LED照明はリース・レンタル・購入のどれ?違いと会計・補助金の確認点

LED照明の導入方法は、「購入」「リース」「レンタル」「割賦」「ESCO」の5つに整理できます。違いは月額の大小よりも、設備の所有者は誰か、途中で解約できるか、保守と撤去を誰が負うか、会計・税務でどう扱われるか、補助金が使えるかの5点に出ます。

総支払額は、リース料に金利・手数料・保険料などが含まれるため、購入より大きくなりやすいと考えられます(推測)。補助金を使う場合は、制度ごとに「設備の所有者」「契約の形」が決まっています。たとえばSIIの省エネ補助金(設備単位型)の第4次公募要領は、リースを共同申請なら認める一方、残価設定付リースと割賦契約は対象外としています。

この記事では、5つの方法の違い、総額の考え方(仮定の数字)、会計・税務の整理、契約前の確認点、補助金との関係、蛍光ランプの製造・輸出入禁止のスケジュールをまとめます。リース会計基準(企業会計基準第34号)は2027年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。税務は断定せず、確認先を示します。内容は2026年10月28日時点です。

この記事でわかること
・購入・リース・レンタル・割賦・ESCOの違い
・総支払額と資金繰りの考え方(仮定の数字で計算)
・会計処理と税務の整理(新リース会計基準、中小企業の扱い)
・所有権・保守・中途解約・原状回復の確認点
・補助金との関係と、蛍光ランプの製造・輸出入禁止のスケジュール

更新履歴

  • 2026年10月28日:全面改訂。購入・リース・レンタル・割賦・ESCOの比較、会計・税務の整理、契約の確認点、補助金との関係、蛍光ランプの製造・輸出入禁止のスケジュールを追加。根拠を確認できなかった記述(リース料総額が購入の1.1〜1.3倍、LEDと蛍光灯の寿命・消費電力の比較など)を削除
  • 2023年4月26日:初版公開

1. LED照明の導入方法の違い:購入・リース・レンタル・割賦・ESCO

まず、5つの方法の位置づけを表で整理します。呼び名ではなく、契約の中身で扱いが決まる点に注意してください。企業会計基準第34号も、契約の名称などにかかわらず、リースに該当すれば適用するとしています。

項目 購入 リース レンタル 割賦 ESCO
仕組み 自己資金または借入で代金を支払う 所有者の貸手が使用収益する権利を与え、借手がリース料を支払う 貸主の設備を一定期間借りる賃貸借。期間・解約条件は契約による 購入代金を分割で支払う 診断・設計・施工・運転管理などを一括で提供し、省エネ効果を保証する契約
契約期間中の所有者 自社 貸手 貸主 契約による(完済まで所有権を留保する契約もある) 契約による
途中解約 該当しない 原則できない、または解約時に残りのリース料のおおむね全部(原則90%以上)の支払いを求められる。ほかの要件もある(税法上のリース取引。個別は税理士に確認) 契約による 契約による(残代金の扱いを確認) 契約による
会計の見え方 資産計上し減価償却 所有権移転外ファイナンス・リースは、売買に準じた処理が原則。中小企業は賃貸借に準じた処理も可(中小会計指針) 契約内容で判断。リースに該当すれば第34号の対象 購入として資産計上し、代金は分割払い 契約内容で判断
補助金(SII第4次公募要領で確認できた範囲) 申請者が設備の所有者となる形が基本 共同申請なら可。残価設定付リースは対象外 公募要領に規定を確認できず 割賦契約は対象外。割賦払いも不可 シェアード・セイビングス契約に限り共同申請で可

表:LED照明の導入方法の比較(中小企業の会計に関する指針、国税庁、SII「令和7年度補正 省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)公募要領(4次公募)」、ESCO・エネルギーマネジメント推進協議会の資料をもとに作成。2026年10月28日時点)

リース(ファイナンス・リース)

中小会計指針は、リース取引を「特定の物件の所有者である貸手が、借手にリース期間にわたり使用収益する権利を与え、借手がリース料を貸手に支払う取引」と説明しています。国税庁によると、法人税法上のリース取引は、中途解約が禁止されている(または解約時に未経過期間のリース料のおおむね全部を支払う)ことに加え、借手が資産の経済的利益を実質的に受け、使用に伴う費用を実質的に負担することなどが要件とされています。どの契約が当たるかは契約内容で決まるため、個別の判断は税理士に確認してください。途中で止めにくいのが特徴です。

レンタル

「レンタル」という呼び名だけでは扱いは決まりません。国税庁は、リース取引に当たらない賃貸借を「オペレーティング・リース取引」として扱います。期間、解約条件、保守の範囲、満了時に返却か譲渡かは契約ごとに違うため、契約書で確認します。

割賦

割賦は購入代金の分割払いです。函館市は、リース期間中は貸主が所有権を留保し、終了後に借主へ移る「所有権留保付割賦販売契約」を、一般的なリース契約と区別して案内しています。完済までの所有権の扱いは、契約書で確認します。

ESCO

ESCO事業は、省エネ診断から設計、施工、運転管理までを一括して行い、省エネ効果を保証する「パフォーマンス契約」を結ぶ事業です。契約には、顧客が資金を調達する「ギャランティード・セイビングス」と、ESCO事業者が資金を調達する「シェアード・セイビングス」の2種類があります(ESCO・エネルギーマネジメント推進協議会)。仕組みはESCO事業の解説記事で整理しています。照明だけの小規模な更新でESCOの契約が成り立つかは、事業者の提案次第です(推測)。

2. 総支払額と資金繰りの考え方(仮定の数字で計算)

導入方法を比べるときは、月額ではなく総支払額と年間の電気代削減額を並べて見ます。リース料には、基本金額のほかに資金コスト(調達金利)、手数料、保険料、税金などが含まれる場合があります。SIIの公募要領も、補助金の有無でこれらの内訳を明示する書類を求めています。

総支払額の差 = リース料総額 − 購入価格

この差が、金利・手数料・保険料などに相当する部分です。内訳は契約書や見積書で確認します。

次の表は、説明のための仮定の数字です。購入価格(工事費込み)300万円、年間の電気代削減額60万円、リース期間7年でリース料総額345万円(購入価格の115%)、保守費・補助金・税は考えない、としています。

項目 購入 リース
総支払額 300万円 345万円
年間の支払い 初年度に300万円 約49.3万円(345万円÷7年)
1年目の収支(削減額−支払い) −240万円 +約10.7万円
7年累計の収支 +120万円(420万円−300万円) +75万円(420万円−345万円)

表:購入とリースの収支の比較(仮定の数字。実際の金額ではありません)

この例では、リースは初年度の持ち出しを抑えられる代わりに、7年累計では購入より45万円少なくなります。電気料金の単価や点灯時間で削減額は変わります。試算の方法は蛍光灯をLEDに変えると電気代はいくら下がる?で解説しています。

見積で確認する項目

リース料総額、期間、リース料に含まれる内訳(基本金額、資金コスト、手数料、保険料、税金)、満了後の費用(再リース料、撤去費、買取額)を並べて比べます。購入は、補助金や税の特例を使えるかも含めて比べます。

3. 会計処理と税務の考え方(税理士に確認)

重要ここは一般的な整理です

会計・税務の処理は、契約内容と会社の決算方針で変わります。以下は公表資料で確認できた範囲の整理で、個別の処理は顧問の税理士・公認会計士に確認してください。

購入・割賦

購入や割賦は、資産として計上して減価償却するのが基本です。LED工事の費用が修繕費になるか資産計上になるかは、LED工事は修繕費?資産計上?で国税庁の判断を整理しています。

リース・レンタルの現行の会計処理(中小企業)

中小会計指針(2025年9月19日修正版)は、所有権移転外ファイナンス・リースの借手について、売買取引に準じた処理を原則とし、賃貸借取引に準じた処理もできるとしています。賃貸借に準じた処理をした場合は、未経過リース料を注記します(重要性がないものは省略可)。同じ指針は「法人税法上は、すべての所有権移転外リース取引は売買として取り扱われる」とも記しています。

新リース会計基準(企業会計基準第34号)

企業会計基準委員会は2024年9月13日に企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」を公表しました。適用は2027年4月1日以後に開始する事業年度の期首からで、2025年4月1日以後に開始する事業年度から早期適用もできます。3月決算の会社なら、2028年3月期(2027年4月開始)が最初の年度です。

  • 借手は、原則すべてのリースについて、使用権資産とリース負債を貸借対照表に計上します。費用は使用権資産の減価償却費とリース負債の利息相当額です。
  • リース期間が12か月以内で購入オプションがない「短期リース」は、使用権資産とリース負債を計上しない簡便な処理ができます。
  • 重要性の乏しい「少額リース」にも簡便な処理があります。旧基準の「リース契約1件当たりのリース料総額が300万円以下」という判定を踏襲する趣旨の取扱いも含まれます。
  • 借手のリース期間は、解約不能期間に、行使が合理的に確実な延長オプションの期間などを加えて決めます。借手だけが解約できる契約でも、解約オプションを行使しないことが合理的に確実なら、その期間もリース期間に含めます。

中小企業は、基準の公表文書に「中小企業の会計に関する指針」または「中小企業の会計に関する基本要領」が用いられる(企業会計基準を適用することも妨げられない)と注記されています。確認できた範囲では、2025年9月の指針の修正は項番号と関係法令の更新などにとどまり、第34号を取り入れる見直しは確認できませんでした(2026年10月28日時点)。最新の公表は、関係4団体の発表で確認してください。

税務(国税庁の資料で確認できた範囲)

区分 借手の税務上の扱い(国税庁)
法人税法上のリース取引(所有権移転外) リース資産の売買があったものとして扱い、リース期間定額法で償却する。賃借料として経理した場合も、その金額は償却費として損金経理した金額に含める
上記に当たらない賃貸借(オペレーティング・リース取引) 契約に基づき支払う金額のうち、債務の確定した部分を損金の額に算入する。賃借料は賃貸借期間の経過に応じて算入するのが基本
新リース会計基準への対応(令和7年度税制改正) オペレーティング・リース取引は、会計上の処理が変わっても、引き続き賃貸借取引として支払賃借料を損金算入する。令和9年4月1日以後に締結する所有権移転外リース契約は、リース期間定額法の計算で残価保証額を控除しない
中小企業経営強化税制 所有権移転外リース取引で取得した設備は、特別償却は適用できず、税額控除は適用できる。適用期間は令和9年3月31日まで。LED照明が対象設備に当たるかは別に確認が必要

表:リースと賃貸借の税務上の扱い(国税庁「No.5702 リース取引の取扱い」「No.5704 所有権移転外リース取引」「No.5705 賃貸借取引の取扱い」「No.5434 中小企業経営強化税制」、令和7年度法人税関係法令の改正の概要。令和8年4月1日現在法令等)

「リース料は全額経費になる」と単純には言えません。ファイナンス・リース(所有権移転外)は税務上、売買として扱われ、リース期間定額法で償却します。賃貸借として扱われる契約は、債務の確定した賃借料を損金に算入します。どちらに当たるかは契約内容で決まります。

北海道道内の市の例:償却資産(固定資産税)は誰が申告するか

償却資産の固定資産税の申告者は、契約の形で変わります。函館市は、リース期間終了後に資産が貸主へ返還される一般的なリースは貸主が申告し、所有権留保付割賦販売契約のように終了後に借主へ所有権が移るものは、通常は借主が申告すると案内しています。旭川市の令和8年度の手引きも、リース期間終了後に借主の所有物となるものは借主、ならないものは貸主が申告し、割賦販売で購入した資産は原則として買主が申告するとしています。

旭川市は、賃借人(テナント等)が取り付けた家屋の内部造作や各種設備も申告の対象として挙げています。LED照明が該当するかは、設置場所の市の資産税の窓口に確認してください。

4. 契約前に確認する点:所有権・保守・中途解約・原状回復

月額が同じでも、契約書の条件で実際の負担は大きく変わります。次の項目を、見積の段階で確認します。

確認点 契約書で見る内容
所有権(満了時) 返却、再リース、譲渡、買取のどれか。再リース料や買取額はいくらか。税法では、無償または名目的な対価での譲渡や、著しく有利な価額での買取権があると、所有権移転外リースに当たらない
保守・修理 対象はランプのみか、安定器・電源・器具本体まで含むか。故障時の連絡先と交換費用の負担者。保険の有無
中途解約 解約できる条件と、違約金・残りのリース料の計算方法。移転、閉店、建物の売却、賃貸借契約の終了で解約が必要になった場合の扱い
原状回復・撤去 返却時の撤去工事と費用を誰が負担するか。既設の蛍光灯器具・安定器の処分費用。テナントなら建物所有者の承諾(SIIの要領は、自社所有でない建物では設備設置承諾書を求める)
契約期間と器具の寿命 契約期間が、器具の使用可能な期間を超えないか。日本照明工業会のガイドは、照明器具の適正交換時期の目安を使用10年以上または累積点灯30,000時間以上、耐用の限度を15年または40,000時間としている
仕様・新品か 器具の型番、台数、消費電力、光束を別紙に記載しているか。新品か中古か

表:契約前の確認点(国税庁No.5704、SII公募要領、日本照明工業会ガイドA130:2024をもとに作成)

日本照明工業会のガイドは、使用条件によって耐用年限が短くなる場合があるとも記しています。屋外や暖房のない倉庫などで使う場合は、設置場所の温度条件が器具の仕様の範囲内か、メーカーの資料で確認します。

重要「工事不要」のLEDランプは、契約前に条件を確認する

既存の蛍光灯器具に直管LEDランプだけを差し替える方法は、器具との組合せを誤ると発煙・火災につながるおそれがあります。日本照明工業会は、既設の蛍光灯器具の多くが10年以上使われて内部配線やソケットなどが劣化しているとして、LED器具への交換を推奨しています(消防庁の事務連絡に添付)。消防庁は、バイパス工事を適切に行った器具なら安定器に起因する火災のおそれはない、としています。工事の要否はLEDのバイパス工事の解説で整理しています。

既設の蛍光灯やその器具の廃棄は、事業所では廃棄物処理法などの関係法令に従います(環境省)。リースやレンタルでも、撤去と処分の費用を誰が負担するかは契約で決まるため、産業廃棄物の扱いとあわせて確認します。

5. 補助金との関係:購入・所有が前提になりやすい

補助金は、補助金で取得した財産を一定期間、補助事業の目的に沿って使い続けることが前提です。SIIの要領では、この期間(処分制限期間)は導入した機器の法定耐用年数の期間です。そのため、設備の所有者が誰かが申請の要件になりやすくなります。制度ごとに条件が違うので、公募要領で確認できた範囲を整理します。

制度 導入方法の扱い LED照明に関する注意
SII 省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)第4次公募。公募期間は2026年10月5日〜10月30日17時必着 申請者は補助対象設備の所有者で、処分制限期間使用する者。所有者と使用者が異なる場合は共同申請が原則。リースは共同申請で可だが、残価設定付リース契約と割賦契約は対象外。リース料から補助金相当分を減額した証明書類が必要。ESCOはシェアード・セイビングス契約に限り共同申請で可。支払いは金融機関の振込で、割賦払いや手形払いは不可 契約・発注は交付決定日以降に行う。対象は「制御機能付きLED照明器具」で、既設照明器具の改造を伴うもの、蛍光ランプなどと互換性のある口金のものは対象外
環境省 ESGリース促進事業(令和8年度) 補助金は指定リース事業者に交付され、リース先に申請手続きは不要。中途解約が原則できない契約などが要件 公式サイトの対象機器の一覧に、LED照明は含まれていない(2026年10月28日時点)

表:補助金とリース・ESCOの扱い(SII第4次公募要領、ESGリース促進事業の公式サイトより。2026年10月28日時点)

SIIの公募要領には、レンタルの扱いを定めた記載を確認できませんでした。レンタルを検討する場合は、申請前に事務局へ確認が必要です。リースを使う場合も、リース契約は発注にあたる可能性があるため(推測)、交付決定の前に契約しないよう、順序を事務局に確認します。

北海道北海道の令和8年度「省エネルギー設備導入支援事業」

北海道の令和8年度の省エネルギー設備導入支援事業費補助金は、導入する設備は「借入によるものでないこと(リース契約による場合を除く)」とし、リース事業者を含む共同体での応募を認めていました。募集は2026年4月22日から6月12日までで、すでに終了しています。

この制度は、道内の複数の建物やサプライチェーンを構成する複数の事業者にまたがる事業が対象で、1事業所のLED更新向けの制度ではありません。道内のLED工事に使える制度は北海道のLED工事に使える補助金まとめで整理しています。

6. 蛍光ランプの製造・輸出入禁止と、導入方法を決める時期

水銀に関する水俣条約の第5回締約国会議(COP5、2023年10月30日〜11月3日)で、一般照明用の蛍光ランプの製造・輸出入を段階的に廃止することが決まりました。環境省と経済産業省のチラシによると、直管蛍光ランプと環形蛍光ランプには、一般タイプの「ハロリン酸塩系」と、高効率の「三波長系」があります。三波長系は2027年末、ハロリン酸塩系は2026年末が廃止の期限です。コンパクト形蛍光ランプは2026年末です。

日本国内では、2024年12月に水銀汚染防止法の施行令が改正され、一般照明用の蛍光ランプが製造禁止の対象に加わりました。禁止は次の日から始まります。輸出入は外為法に基づいて規制されます。

種類 国内の製造禁止の開始(環境省) 条約上の廃止期限(環境省・経産省のチラシ)
コンパクト形蛍光ランプ 2027年1月1日 2026年12月31日
直管・環形(ハロリン酸塩系) 2027年1月1日 2026年末
直管・環形(三波長系) 2028年1月1日 2027年12月31日

表:蛍光ランプの製造禁止のスケジュール(環境省「一般照明用の蛍光ランプの規制について」、同「一般照明用の蛍光ランプの製造・輸出入は2027年までに廃止されます」。電球形蛍光ランプは2026年1月1日から、30Wを超えるものは2027年1月1日から)

この禁止は、使っている蛍光ランプを使い続けることや、在庫品の販売・購入を禁じるものではありません(環境省)。ただし、メーカーの生産は先に終わります。国内の大手照明メーカー1社は、直管蛍光ランプ(三波長形)と丸形蛍光ランプを2027年9月末、ツイン蛍光ランプ(コンパクト形)を2026年9月末に生産終了すると公表しています。同社は、LED化の工事時期が集中しないよう、早めの検討を呼びかけています。

重要「蛍光灯が使えなくなる」と電話で勧誘されたら

環境省は、環境省との関係を装い、蛍光ランプからLED照明への交換に関する調査を名目に電話をかける例があるとして、個人情報や事業所情報を伝えたり、契約や支払いをしたりしないよう注意しています。埼玉県の消費生活支援センターも、製造廃止を理由にした電話や訪問での勧誘には、すぐに応じず、その場で契約せず比較するよう呼びかけています。トラブルは消費者ホットライン「188」に相談できます。

蛍光ランプかどうかの見分け方は、LEDと蛍光灯の見分け方、全体の背景は蛍光灯の2027年問題とは?製造・輸出入禁止の時期と法人向けの対応で解説しています。

7. 状況別の選び方

ここまでの確認点を、順番に並べると次のようになります。

1
補助金を使う予定はあるか
→ ある場合は、契約・発注の前に公募要領で、所有者の要件、認められる契約の形、契約できる時期を確認します。SIIの設備単位型では、購入のほか、リースやESCO(シェアード・セイビングス)は共同申請が条件です。
▼
2
自己資金や借入で対応できるか
→ できる場合は、総支払額が小さくなりやすい購入(または割賦)から比べます。銀行借入との比較もあわせて行います。
▼
3
初期費用を月々に平準化したいか
→ リースを検討します。途中で解約しにくいため、事業所を長く使う見込みがあるかを先に確認します。
▼
4
移転・閉店・賃貸借契約の満了が近いか
→ 契約期間と解約条件、撤去費用を優先して比べます。レンタル型の契約は、解約条件が契約ごとに違うため、必ず契約書で確認します。
▼
5
運転管理や効果の保証まで任せたいか
→ 規模が大きい場合は、ESCOの提案を受けて比べます。

どの方法でも、最後に会計・税務の処理を顧問の税理士に確認してから契約します。

8. よくある質問(FAQ)

Q1. LED照明は、リースとレンタルのどちらがよいですか?

A. 一概には言えません。呼び名より契約の中身で判断します。比べる項目は、契約期間、中途解約の条件、保守の範囲、満了時の扱い(返却か譲渡か)、撤去費用です。リースは途中で解約しにくく、解約時に残りのリース料のおおむね全部の支払いを求める契約は、ほかの要件も満たせば法人税法上のリース取引として扱われます(国税庁)。該当するかは契約内容で決まるため、税理士に確認してください。レンタルは契約によって異なります。

Q2. リース料は全額を経費にできますか?

A. 契約の種類で扱いが変わるため、単純には言えません。国税庁によると、法人税法上のリース取引(所有権移転外)は売買として扱われ、リース期間定額法で償却します。賃借料として経理した場合も、その金額は償却費として損金経理した金額に含まれます。上記に当たらない賃貸借は、債務の確定した賃借料を損金に算入します。個別の処理は税理士に確認してください。

Q3. リースやレンタルでも補助金は使えますか?

A. 制度によります。SIIの設備単位型(第4次公募)は、リースを共同申請で認める一方、残価設定付リースと割賦契約は対象外で、レンタルの記載は確認できませんでした。環境省のESGリース促進事業は、対象機器の一覧にLED照明が含まれていません。契約の前に、使う制度の公募要領で確認します。

Q4. 蛍光灯は2027年から使えなくなりますか?

A. 使えなくなるわけではありません。禁止されるのは製造と輸出入で、使用中の蛍光ランプの継続使用や、在庫品の販売・購入は禁止されません(環境省)。ただし、国内の製造禁止は種類ごとに2026年1月から2028年1月まで段階的に始まり、メーカーの生産終了はそれより前に来る場合があります。入手しにくくなる前に、LED化の計画を立てておくと安全です。

Q5. 新リース会計基準で、中小企業のLEDリースはどう変わりますか?

A. 企業会計基準第34号は、2027年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。中小企業は、中小会計指針または中小会計要領を用いることもできます(基準の公表文書の注記)。2025年9月19日修正の中小会計指針では、所有権移転外ファイナンス・リースの借手に賃貸借に準じた処理が認められています。第34号を取り入れる見直しがあるかは、関係4団体の公表を確認してください。

Q6. リース期間中に事業所を移転・閉鎖したらどうなりますか?

A. 契約書の中途解約の条項で決まります。ファイナンス・リースは、中途解約できない、または解約時に残りのリース料のおおむね全部を支払う契約が前提の一つです(税法上はほかの要件もあります)。移転や閉店の可能性がある場合は、契約前に解約の条件と撤去費用を確認します。

9. まとめ

  • 導入方法は購入・リース・レンタル・割賦・ESCOの5つ。違いは、所有者、中途解約、保守・撤去、会計・税務、補助金の5点に出ます。
  • 総支払額は、リース料の内訳(金利・手数料・保険料など)を見積で確認して比べます。月額だけで判断しません。
  • 企業会計基準第34号は2027年4月1日以後に開始する事業年度から適用。中小企業は中小会計指針または中小会計要領も使えます。税務の個別判断は税理士に確認します。
  • 補助金は所有者や契約の形に条件があります。SIIの設備単位型では、リースは共同申請で可、割賦契約と残価設定付リースは対象外。契約・発注は交付決定日以降です。
  • 蛍光ランプの使用と在庫の販売は禁止されません。直管・環形の製造・輸出入は、ハロリン酸塩系が2026年末、三波長系が2027年末までに廃止されるため、契約条件を比べる時間を確保して計画的に進めます。

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記事情報
公開日:2023年4月26日
最終更新日:2026年10月28日(全面改訂)
参照資料:
・企業会計基準委員会「企業会計基準第34号『リースに関する会計基準』等の公表」(2024年9月13日)(企業会計基準委員会)
・日本公認会計士協会ほか4団体「修正『中小企業の会計に関する指針』の公表について」(2025年9月29日)(PDF)
・国税庁 タックスアンサー「No.5702 リース取引の取扱い」「No.5704 所有権移転外リース取引」「No.5705 賃貸借取引の取扱い」「No.5434 中小企業経営強化税制」(国税庁)
・国税庁「令和7年度 法人税関係法令の改正の概要」(PDF)
・SII「令和7年度補正 省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)公募要領(4次公募)」2026年10月(PDF)
・環境省「ESGリース促進事業」(令和8年度)(ESGリース促進事業)
・北海道「令和8年度 省エネルギー設備導入支援事業費補助金」(北海道)
・環境省「一般照明用の蛍光ランプの規制について」(環境省)
・環境省・経済産業省 事務連絡「蛍光ランプの製造・輸出入廃止に向けた周知について(依頼)」令和6年2月(PDF)
・環境省「水銀による環境の汚染の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令の閣議決定について」(環境省)
・国内の大手照明メーカーの発表「蛍光灯の生産を2027年9月末までに終了」2024年10月1日(メーカー発表)
・消防庁「蛍光ランプ交換に関する安全啓発リーフレットの送付について」令和6年6月10日、同「情報提供について」令和6年7月12日(PDF)
・日本照明工業会 照明器具「安全チェックシート」ガイドA130:2024(PDF)
・ESCO・エネルギーマネジメント推進協議会「ESCO事業のススメ」(JAESCO)
・函館市「リース資産も申告するの?」(函館市)
・旭川市「固定資産税(償却資産)申告の手引き(令和8年度)」(PDF)
・埼玉県消費生活支援センター 相談事例(2026年2月25日掲載)(埼玉県)
※2026年10月28日時点の情報です。制度・基準・法令は改正されることがあります。会計・税務の処理は個別の契約で変わるため、顧問の税理士・公認会計士に確認してください。計算例の数字はすべて仮定です。