業務用建築物ストックの省CO2改修調査支援事業|R7補正2次・R8一次公募

「自社のビルを将来的にZEB化したいけれど、いきなり大規模改修に踏み切るのは不安」「省CO2改修の事前調査に補助金が使えると聞いたが詳細を知りたい」——そんな北海道の事業者の方に朗報です。環境省の「業務用建築物ストックの省CO2改修調査支援事業」は、ZEB化の可能性調査(改修効果調査)に対して補助率1/2・1施設あたり上限100万円を交付する制度で、令和8年5月1日から新たな公募(R7補正2次公募・R8一次公募)が実施されています。

本記事では、北海道で業務用建築物を所有・管理する企業や法人の経営者・施設管理者の方に向けて、この補助金の対象要件・申請手順・採択を勝ち取る加点項目・スケジュールまで、公募要領(一般社団法人静岡県環境資源協会発行)の最新情報に基づき詳しく解説します。

この記事でわかること
✅ 業務用建築物ストックの省CO2改修調査支援事業の制度概要と補助率
✅ R7補正2次公募・R8一次公募(令和8年5月1日〜10月22日)のスケジュールと変更点
✅ 補助対象になる建築物・事業者・改修内容の詳細要件
✅ 採択を勝ち取るための10の加点項目と申請のポイント
✅ 北海道の寒冷地建築物でZEB化を進めるメリット

1. 業務用建築物ストックの省CO2改修調査支援事業とは?

① 一言でいうと?

業務用建築物ストックの省CO2改修調査支援事業とは、既存の業務用建築物を改修する際に必要な「ZEB達成可能性・省CO2効果の事前調査(改修効果調査)」に対して、補助率1/2・上限100万円を交付する環境省の補助金制度です。愛称は「建築物改修の省CO2ポテンシャル見える化事業」です。

② 制度の目的と背景

この事業は、地球温暖化対策計画で示された2030年度・2035年度・2040年度の各削減目標、および2050年カーボンニュートラルの実現に貢献するために創設されました。既存建築物の改修によるZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化を加速するため、改修前のフィージビリティ調査(FS調査)に補助金を投入し、本格改修につなげる狙いです。

正式名称令和7年度(補正予算)・令和8年度 二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(建築物等のZEB化・省CO2化普及加速事業)のうち、業務用建築物ストックの省CO2改修調査支援事業
公募回R7補正2次公募・R8一次公募
公募期間令和8年5月1日(金)〜10月22日(木)17時必着
補助率1/2
補助上限100万円/施設
(同一事業者の累計上限500万円)
執行団体一般社団法人 静岡県環境資源協会(SERA)
事業期間交付決定日以降〜令和9年2月19日まで
申請方法jGrants電子申請(GビズIDプライム必須)
💡 ポイント:累計500万円まで複数施設の調査が可能

同一事業者が複数の施設を所有している場合、施設毎に独立して申請できます。1施設あたりの補助上限は100万円、同一事業者の累計補助上限は500万円です。100万円満額で申請する場合は5施設相当まで活用できる計算になりますが、要領上「5施設まで」と施設数そのものが限定されているわけではありません。複数拠点を持つ法人にとって活用しやすい制度設計です。

2. 補助率・補助対象経費はどう計算する?

① 補助金額の計算ルール

補助金額は、以下のa〜cの手順で決定されます。

順序計算内容
a総事業費から寄付金その他の収入額を控除した額を算出します
b補助対象経費と基準額(執行団体が必要と認めた額)を比較し、少ない方を選定します
caで算出された額とbで選定された額を比較し、少ない方の額に1/2を乗じた額が交付額(1,000円未満切捨て・上限100万円)

② 補助対象経費の費目

改修効果調査を実施するために必要な業務費・事務費が補助対象になります。主な費目は以下の通りです。

区分細目の例
工事費本工事費・付帯工事費・機械器具費・測量及試験費
設備費調査に必要な設備・機器の購入費等
業務費調査・設計・製作・試験及び検証に要する費用(請負・委託料含む)
事務費賃金・諸謝金・旅費・需用費・役務費・委託料・消耗品費等
⚠ 補助されるのは「調査費用」であり「改修工事費」ではありません

上記の工事費・設備費等は、あくまで改修効果調査を実施するために必要と認められる経費区分であり、実際の省CO2改修工事そのものを補助する制度ではありません。改修工事費は、別途「既存建築物ZEB化普及促進支援事業」等の他メニューでの補助対象となります。

⚠ 補助対象外経費の代表例

以下の費用は補助対象になりません。申請書作成時に必ず除外してください。

・既存施設の撤去・移設・廃棄・処分費用
・予備設備、将来使用予定の設備の購入費・工事費
・補助事業期間外(交付決定前および事業完了後)の支出
・官公庁等への申請・届出等に係る経費
・本補助金への応募・申請手続きに係る経費

3. 補助対象になる建築物・事業者は?

① 対象となる建築物の用途

対象となるのは、主たる用途が以下の表に掲げる用途に供される業務用建築物です。用途は原則として建築確認申請書により判断されます。

対象になる用途対象外になる用途
・事務所等(事務所、官公署)
・ホテル等(ホテル、旅館)
・病院等(病院、老人ホーム、福祉ホーム)
・物品販売業店舗等(百貨店、マーケット)
・学校等(小・中・高・大学、専修・各種学校、給食センター)
・飲食店等(飲食店、食堂、喫茶店)
・集会所等(図書館、博物館、体育館、公会堂、集会場、映画館等)
・住宅
・工場
・畜舎
・自動車車庫
・自転車駐輪場
・倉庫
・卸売市場
・火葬場
・キャバレー、パチンコ屋
💡 ポイント:サ高住・複合建築物の取扱い

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、建築確認申請の建物用途が「非住宅」の場合に限り申請可能です。住宅と非住宅の複合建築物の場合は、非住宅部分が対象用途を満たすことが要件となります。判断が難しい場合は、申請前にSERAへ相談しましょう。

② 改修予定の時期に関する要件

対象建築物について、令和11年度(2029年度)までに既存設備等の改修予定があることが必要です。改修効果調査だけを目的とした申請はできず、調査後の改修実施を見込んだ計画が前提となります。

③ 申請できる事業者

本補助金の交付を申請できる者は、補助対象事業の目的に即した建築物改修を将来的に実施する者(建築主等)であって、日本国内で事業を営んでいる者とされています。

区分該当者
a民間企業
b個人事業主
c独立行政法人
d地方独立行政法人
e国立大学法人、公立大学法人、学校法人
f社会福祉法人
g医療法人
h一般社団法人・一般財団法人、公益社団法人・公益財団法人
i地方公共団体

4. 改修効果調査では具体的に何をする?

① 調査内容の必須要件

補助対象となる改修効果調査では、以下の5項目を必ず実施する必要があります。

No.調査内容
対象施設の改修手段について、省エネルギー効果・実現性・経済合理性等の複数観点から検討し、最良と判断される改修内容を提案する
建築研究所が公開するエネルギー消費性能計算プログラム(WEBプログラム)の計算結果を含む提案内容の概要を示し、概算見積りを作成する
改修実施のスケジュール案を作成する(検討・予算化・設計・入札・竣工等の各段階を具体的に記載)
改修後の外皮性能(BPI)・一次エネルギー消費量(BEI)について、標準入力法で算出する(モデル建物法は不可)
建築物省エネ法第30条に基づく外壁・窓等の熱損失基準への適合、ZEB基準水準の省エネ性能達成を目指す(蓄電池等を含む再エネ設備の導入検討含む)
⚠ 重要:モデル建物法での算出は認められない

本補助金では、エネルギー計算においてWEBプログラムの「標準入力法」を使用することが必須です。簡易計算であるモデル建物法は使用できません。標準入力法は計算工数が大きくなるため、ZEBプランナーと早期に連携して計算体制を整えることが重要です。

② ZEB基準水準の省エネルギー性能とは?

本事業で目指す「ZEB基準水準の省エネルギー性能」とは、再生可能エネルギーを除いた設計一次エネルギー消費量が、用途に応じて基準一次エネルギー消費量より30%または40%以上削減されている状態を指します。

建物用途削減率の目安
事務所等、学校等、工場等40%以上
ホテル等、病院等、百貨店等、飲食店等、集会所等30%以上
基準一次エネルギー消費量(100%) 既存建築物(改修前) 本事業が目指すZEB基準の水準(30%または40%以上削減) 用途別の必須水準 参考:ZEB Ready(50%削減) より高みの省エネ性能 ※事務所等・学校等は40%以上、ホテル等・病院等・百貨店等・飲食店等・集会所等は30%以上の削減が必須水準です

図:本事業で目指すZEB基準の水準と参考ランクのイメージ

③ 補助事業のスキーム(お金の流れ)

環境省 予算交付 SERA(静岡県環境資源協会) 補助金交付(1/2・上限100万円) 補助事業者(建築主) 調査委託・契約 → 改修効果調査の実施

図:補助金のスキーム(お金の流れ)

5. ZEBプランナーの関与が必須

① ZEBプランナーとは?

ZEBプランナーとは、ZEBに関する知識を有し、ZEB化の設計・コンサルティングを行う事業者として、SII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)に登録された専門家です。本補助金では、原則として申請時点からZEBプランナーが関与することが望ましく、遅くとも補助事業開始時までには関与が必要とされています。

💡 ポイント:入札等による委託先選定の場合

入札等で契約先(委託先)を選定する場合は、入札者等にZEBプランナーの関与を求めることで申請が認められます。ただし、ZEBプランナーは補助事業開始時までに登録が完了している者でなければなりません。

② ZEBプランナーの探し方

ZEBプランナーの登録一覧は、環境省「ZEB PORTAL(ゼブ・ポータル)」で公開されています。建築物の用途・所在地・規模に応じて適切なZEBプランナーを選定しましょう。北海道内にも複数のZEBプランナーが登録されており、寒冷地特有の設計ノウハウを持つ事業者を選ぶことが重要です。

6. 申請から事業完了までの流れ

1
ZEBプランナーへの相談・選定
環境省ZEB PORTAL等を参照して、対象建築物に適したZEBプランナーに相談します。改修方針・想定スケジュール・概算費用を整理します。
2
GビズIDの取得・公募要領のダウンロード
jGrants申請に必須のGビズIDプライムアカウントを取得します(取得に時間を要するため早めに)。SERAホームページから公募要領・申請様式をダウンロードします。
3
申請書類の作成
応募申請書・実施計画書・経費内訳・企業概要・経理状況説明書・暴力団排除誓約書等を作成します。経費内訳には金額の根拠となる見積書を添付します。
4
jGrantsで電子申請
公募期間内(5月1日〜10月22日17時必着)に、jGrants電子申請システムから申請します。
5
審査・採択通知
受付完了後、SERAが順次審査を実施します(採択は申請から約1ヶ月後が目安)。採択通知と交付決定通知の2種類が発出されます。
6
調査実施(契約・委託)
交付決定日以降に調査委託契約を締結し、改修効果調査を実施します。原則として競争原理が働く手続きで委託先を選定します。
7
完了実績報告・交付額確定
事業完了(検収日)後30日以内または2月末日のいずれか早い日までに完了実績報告書を提出します。書類審査後、交付額が確定します。
8
補助金の受領・事業報告(3年間)
精算払請求書を提出して補助金を受領します。完了後3年間、年度毎にCO2削減効果等の事業報告書を提出します(3年以内に省CO2改修等への取組み開始が必要)。

7. R7補正2次公募・R8一次公募のスケジュールと変更点

① 公募期間

R7補正2次公募・R8一次公募の公募期間は、令和8年5月1日(金)から10月22日(木)17時必着です。同時並行で公募が行われる長期スケジュールとなっています。

項目日程
公募開始令和8年5月1日(金)
公募締切令和8年10月22日(木)17時必着
採択時期受付完了後、随時審査(申請から約1ヶ月後が目安)
事業完了期限令和9年2月19日
完了実績報告期限事業完了後30日以内または令和9年2月末日のいずれか早い日

② 前回(R7補正1次公募)からの変更点

重要 採択スケジュールが「随時審査」に変更

従来は「公募期間終了後にまとめて審査」していましたが、R7補正2次公募・R8一次公募からは「受付完了後に随時審査を行い採択」方式に変更されました。早期に申請するほど早く採択結果を得られる仕組みです。一方、予算の上限に達した場合は公募期間を短縮する可能性があるため、早めの申請が有利です。

8. 採択を勝ち取るための10の加点項目

本事業の審査では、対象事業の基本要件を満たした上で、以下の項目に該当する場合に加点が行われます。該当する項目がある場合は、申請書類に明記して採択率を高めましょう。

No.加点項目加点の大きさ
激甚災害での被災建築物を改修する事業大きく加点
新耐震基準以前の建物の改修(新耐震基準を満たすもの)
※すでに耐震改修済みで新耐震基準を満たしている建物は加点対象外(公募Q&A)
加点
地球温暖化対策推進法第21条第5項に基づく地方公共団体の再エネ促進区域内に位置する建築物加点
建築物省エネ法第60条に規定する建築物再エネ利用促進区域内に位置する建築物加点
学校でエコスクール・プラスの認定を受けている場合加点
所有者または入居テナントがリーディングテナント行動方針の賛同者である場合加点
2050年またはそれ以前のカーボンニュートラル達成など、温室効果ガス排出削減目標を設定している場合加点
デコ活応援団への参画・デコ活宣言の実施・デコ活関連の取組を行っている場合加点
エコ・ファースト認定を受けている場合(⑦⑧の要件を満たすものとして加点)加点
令和6年に発生した能登半島地震の被災地域における被災建築物を改修する事業加点
💡 ポイント:採択の多様性配慮

選定にあたっては、建築物用途・規模・地域区分等の多様性および網羅性を考慮して、カテゴリ毎に選定が進められます(公募要領)。北海道は寒冷地(主に地域区分1〜3)に該当するため、申請書では北海道特有の暖房負荷や寒冷地での省CO2効果を丁寧に説明することが重要です。

9. 申請前に必ず知っておきたい注意点

① 改修効果調査完了後3年以内に省CO2改修への取組みが義務

本補助金は、改修効果調査だけで完結する制度ではありません。調査完了後3年以内に、調査結果を活かして実際の当該施設の省CO2化改修等に、実現可能な範囲で最大限の効果を得る形で取組むことが求められています(提案内容どおりの全工事を必ず実施する義務までは課されません)。また、取組内容は毎年度報告する必要があります。

⚠ 実改修への取組みが将来的に困難な場合は申請を見送るべき

「とりあえず100万円もらえるなら調査だけしておこう」という動機での申請は適しません。調査結果を活かした実際の省CO2改修への取組みが3年以内に開始できない見込みの場合、補助金返還等の対応を求められる可能性があります。社内の中長期投資計画と整合性のある申請が必要です。

② 情報公開への同意が必須

調査結果(施設全景写真、外皮・設備仕様、計算結果、改修費用案、スケジュール案等)は、ZEB普及促進のため取りまとめて広く一般に公開されます。情報公開に同意できない場合は申請できません。

③ 補助対象経費に関する注意

補助対象経費の中に補助事業者の自社調達がある場合は、調達先の選定方法に関わらず、自社調達による設計・工事・物品購入等について、原価計算により利益相当分を排除した額(原価)を補助対象経費の実績額とします。

④ 取得財産の管理

調査結果として作成された報告書等は補助金で取得した財産(取得財産等)として善良な管理者の注意をもって管理し、補助金の交付目的に従って効率的運用を図る必要があります。

10. 北海道の事業者にとってのポイント

北海道 寒冷地建築物こそZEB化のメリットが大きい

■ ポイント1:暖房負荷の大きい寒冷地は省CO2改修効果が大きい
北海道は市町村単位で主に地域区分1〜3に該当する寒冷地で、業務用建築物の年間エネルギー消費に占める暖房比率が全国平均よりも大幅に高くなる傾向があります。外皮断熱性能の向上や高効率空調への更新によるエネルギー削減効果が大きく、ZEB化の費用対効果も全国平均より有利になる傾向があります(一般的傾向)。100万円の調査補助金を活用して、自社建築物の省エネポテンシャルを「見える化」することは、大規模投資判断の第一歩として大きな意味を持ちます。

■ ポイント2:札幌・旭川・帯広・函館・釧路・北見・苫小牧 — 道内主要都市の業務用建築物が対象
札幌の事務所ビル、旭川や帯広の病院・福祉施設、函館や釧路のホテル、北見や苫小牧の学校・集会施設など、北海道内の幅広い業務用建築物が補助対象になります。北海道は市町村単位で地域区分1〜3地域に該当する寒冷地で、公募要領では建築物用途・規模・地域区分等の多様性や網羅性を考慮して選定するとされているため、申請書には北海道の地域特性や寒冷地での省CO2改修の意義を丁寧に記載することが重要です。

■ ポイント3:北海道企業のカーボンニュートラル目標設定・デコ活宣言が加点要素になる
道内自治体・企業はゼロカーボン北海道に基づくカーボンニュートラル宣言や脱炭素ロードマップを公表しているケースが少なくありません。これらの取組を申請書に明記することで、加点項目⑦(CN目標設定)・⑧(デコ活)に該当し、採択の可能性を高められます。札幌市・函館市・苫小牧市などのゼロカーボンシティ宣言自治体内の建築物も、要件を確認する価値があります。

■ ポイント4:北海道地域でのZEBプランナー選定がカギ
寒冷地特有の断熱仕様(高性能サッシ、外断熱、トリプルガラス等)・暖房システム(地中熱ヒートポンプ、業務用ヒートポンプ給湯、寒冷地用エアコン等)に習熟したZEBプランナーを選定することで、調査の質と実改修への接続性が高まります。北海道内に拠点を持つZEBプランナー、または北海道の業務実績が豊富なZEBプランナーを優先的に検討しましょう。

■ ポイント5:早期申請が有利 — 予算の早期上限到達リスクへの備え
R7補正2次公募・R8一次公募からは「随時審査」方式に変更されており、予算の上限に達した場合は公募期間が短縮される可能性があります。改修計画が概ね固まっている事業者は、できるだけ早期の申請を目指すことが望ましいでしょう。GビズIDプライムの取得には時間がかかるため、未取得の事業者は今すぐ取得手続きを開始してください。

11. よくある質問(FAQ)

Q1. 補助上限100万円は、改修工事費用も補助されるのですか?

A. いいえ、本事業の補助対象は「改修効果調査(事前調査)」の費用のみです。実際の改修工事には別途、同事業内の「既存建築物ZEB化普及促進支援事業」(補助率1/3〜2/3)や他の省エネ補助金を活用する必要があります。

Q2. 複数の建物を所有しています。複数申請できますか?

A. はい、施設毎に独立した申請が可能です。1施設あたり上限100万円同一事業者の累計上限500万円です。100万円満額で申請する場合は5施設相当まで活用できる計算になりますが、要領上「5施設まで」と施設数が限定されているわけではありません。

Q3. WEBプログラムの「標準入力法」とは何ですか?モデル建物法ではダメですか?

A. 標準入力法は、建物各部の外皮性能・設備仕様を詳細に入力して一次エネルギー消費量を計算する方法です。一方、モデル建物法は簡易計算手法ですが、本事業ではモデル建物法は使用できません。標準入力法は計算工数が大きいため、ZEBプランナーと早期に連携する必要があります。

Q4. 改修効果調査後、必ず改修工事を行わなければなりませんか?

A. 本事業では調査完了後3年以内に、調査結果を活かした省CO2化改修等に実現可能な範囲で最大限の効果を得る形で取り組むことが求められており、取組内容を毎年度報告する必要があります。提案した全工事を必ず実施する義務まではありませんが、改修への取組み自体の見込みがない場合は申請を見送るべきです。

Q5. ZEBプランナーは申請前に決めなければなりませんか?

A. 原則として申請時点からZEBプランナーが関与することが望ましいとされています。ただし、入札等で委託先を選定する場合は、入札者等にZEBプランナーの関与を求めることで申請が認められます。いずれの場合も、補助事業開始時までにZEBプランナー登録が完了している必要があります。

Q6. 倉庫や工場は対象になりますか?

A. いいえ、倉庫・工場・住宅・自動車車庫・畜舎などは対象外です。対象は事務所・ホテル・病院・物品販売店舗・学校・飲食店・集会所等の業務用建築物に限定されます。なお、営業倉庫については別途「サステナブル倉庫モデル促進事業」がありますので、用途に応じて適切な制度を選択してください。

12. まとめ — いま北海道の事業者が取るべきアクション

業務用建築物ストックの省CO2改修調査支援事業は、本格的なZEB化改修の前に補助率1/2・上限100万円で改修効果調査を実施できる、極めて活用価値の高い制度です。特に寒冷地である北海道では、暖房負荷の大きさからZEB化の費用対効果が高く、調査結果を活用した本格改修への展開が期待できます。

補助率・上限1/2、上限100万円/施設(累計500万円)
公募期間令和8年5月1日〜10月22日
必須要件ZEBプランナーの関与、WEBプログラム標準入力法での計算、令和11年度までの改修予定、調査後3年以内の改修への取組み
加点項目10項目(CN目標、デコ活、再エネ促進区域等)
申請方法jGrants電子申請(GビズIDプライム必須)
北海道 今すぐ着手すべき3つのアクション

❶ ZEBプランナーを選定する
環境省「ZEB PORTAL」で北海道エリアまたは北海道での業務実績が豊富なZEBプランナーを検索し、自社建築物の省CO2改修について相談を開始しましょう。

❷ GビズIDプライムを取得する
jGrants申請にはGビズIDプライムが必須です。取得には時間を要するため、改修計画がある事業者は今すぐ手続きを開始してください。

❸ 加点項目を洗い出す
自社のカーボンニュートラル目標、デコ活への取組、再エネ促進区域内立地、新耐震以前の建物該当性などを確認し、申請書類に明記できる項目を整理しましょう。

記事情報
公開日:2026年5月11日
参照資料:環境省「令和7年度補正予算・令和8年度予算『業務用建築物ストックの省CO2改修調査支援事業』の公募開始について」(2026年5月1日報道発表)、一般社団法人静岡県環境資源協会(SERA)公募要領「令和7年度(補正予算)・令和8年度 二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(建築物等のZEB化・省CO2化普及加速事業)業務用建築物ストックの省CO2改修調査支援事業 R7補正2次公募・R8一次公募」
※本記事は上記資料に基づいて作成しています。最新情報はSERA公式サイトおよび環境省 ZEB PORTALをご確認ください。