ゼロエネルギービル「ZEB」とは何か?条件や定義について解説

ZEBとは何か?

ZEB (Zero Energy Building) は「ゼロエネルギービル」という意味です。ZEBは、当ビルの全エネルギー消費量が、自己発生(発電)した再生可能エネルギーまたは買い入れた再生可能エネルギーによってカバーされる建物のことを指します。

また、冷暖房、照明、空調などの消費エネルギーを抑えるために、高い断熱性、太陽光発電などの再生可能エネルギー利用、エネルギー効率の高い設備などを採用する必要があります。

環境保護とエネルギー効率に焦点を当てた建築設計を推進することで、未来に向けた持続可能な住環境を実現することを目的としています。

補足:環境省のホームページより

ZEBを「先進的な建築設計によるエネルギー負荷の抑制やパッシブ技術の採用による自然エネルギーの積極的な活用、高効率な設備システムの導入等により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギー化を実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、エネルギー自立度を極力高め、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指した建築物」と定義しています

環境省のホームページより引用:https://www.env.go.jp/earth/zeb/detail/01.html

ZEBの条件は?

ZEB (Zero Energy Building) の条件は以下の通りです。

・年間の全エネルギー消費量が、自己発電等の再生可能エネルギー(太陽光発電や熱ポンプなどの再生可能エネルギー利用)または買い入れた再生可能エネルギー等によってカバーされること。

・高い断熱性を持つ建物設備の採用。

・エネルギー効率の高い設備や照明、冷暖房、空調などの設備を採用。

これらの条件を満たすことで、一年間にわたり建物の全エネルギー消費量をカバーすることができます

ZEBの定義と種類は?

ZEBは4つのカテゴリーに分類されます。

冒頭に説明したZEBがネットゼロ≒カーボンニュートラルの状態を表しています。

「カーボンニュートラル」についての説明はこちら

次に25%以下まで実質削減できた状態をNearly ZEB、50%まで実質削減できた状態をZEB Ready と定義されています。

引用元:https://www.env.go.jp/earth/zeb/detail/01.html

「補足事項の※1」に、1次エネルギーとは「空調・照明・給湯・昇降機」を指しますと記載があります。これらの設備に必要な「エネルギーを実質0まで減らしましょう。」ということになります

いろいろ詳しい定義がありますが、ZEBは達成の段階により、4種類に分かれているということを理解していただければと思います。

ZEB化のメリット

ZEBは新築ではなく、既存施設の改修でもZEB化することは可能です

個々の建物オーナーや建物の利用者にとっての具体的なメリットとしては以下のような点が挙げられます。

1.外皮性能の向上、高効率設備の導入、最適な設備容量への更新などによりZEBへ改修することで、運用時におけるエネルギーコストの削減、将来的なさらなる改修コストの削減が可能

2.室内環境の改善により、快適性や知的生産性といったウェルネスを向上させることにもつながる

3.テナントビルの場合には、このような建物への改修が賃料にプラスの影響をもたらす可能性がある

引用元:https://www.env.go.jp/earth/zeb/about/07.html

ZEBの補助金

ZEBの補助金は、環境省および経済産業省より実施されています。

補助金名と補助率は以下の通りです。

環境省 レジリエンス強化型ZEB実証事業

ZEB:補助対象経費の2/3

Nearly ZEB:補助対象経費の3/5

ZEB Ready:補助対象経費の1/2

環境省 ZEB実現に向けた先進的省エネルギー建築物実証事業

ZEB:補助対象経費の3/5

Nearly ZEB:補助対象経費の1/2

ZEB Ready、ZEB Oriented:補助対象経費の1/3

経済産業省 ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB:ゼブ)の実証支援

補助対象経費の2/3

まとめ

ZEB (Zero Energy Building)を目指すことで、環境活動への実施をアピールすることもできます。

先進的な企業イメージにも繋がりますので、ぜひ検討なされてはいかがでしょうか。