧・特別高圧の値下げ幅は平均約6%
✅ 削減できるのは「使用量」。単価そのものは需要家側では変えられない

北海道の電気料金は、託送料金の改定・再エネ賦課金の上昇・容量拠出金の増加という上昇要因と、期限付きの国の値引き支援という下げ要因が、同時に効く局面にあります。

単価は需要家側で変えられませんが、使用量は設備更新と運用改善で変えられます。値引き支援は2026年9月使用分で一区切りとなり、その後の継続は未定です。支援がある今のうちに、自社の年間使用量と影響規模を把握し、省エネ投資と補助金活用を計画的に進めることが、この局面での現実的な打ち手になります。

この記事の監修者

永峰 知晃(株式会社totoka 代表取締役)

1級管工事施工管理技士・2級電気工事施工管理技士などの国家資格を保有。資源エネルギー庁「省エネ・地域パートナーシップ」のパートナー省エネ支援機関、およびSII認定の省エネ診断機関として、北海道の法人のエネルギーコスト最適化・補助金申請を支援しています。

記事情報
公開日:2025年8月25日
最終更新日:2026年7月12日
参照資料:
・北海道電力ネットワーク「託送供給等に係る収入の見通しの変更承認申請について」(2026年7月10日)
・北海道電力ネットワーク「託送供給等に係る収入の見通しの変更承認申請の概要について」(2026年7月10日)
・北海道電力ネットワーク「託送供給等約款の変更届出について」(2025年7月30日)
・北海道電力「泊発電所3号機再稼働後の電気料金の値下げ見通しについて」(2025年10月31日)
・経済産業省「2026年7月、8月及び9月使用分の電気・ガス料金支援の実施に伴い、電気・都市ガス料金の値引きを行うことができる特例認可・承認を行いました」(2026年6月12日)
・資源エネルギー庁「電気・ガス料金支援」特設サイト
・経済産業省「2026年度の再生可能エネルギー発電促進賦課金」
※本記事は上記の一次資料に基づいて作成しています。2026年11月適用予定の託送料金は申請段階であり、国の審査・承認により内容が変わる可能性があります。また、記事中の試算はエリア平均単価を用いた参考値であり、請求額の確定計算ではありません。最新情報は北海道電力ネットワーク公式サイトおよび資源エネルギー庁 電気・ガス料金支援をご確認ください。