「電気代を下げたいのに、LED照明の本体まで値上がりしている」
そんな声が、北海道内の法人のお客様から増えています。totokaにご相談いただく企業様の中にも、LED化を検討しながら「もう少し価格が落ち着いてから」と先送りにしてきた方が少なくありません。
しかし結論から申し上げると、「待つほど損をする」のが今の照明市場の現実です。本記事では、LED照明の値上げが起きている構造的な背景と、北海道の中小企業が今とるべき具体的なアクションについて、エネルギーコスト削減の専門家としてお伝えします。
1. LED照明はなぜ値上がりし続けるのか? 3つの構造要因
LED照明の価格上昇は、一時的な需給バランスの問題ではありません。複数の構造的要因が重なり合っており、短期間で解消する見通しが立っていないのが実情です。
要因① 金属・樹脂原材料の世界的な高騰
LED照明器具の製造には、筐体に使われるアルミニウムや鋼材、基板に使われる銅、カバーに使われるポリカーボネート樹脂など、多様な素材が必要です。これらの国際市況はここ数年高止まりが続いており、照明メーカーの製造原価を押し上げています。各メーカーとも社内のコスト削減努力を続けてきましたが、もはや自助努力だけでは吸収できない水準に達しています。
要因② 物流費・エネルギーコストの上昇
原油価格の高止まりは、製品の輸送コストに直接影響します。さらに、工場の稼働に必要なエネルギーコスト自体も上昇しているため、製造から配送までのサプライチェーン全体でコスト増が発生しています。とりわけ北海道は本州からの輸送距離が長いため、物流コスト上昇の影響を受けやすい地域でもあります。
要因③ 円安の長期化による輸入部材コストの増大
LED照明の心臓部ともいえるLEDチップや電源ユニットの部材は、多くが海外から調達されています。為替レートが円安基調で推移し続ける限り、調達コストは下がりません。この円安トレンドが短期間で反転する見込みは薄く、「価格が以前の水準に戻ること」を期待するのは現実的ではないと考えるのが妥当です。
2. 国内主要3メーカーの価格改定スケジュール(2026年版)
国内の照明業界を牽引する大手3社は、いずれも2026年に入って大幅な価格改定を発表しています。以下に、各社の公表情報をまとめます。
パナソニック ― 2026年1月1日改定
パナソニックは、住宅照明・施設照明・店舗照明・屋外照明・防災照明といった幅広い照明器具を対象に、平均約15%の価格引き上げを実施しました。注目すべきは、直管LED光源が約30%、補修部品に至っては約70%という大幅な引き上げが含まれている点です。つまり、新品への切り替えだけでなく、既存設備の修理・メンテナンスコストも急騰しているのです。
三菱電機照明 ― 2026年4月1日改定
三菱電機照明も、施設用照明器具・防災器具・店舗照明・屋外照明・光源など主要カテゴリ全般で約15%、制御機器で約10~15%の値上げを2026年4月出荷分より適用します。製造・物流コストの上昇を理由として公式に発表されています。
東芝ライテック ― 2026年4月1日改定
東芝ライテックも同様に、施設・住宅・屋外照明器具で約15%、LED直管形ランプで約30%の価格改定を実施予定です。オプション・補修用パーツも約15~50%の引き上げとなっており、パナソニックと同じく「古い設備を直しながら使い続ける」選択肢のコストが急激に上がっています。
ここで押さえておきたいポイントがあります。これらの値上げは今回で終わりとは限りません。ここ数年、各社とも繰り返し価格改定を行っており、今回の改定も「第2弾」「第3弾」に当たるものです。半年前に取った見積もりがそのまま使えないケースも増えており、検討から導入までの時間が長引くほど、実際の支払額が想定を上回るリスクがあります。
3. 蛍光灯「2027年問題」との合わせ技が生む、二重のコスト圧力
LED照明の値上げと同時進行で、もうひとつ見逃せない大きな動きがあります。蛍光灯の2027年問題です。
2023年11月に開催された「水銀に関する水俣条約 第5回締約国会議(COP5)」において、一般照明用蛍光ランプの製造・輸出入を2027年末までに段階的に禁止することが147か国の合意で決定されました。国内主要メーカーのパナソニック・東芝ライテックも、2027年9月末までに蛍光ランプの全品種を生産終了すると発表しています。
つまり、今まさに次のような「二重のコスト圧力」がかかっている状況です。
- 蛍光灯を使い続ける → 交換ランプの供給が減少し、入手困難・価格高騰が進む
- LEDに切り替える → 器具本体の値上げが重なり、先延ばしするほど導入コストが上がる
どちらの道を選んでもコストが上がる——そんな「挟み撃ち」の状態が、現在の照明市場なのです。この構造を理解すると、「今が一番安いタイミングかもしれない」という判断が自然と導かれます。
4. 「先送り」が生む見えないコスト ― 数字で検証
「値上げ幅が15%なら、そこまで大きな差にはならないのでは?」と感じる方もいるかもしれません。しかし、LED化を先送りにすることで発生するコストは「器具の値上がり分」だけではありません。むしろ、毎日垂れ流している余分な電気代の方がはるかに大きな金額になるケースがほとんどです。
【試算例】事務所フロア 蛍光灯40本をLEDに切り替えた場合
| 項目 | 蛍光灯(現状維持) | LED照明(切替後) |
|---|---|---|
| 1本あたり消費電力 | 約40W | 約20W |
| 1日の点灯時間 | 10時間 | |
| 年間稼働日数 | 250日 | |
| 電気料金単価 | 31円/kWh | |
| 年間電気代(40本分) | 約124,000円 | 約62,000円 |
| 年間削減額 | 約62,000円 | |
※ 消費電力・料金単価は一般的な目安であり、実際の条件により異なります。
この試算では、たった40本の蛍光灯をLEDに替えるだけで年間約6万円以上の電気代削減が期待できます。導入を1年先送りにすれば、この6万円をまるまる失い続けることになります。一方、LED器具の値上げ分(15%として仮に数万円増)を考慮しても、電気代の削減効果が1~2年で上回る計算です。
工場の高天井照明(水銀灯→LED)のように消費電力差が大きい設備では、この効果はさらに劇的になります。「器具代の値上がりを気にして旧式照明を使い続けること」が、実は最も高コストな選択肢であることを、ぜひ覚えておいてください。
5. 北海道の中小企業が今すぐ取れる3つのアクション
では、具体的に何から手を付ければよいのでしょうか。totokaが日頃のコンサルティングの中でお伝えしているポイントを3つご紹介します。
アクション① まずは「現状の照明コスト」を把握する
意外に多いのが、「自社の照明にいくら電気代がかかっているか分からない」というケースです。照明の種類・本数・点灯時間を棚卸しするだけで、LED化による削減効果の概算が見えてきます。totokaでは、この現状把握のお手伝いも無料で承っています。
アクション② 補助金・助成制度の活用を検討する
省エネ設備の導入には、国や自治体の補助金制度が利用できる場合があります。LED照明への切り替えは代表的な対象事業のひとつです。ただし、補助金には申請期間や予算枠の制約があるため、「やろうと思ったときには締め切っていた」とならないよう、早めの情報収集が重要です。totokaでは補助金申請のサポートも行っておりますので、お気軽にご相談ください。
アクション③ 照明だけでなく「電力調達」もセットで見直す
照明をLEDに切り替えて消費電力を下げたら、次に効果が大きいのが電力の調達先(電力会社・料金プラン)の見直しです。使用量が変われば最適なプランも変わるため、LED化と電力切り替えをセットで行うことで、コスト削減効果を最大化できます。totokaはまさにこの「エネルギーコストの総合最適化」を得意としており、照明から電力契約まで一気通貫でご提案が可能です。
6. まとめ:照明コストは「攻め」の経営判断で下げる時代へ
LED照明の値上げは、原材料・物流・為替という複合的かつ構造的な要因で起きています。蛍光灯の2027年製造終了問題も加わり、照明設備を取り巻く環境は「待てば好転する」状況にはありません。
しかし裏を返せば、早めに動いた企業ほど「より安い器具価格で」「より早く電気代削減の恩恵を受けられる」ということでもあります。設備投資は守りの出費ではなく、毎月のランニングコストを確実に圧縮する「攻めの経営判断」です。
株式会社totokaでは、北海道の中小企業様を対象に、照明コストを含むエネルギーコスト全般の削減コンサルティングを成功報酬型で提供しております。「うちの場合、LED化でどのくらい下がるんだろう?」という素朴な疑問からで構いません。まずはお気軽にお問い合わせください。
※本記事の価格改定情報は、各メーカーの公式発表(2025年11月~12月時点)に基づいています。最新の価格や改定率は各メーカーへ直接ご確認ください。
※試算はあくまで一般的な条件に基づく概算であり、実際の削減額は設備構成・使用条件により異なります。

