北海道の法人様にとって、空調設備の更新や導入は、単なる「機器の入れ替え」ではありません。
それは、「冬の事業活動を止めないこと」であり、「高騰するエネルギーコストから利益を守ること」そのものです。
「電気(EHP)とガス(GHP)、結局どっちがいいの?」
「カタログには良いことしか書いていないけれど、実際の使い勝手はどうなの?」
そんな疑問に対し、北海道の建設・設備工事のプロであるtotoka(トトカ)が、現場の泥臭い現実を踏まえて解説します。 今回は特に失敗が許されない「厨房」「福祉施設」「店舗」の3つのシチュエーションに絞り、最適な選び方を紐解きます。
1. そもそもEHPとGHP、北海道で使うならどっち?
まずは基本の整理です。どちらが優れているかという「勝ち負け」ではなく、建物の条件によって「向き・不向き」がはっきり分かれます。
EHP(電気モーターヒートポンプ)
電気でコンプレッサー(圧縮機)を回す、最も普及しているタイプです。
- メリット: 機器本体がGHPより安価な傾向がある。燃料補給やオイル交換の手間がない。
- 北海道での懸念点: 外気温が極端に低い(-10℃〜-20℃)日や、湿気の多い雪の日は、室外機に付いた霜を溶かすための「霜取り運転(デフロスト)」が頻繁に入ります。この間、暖房が一時的に止まる(または微風になる)ため、室温低下を招きやすい弱点があります。
GHP(ガスヒートポンプ)
ガスエンジンでコンプレッサーを回すタイプです。自動車のエンジンでエアコンを動かすイメージです。
- メリット: エンジンの排熱(捨ててしまう熱)を暖房に利用できるため、氷点下でも暖房能力が落ちにくく、霜取り運転もほとんど起きません。また、電気をあまり使わないため、契約電力(デマンド)を大幅に下げられます。
- 北海道での懸念点: エンジンオイルやプラグなどの定期交換が必要です(車検のようなイメージ)。そのため、ランニングコストにはガス代に加え「保守契約費」を見込む必要があります。
結論:判断のモノサシ
- 「暖房を止めたくない」「電気の契約容量がパンパン」なら GHP
- 「管理の手間を減らしたい」「ガス管がない」なら EHP
これをベースに、さらに現場ごとの事情を加味していきます。
2. 【厨房】飲食・食品工場の敵は「換気負荷」にあり
北海道の飲食店やセントラルキッチンで最も多い相談が、「エアコンを最強にしているのに、足元がスースーして寒い」というものです。 これは空調機が壊れているのではなく、「換気」との戦いに負けているケースが大半です。
なぜ厨房の空調は「負ける」のか?
業務用厨房では、調理の熱や煙を排出するために強力な換気扇が回っています。
ここで重要なのが「排気した分と同じ量の空気(給気)を取り入れなければならない」という物理法則です。もし給気口が足りないと、建物は「負圧(ふあつ)」状態になります。
- ドアが重くて開かない
- ドアの隙間から「ピューピュー」と音がする
- 排水口から臭いが上がってくる
これらは全て負圧のサインです。この時、氷点下の外気が無理やり室内に侵入し、床を這うように広がります。
通常のEHPエアコンは「室内の暖かい空気を吸って、さらに暖めて出す」のが得意ですが、厨房では「常に冷たい外気が入ってくる」ため、EHPの能力では追いつかず、電気代だけが浪費される悪循環に陥ります。
厨房におけるGHPの「現場力」
厨房のような過酷な環境では、GHPの馬力が活きます。
- 立ち上がりの速さ: 朝一番、冷え切った厨房でも、ガスエンジンの熱を利用して素早く温風を吹き出します。
- 霜取り知らずの連続運転: 換気で冷やされ続ける厨房において、「霜取りで暖房が止まる10分間」は致命的です。GHPならノンストップで暖め続けられます。
- 契約電力の抑制: 厨房は大型冷蔵庫、食洗機、IHなどで電気容量が圧迫されがちです。空調をガスに逃がすことで、電気の基本料金ランク(デマンド)が上がるのを防げます。
【totokaの現場アドバイス】
厨房は「空調機」を変えるだけでは解決しないことがあります。「給気(外気の取り入れと予熱)」の設計を見直さなければ、どんな高性能なエアコンを入れても暖まりません。私たちは空調機器の選定と同時に、換気バランスの診断も行います。
3. 【福祉施設】介護・医療現場は「止まらない」が品質
北海道の高齢者施設や病院において、空調は生命維持装置の一部と言っても過言ではありません。
コスト削減も重要ですが、それ以上に「入居者様の体感温度」と「スタッフの負担」が最優先事項です。
施設特有の「困りごと」
- 霜取りのクレーム: 「暖房が止まって寒い」という訴えは、入居者様にとって深刻です。特に深夜の巡回時など、活動量が低い時間帯の室温低下はヒートショックのリスクにも繋がります。
- 24時間稼働のコスト: 一般オフィスと違い、夜間も空調を止められません。電気料金の高騰が経営を直撃します。
- 災害時の不安: 冬の北海道でブラックアウト(大規模停電)が起きた際、暖房手段が断たれることは命に関わります。
福祉施設におけるGHP・ハイブリッドの勝ち筋
- 「常に暖かい」安心感: GHPは外気温-20℃でもパワフルな暖房能力を維持します。「霜取り運転で冷風感が出る」というストレスから解放されるのは、施設運営において大きなメリットです。
- BCP対策(災害対応): 「自立運転機能付き」のGHPを選べば、停電時でもガス供給が続いていれば空調と照明、携帯の充電などが可能です。この機能は、北海道の施設において強力な保険となります。
- リスク分散の設計: 全てをGHPにする必要はありません。
- 共用部(食堂・ホール): 暖房能力が高く、災害時の避難場所になるため GHP
- 個室: 個別操作がしやすく、管理が楽な EHPこのように熱源を電気とガスに分散(ハイブリッド化)させることで、コストとリスクのバランスを取るのが賢い選択です。
4. 【店舗】物販・サービスの勝負は「出入口」と「デマンド」
スーパー、ドラッグストア、大型物販店。これらの店舗で課題になるのは、「不特定多数の出入りによる温度変化」と「電気基本料金(デマンド値)」です。
店舗ならではの悩み
- 入口付近が寒い: 自動ドアが開くたびに寒気が押し寄せ、レジ周りのスタッフやお客様が寒い思いをする。
- 場所による温度ムラ: 窓際、食品売り場、バックヤードで温度がバラバラ。
- 電気代の「山」が高い: 夏場や冬場のピーク時に最大電力(デマンド)を更新してしまい、その後の1年間、高い基本料金を払い続けることになる。
店舗における空調選びのポイント
- 電気料金の「山」を削る(ピークカット): 店舗の経費削減で最も効くのがここです。空調をGHPにして電気のピークを抑えることで、年間の固定費を数百万円単位で削減できるケースも珍しくありません。
- ゾーニング空調の徹底: 方式選びの前に「どこをどう暖めるか」が重要です。例えば、風除室や入口付近のみ、独立した系統の強力な空調(あるいはGHP)を設置し、エアカーテンのように使うことで、店奥への冷気侵入を防ぎます。
【判断のヒント】
テナントビルなどで「ガスが引けない」場合は、EHP一択になります。その場合は、寒冷地専用のEHPを選び、かつ足元へ気流を送るサーキュレーターを併用するなど、「暖かい空気を床に留める工夫」が必須となります。
5. 3分でできる選定チェック(北海道版)
自社の施設にはどちらが向いているか? ざっくりとした傾向をチェックしてみてください。
| チェック項目 | こんな場合は GHP (ガス) が候補 | こんな場合は EHP (電気) が候補 |
| 電気容量 | 受変電設備(キュービクル)が限界に近い | まだ余裕がある、または増設可能 |
| ガス供給 | 都市ガス、またはLPGバルクが設置可能 | ガス管がない、ガス単価が高いエリア |
| 暖房の優先度 | 「絶対に止めたくない」 (霜取りストップが許されない) | 一時的な停止は許容できる (補助暖房がある等) |
| 換気量 | 多い (厨房、工場、焼肉店など) | 普通 (オフィス、小売店など) |
| 保守管理 | 定期点検契約を結んで しっかり管理したい | できるだけ管理の手間をなくしたい |
| 災害対策 | 停電時も暖房を使いたい (BCP) | 特段の対策は不要、または発電機がある |
※最終的なコストメリットは、「機器代金+工事費+保守費+(電気・ガス代)」を10年〜15年のトータル期間でシミュレーションする必要があります。
6. totokaなら、現場の「空気」を見て提案します
カタログスペックだけを見て「EHPの方が効率が良い」「GHPの方が馬力がある」と決めてしまうのは危険です。
特に北海道では、雪の影響、建物の断熱性、サッシの性能、換気量といった「現場ごとの固有条件」で正解がひっくり返ります。
私たち totoka(トトカ) は、単に機器を販売するだけではありません。
- 現場診断: 寒さの原因が「空調能力」なのか「換気・断熱」なのかを見極めます。
- コスト試算: 現在の契約プランをもとに、EHP/GHPそれぞれの導入効果をシミュレーションします。
- 総合提案: 補助金の活用も含め、初期費用とランニングコストの最適なバランスをご提示します。
「今のエアコン、暖まりが悪い気がする」「次の更新で光熱費を確実に下げたい」
そうお考えの北海道の企業様は、ぜひ一度totokaにご相談ください。北海道の冬を知り尽くしたプロが、現場に即した解決策をお持ちします。
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