【2026年度版】北海道の省エネ補助金6選|国・道・市の制度を比較

北海道で事業を営む企業にとって、電気代・燃料費の高止まりと設備の老朽化は、避けて通れない経営課題です。「省エネ設備に切り替えたいが投資額が大きい」「補助金の制度が多すぎて、どれが自社に合うか分からない」――そうしたお悩みを抱える経営者・施設管理者の方は少なくありません。

2026年度(令和8年度)は、北海道の事業者が活用できる省エネ・脱炭素関連の補助金が、国・道・市の各レベルで充実しています。本コラムでは、当社(株式会社totoka)が省エネ補助金技術支援の対象として注目している6つの主要補助金を整理し、補助率・上限額・対象設備・スケジュールを一覧で比較します。「どの制度が自社に最も合うか」を見極めるための実務情報としてご活用いただける内容です。

本記事は、2026年度の最新公募情報をベースにまとめた、北海道企業向けの「省エネ補助金まるわかりマップ」です。各制度の詳細記事へのリンクも記載していますので、関心のある制度から深く読み進めていただけます。

この記事でわかること
✅ 2026年度に北海道企業が使える主要6補助金の全体像と位置づけ
✅ 国(SII・環境省)/道/市の各制度の補助率・上限額・公募期間の比較
✅ 自社に合う補助金の選び方(タイプ別フローチャート)
✅ 申請を成功させる4つの共通ポイント
✅ よくある質問(FAQ)と、北海道企業が今すぐ取るべきアクション

北海道 寒冷地ならではの「省エネ投資の追い風」

北海道は本州と比べて暖房・給湯のエネルギー消費が大きく、灯油・重油ボイラーへの依存度も高い地域です。それだけに、空調・ボイラー・LED・変圧器など省エネ設備への更新による削減効果(金額・CO2量とも)が出やすい特性があります。2026年度は、こうした北海道企業の設備投資を後押しする補助制度が、国・道・市の各レベルで同時並行で公募されています。タイミングを逃さず活用することで、投資回収期間を大幅に短縮できる可能性があります。

1. 2026年度 北海道企業が使える省エネ補助金6制度の全体像

まず、本記事で取り上げる6つの補助金の位置づけを整理します。制度は「実施主体(誰が出すお金か)」と「規模(補助上限額)」の2軸で整理すると理解しやすくなります。

2026年度 北海道企業が活用できる省エネ・脱炭素補助金 【国】大規模な設備更新・脱炭素投資向け 省エネ・非化石転換補助金(SII) 補助率1/3〜2/3/上限1億〜30億円 SHIFT事業(環境省) 補助率1/3・3/4/上限200万〜5億円 【北海道】面的な省エネ取組向け(道独自) 省エネルギー設備導入支援事業費補助金 補助率1/2/単独500万円・コンソーシアム1,000万円 【市町村】地元中小企業向け(自治体補助) 苫小牧市ゼロカーボン推進 室蘭市カーボンニュートラル 小樽市 中小企業等省エネ推進 ※苫小牧市・小樽市は最大100万円規模/室蘭市は診断+設備で最大22.5万円

図:2026年度 北海道企業が活用できる省エネ・脱炭素補助金の全体像

制度名実施主体補助率補助上限額公募期間
省エネ・非化石転換補助金SII(国)1/3〜2/3最大30億円1次:〜2026/4/27
2次:6月上旬〜7月上旬
SHIFT事業環境省1/3
3/4(DX型)
最大5億円
200万円(DX型)
1次:〜2026/5/13
2次:〜2026/6/10
省エネルギー設備導入支援事業費補助金北海道1/2単独500万円
コンソーシアム1,000万円
2026/4/22〜6/12
苫小牧市ゼロカーボン推進補助金苫小牧市1/2最大100万円(省エネ)2026/4/1〜2027/2/26
※先着順
室蘭市カーボンニュートラル促進支援事業室蘭市10/10(診断)
2/3(設備)
診断 25,000円
設備 200,000円
2026/4/1〜5/22
小樽市 中小企業等省エネ推進補助金小樽市1/2最大100万円2026/5/7〜11/30
ポイント:国・道・市の補助金は「重複NG」が原則

同一の経費に対して国・道・市の複数の補助金を重複して受けることは、原則認められていません。一方、複数の制度を組み合わせて「異なる設備」「異なる事業所」に対して活用することは可能です。自社のエネルギーコスト適正化計画を整理した上で、どの制度をどの工事に充てるかを早期に検討することが重要です。

2. 【国①】省エネ・非化石転換補助金(SII)― 大規模な省エネ・脱炭素投資の中核

省エネ・非化石転換補助金は、経済産業省 資源エネルギー庁が所管し、SII(一般社団法人 環境共創イニシアチブ)が執行する、国内最大規模の省エネ補助金です。令和7年度補正予算で措置され、2026年度は4つの事業区分に分かれています。

正式名称令和7年度補正予算 省エネ・非化石転換補助金
所管・執行経済産業省 資源エネルギー庁/SII(環境共創イニシアチブ)
主な事業区分(Ⅰ)工場・事業場型/(Ⅱ)電化・脱炭素燃転型/(Ⅲ)設備単位型/(Ⅳ)エネルギー需要最適化型
補助率1/3〜2/3(区分・枠による)
補助上限額1億円〜30億円(区分・枠による)
1次公募期間2026年3月30日〜4月27日17:00必着
2次公募予定2026年6月上旬〜7月上旬

① 主要な事業区分の特徴

区分用途補助率上限額
(Ⅰ)工場・事業場型事業場全体の省エネ計画に基づく大規模改修。設計費・設備費・工事費が対象1/3〜2/315億円
(複数年度20〜30億円)
(Ⅱ)電化・脱炭素燃転型化石燃料から電気・低炭素燃料への転換を伴う改造・新設1/2(更新)
1/5(新設)
3億円
(電化は5億円)
(Ⅲ)設備単位型SII登録の指定設備への更新。中小企業が最も使いやすい1/3〜1/21〜3億円
(Ⅳ)エネルギー需要最適化型EMS(エネルギー管理システム)の導入。Ⅰ型・Ⅲ型と組み合わせ可能1/3〜1/21億円

② 2026年度の新設枠:GX設備単位型・サプライチェーン連携枠

2026年度の大きな変更点は、「GX設備単位型」と「サプライチェーン連携枠」が新設されたことです。GX設備単位型はメーカー強化枠・トップ性能枠(更新/新設)の3枠から構成され、補助上限額が従来の1億円から3億円に引き上げられています。サプライチェーン連携枠は、4者以上の企業が共同で省エネ計画を立案する場合に省エネ要件が緩和される仕組みです。

ポイント:北海道の中小企業に最も使いやすいのは「設備単位型」

工場・事業場全体の省エネ計画策定が不要で、SII登録の指定設備(高効率空調・ボイラー・LED・変圧器・冷凍冷蔵設備など)から選んで申請できる設備単位型は、申請のハードルが低く中小企業に適しています。詳しくは【2026年】省エネ補助金は「設備単位型」がおすすめ?新設枠を解説をご覧ください。設備単位型の申請手順はSII指定設備補助金の流れのページでも詳しく解説しています。

3. 【国②】SHIFT事業(環境省)― 工場・事業場のCO2削減を支援する大型補助

SHIFT事業は、環境省が所管する「脱炭素技術等による工場・事業場の省CO2化加速事業」です。SIIの省エネ補助金が「省エネ量」に着目するのに対し、SHIFT事業は「CO2排出量の削減」に着目している点が大きな違いです。

正式名称脱炭素技術等による工場・事業場の省CO2化加速事業(SHIFT事業)
所管・執行環境省/一般社団法人 温室効果ガス審査協会
補助メニュー① 省CO2型システムへの改修支援事業/② DX型CO2削減対策実行支援事業
補助率・上限① 改修支援:1/3/1億円または5億円
② DX型:3/4/200万円
1次公募締切2026年5月13日(水)12:00
2次公募締切2026年6月10日(水)12:00

① 改修支援事業 ― 電化・燃料転換が中心、単純更新は対象外

① の改修支援事業では、「事業場単位で年間CO2排出量15%以上削減」または「主要なシステム系統単位で30%以上削減」のいずれかを満たす必要があります。基準年度のCO2排出量が年間50t-CO2以上の工場・事業場が前提となります。

重要 単純な高効率化は対象外

蒸気システム・空調システム・給湯システム・工業炉・CGS(コージェネレーションシステム)に関する単純な高効率化改修は対象外です。「古いエアコンを新しいエアコンに入れ替えるだけ」では採択されません。電化・燃料転換・熱回収など、より踏み込んだCO2削減取組が求められます。

② DX型 ― 補助率3/4の「見える化」支援

② のDX型は、IoTセンサーやクラウドシステムを活用したエネルギーの「見える化」と運用改善を支援するメニューです。補助率3/4は、国の補助金としては最高水準。本格的な設備改修の前段階として、まずDX型で現状把握と改修計画策定に取り組み、その後①の改修支援に進むという2段階活用が有効です。

ポイント:DX型 → 改修支援の2段階活用

DX型(補助率3/4・上限200万円・2カ年以内)でエネルギーの見える化と改修計画を策定し、その後 改修支援(補助率1/3・上限最大5億円・3カ年以内)で本格的な設備改修を実施する。リスクを抑えながら大規模なCO2削減を実現できる戦略です。詳しくは【令和7年度補正】SHIFT事業を解説(最大5億円)をご覧ください。電化・燃料転換の工事については燃料転換工事のページもあわせてご参照ください。

4. 【北海道】省エネルギー設備導入支援事業費補助金 ― 道独自の「面的省エネ」支援

北海道(経済部GX推進局GX推進課)が実施する道独自の補助金です。国の補助金が個別の事業者を対象とするのに対し、本制度は「複数の建物・街区・サプライチェーンを横断する面的な省エネ取組」を対象とする点が大きな特徴です。

正式名称令和8年度 省エネルギー設備導入支援事業費補助金
実施主体北海道(経済部GX推進局GX推進課 新エネルギー係)
補助率補助対象経費の1/2以内
補助上限額単独事業者:500万円/コンソーシアム:1,000万円
必須要件「面的な取組」かつ「年率20%以上のエネルギー削減」
公募期間2026年4月22日(水)〜 6月12日(金)

① 「面的な取組」とは?

本制度で求められる「面的な取組」は、次の2つのいずれかと定義されています。

種類具体的なイメージ
地理的な面的取組道内の複数の建物、街区、エリアを対象に省エネ設備を導入する事業
サプライチェーン型の面的取組サプライチェーンを構成する複数の事業者によって実施される事業

たとえば、複数拠点を持つ企業が全拠点で同種の設備を更新するケースや、製造業がグループ会社・取引先と共同で省エネに取り組むケースが想定されます。1拠点・1設備の単発更新は対象になりにくい点に注意が必要です。

② コンソーシアム申請で上限が2倍に

単独事業者の上限が500万円なのに対し、複数法人で構成するコンソーシアム申請では上限が1,000万円に拡大されます。コンソーシアム協定書の締結など事務作業は増えますが、補助上限が2倍になるインパクトは大きく、グループ会社・取引先・同業他社との連携可能性は早めに検討する価値があります。

重要 既存設備の「更新」のみ対象、新設・増設は対象外

既存設備がない場所への新規導入や、能力増強のための増設は対象外です。新築建物への設備設置も対象になりません。事業計画書を作成する前に、自社の取組が「更新」に該当するかを必ず確認してください。詳しくは【令和8年度】北海道の省エネ補助金(最大1000万円)対象要件とスケジュールをご覧ください。具体的な設備更新については省エネルギー工事の各種メニューもあわせてご参照ください。

5. 【市】苫小牧市ゼロカーボン推進事業補助金 ― 最大100万円の市独自支援

苫小牧市内の中小企業を対象とする市独自の補助金です。省エネ設備と再エネ設備の2つのメニューがあり、申請のハードルが比較的低く、市内の中小企業にとって最も身近な選択肢のひとつです。

正式名称苫小牧市ゼロカーボン推進事業補助金
実施主体苫小牧市役所 産業経済部 企業政策室 工業雇用政策課
補助メニュー① 省エネルギー設備導入補助/② 再生可能エネルギー設備導入補助
補助率① 省エネ:1/2/② 再エネ:太陽光7.5万円/kW・蓄電池1/2
補助上限額① 省エネ:最大100万円
公募期間① 省エネ:2026年4月1日〜2027年2月26日(先着順)
② 再エネ:環境省交付内示後に開始(時期未定)

① 省エネ設備導入補助:診断種類により上限額が4段階

令和8年度からは、省エネ診断の種類と導入設備の組み合わせによって補助上限額が4段階に分かれています。事業所全体の省エネ診断を受け、照明以外の設備を含む更新を行う場合に上限100万円となります。

診断の種類導入設備補助上限額
事業所全体の省エネ診断照明以外の設備を含む100万円
事業所全体の省エネ診断照明設備のみ80万円
設備単位の省エネ診断照明以外の設備を含む50万円
設備単位の省エネ診断照明設備のみ40万円

申請には、過去3年以内の省エネ診断結果が必須です。CO2削減率20%以上(照明設備は30%以上)の要件があり、補助対象経費は税抜30万円以上である必要があります。

ポイント:先着順のため早めの準備が重要

苫小牧市の補助金は予算到達で受付終了となる先着順です。書類提出は原則として市役所への直接持参が求められるため、書類準備と提出計画は早めに進めるのが得策です。詳しくは2026年度苫小牧省エネ補助金:空調やLED照明の更新に活用できる補助金を徹底解説をご覧ください。空調・LED工事の実例は空調設備工事LED照明工事のページでも紹介しています。

6. 【市】室蘭市カーボンニュートラル促進支援事業 ― 「診断+設備」のセット補助

室蘭市と公益財団法人室蘭テクノセンターが実施する、市内中小企業向けの補助金です。省エネ診断費用の全額補助(上限25,000円)と、診断結果に基づく設備導入費用の2/3補助(上限20万円)という、診断と設備導入をセットで支援する点が特徴です。

正式名称中小企業カーボンニュートラル促進支援事業
実施主体室蘭市/公益財団法人室蘭テクノセンター
補助メニューⅠ. 省エネルギー診断事業/Ⅱ. 省エネルギー設備導入事業
補助率・上限Ⅰ. 診断:10/10(全額)/上限25,000円
Ⅱ. 設備:2/3/上限200,000円
公募期間2026年4月1日〜5月22日(予算上限到達で終了)
前提条件室蘭テクノセンターの賛助会員加入が必要

① 「診断」と「設備導入」はセットで考える

本制度は、診断と設備導入が一体の枠組みになっています。設備導入の補助を受けるには、令和4年度以降に対象の省エネ診断(省エネ最適化診断・SIIウォークスルー診断・IT診断・伴走支援など)を受診していることが前提です。診断未受診の事業者は、まず「Ⅰ. 省エネ診断事業」で診断を受けてから設備導入の検討に進みます。

注意 冷暖房設備とパソコン類は対象外

設備導入の補助対象経費には消耗品費・設備費・工事費・賃借料などが含まれますが、冷暖房設備、ならびに汎用性のあるパソコン・タブレット等は対象外とされています。空調機の更新を本制度で検討している場合は、事前に必ず室蘭テクノセンターへ確認してください。詳しくは室蘭市カーボンニュートラル促進支援事業|中小企業向け省エネ診断・設備導入補助金をご覧ください。省エネ診断の受診からご検討の場合は、当社のサービスページもあわせてご参照ください。

7. 【市】小樽市 中小企業等省エネ推進補助金 ― 省エネ診断ベースの設備更新支援

小樽市内の中小企業等を対象とする市独自の補助金です。省エネ診断の結果に基づく設備更新を支援し、補助率1/2・上限100万円という、市町村レベルでは比較的手厚い水準が設定されています。「ゼロカーボンシティ小樽市」の実現に向けた、市内事業者の脱炭素経営支援策の中核となる制度です。

正式名称令和8年度 中小企業等省エネ推進補助金
実施主体小樽市 産業港湾部 産業振興課
補助率1/2以内
補助上限額100万円(1,000円未満切り捨て)
必須要件省エネ診断結果に基づき、エネルギー消費量の合計が年率10%以上低減する設備更新
申請期間2026年5月7日〜11月30日
事業完了期限2026年12月28日までに発注・納入・検収・支払のすべてを完了

① 「省エネ診断」がカギになる制度設計

本制度の最大の特徴は、「補助金交付申請日から3年以内の省エネ診断」を起点にしている点です。経済産業省資源エネルギー庁の「省エネ・地域パートナーシップ」に参加するパートナー省エネ支援機関による診断結果が必須となります。診断レポートに「年率10%以上のエネルギー消費量低減」が明示されていることが申請の前提条件です。

対象になる設備対象外
・省エネ診断で提案された省エネ設備
・既存設備に替えて導入する更新設備
・EMS等制御装置(既存設備への付加もOK)
・小樽市内の施設に設置するもの
・新設・増設
・借用品・中古品
・主に従業員福利厚生目的の設備
・専ら居住目的の事業所での設備

② 補助対象経費は「設備費+据付・運搬費」

補助対象経費は、設備費および設備の据付け・運搬に要する費用です。既存設備の廃棄費用や消費税相当額は補助対象外となるため、予算計画を立てる際にはこの点を踏まえる必要があります。

ポイント:診断未受診なら「小樽市省エネルギー診断補助金」も併せて検討

省エネ診断をまだ受けていない事業者向けに、小樽市生活環境部環境課が「小樽市省エネルギー診断補助金」を別途実施しています。診断機関への自己負担分が補助されるため、診断費用のハードルを下げることができます。本補助金の申請前段階としての活用が可能です。省エネ診断サービスの活用イメージは当社ページもご参照ください。

注意 申請期間と事業完了期限のタイトさ

申請期間(2026年5月7日〜11月30日)と事業完了期限(2026年12月28日)の間隔が比較的短いため、診断・見積取得・申請・交付決定・発注・工事・支払までを年内に完結させる必要があります。設備の納期や工事スケジュールを逆算して、早めの動き出しが重要です。

8. 自社に合う補助金の選び方|タイプ別フローチャート

6つの補助金は、それぞれ得意とする領域が異なります。「事業規模」「設備の種類」「所在地」の3点から、自社に合う補助金を絞り込みましょう。

補助金タイプ別 選択フローチャート Q1. 工場・事業場の大規模改修か? (投資額数千万円〜) Yes No Q2. CO2削減 or 省エネ量どちらの軸? 電化・燃料転換 → CO2/指定設備 → 省エネ CO2軸 省エネ軸 SHIFT事業 最大5億円・1/3 SII省エネ補助金 最大30億円 Q3. 複数拠点・サプライチェーン横断? (道独自の「面的取組」要件) Yes No 北海道独自補助 最大1,000万円・1/2 Q4. 所在地 は? 苫小牧 室蘭 小樽 苫小牧市補助金 最大100万円 室蘭市補助金 最大22.5万円 小樽市補助金 最大100万円 どの制度も「同一経費の重複補助」は不可 ただし、異なる設備・異なる事業所であれば複数制度の併用は可能 「設備A→国の補助、設備B→道の補助、診断→市の補助」のような組み合わせを検討

図:北海道企業向け 補助金タイプ別 選択フローチャート

① 規模別の使い分けの目安

投資規模第一候補補完的に使える制度
数億円〜数十億円SII省エネ補助金(工場・事業場型)SHIFT事業(CO2削減軸の場合)
数千万円〜1億円SII省エネ補助金(設備単位型)SHIFT事業/北海道独自補助(面的取組の場合)
500万〜2,000万円北海道独自補助/SII設備単位型市町村補助金(補完)
30万〜500万円市町村補助金(苫小牧・室蘭・小樽)SII設備単位型(30万円下限あり)

9. 申請を成功させる4つの共通ポイント

6つの補助金には個別のルールがありますが、申請を成功させるための共通の留意点があります。これらは制度を問わず重要なポイントです。

1
交付決定前の発注・契約は補助対象外
すべての補助金で共通する大原則です。「先に工事を始めてしまった」というケースは毎年見られますが、その費用は補助対象外になります。必ず交付決定通知を受けてから設備の発注・契約を行ってください。
2
省エネ効果の客観的な算出根拠を準備する
SII補助金は省エネ量・省エネ率、SHIFT事業はCO2削減量、北海道独自補助は年率20%削減、市町村補助金もCO2削減率20〜30%以上が要件です。カタログ値や省エネ診断結果に基づく定量的な算出資料を、申請段階で準備しておく必要があります。
3
事業完了期限と複数年度対応の確認
多くの補助金は単年度(その年度の1〜2月末まで)に工事完了が求められます。SHIFT事業の改修支援は3カ年以内、SII工場・事業場型も複数年度対応がありますが、適用要件があります。工事規模に合わせた制度選びが重要です。
4
事業完了後の報告義務を見越した社内体制づくり
北海道独自補助は5年間、苫小牧市は2年間、SHIFT事業も実施状況報告が求められます。小樽市の補助金は事業完了後の手続きが比較的簡素ですが、いずれにしても「補助金を受け取ったら終わり」ではなく、報告体制を社内に整えておくことが重要です。
重要 公募期間の短さに注意

2026年度の主要補助金の多くが、2026年4月〜6月の短期間に集中して公募されています。SII(4/27締切)、SHIFT事業(5/13・6/10締切)、北海道独自補助(6/12締切)、室蘭市(5/22締切)、小樽市(5/7開始)と、わずか1〜2か月の間に書類準備・申請を行う必要があります。早めの準備着手が成否を分けます。

10. 北海道の事業者にとってのポイント

北海道 寒冷地企業ならではの補助金活用ポイント

■ 灯油・重油ボイラーの電化・燃料転換は最大のチャンス
北海道では、灯油ボイラー・重油ボイラーを使用している工場・事業場がまだ多く残っています。これらをヒートポンプや高効率ガス・電気ボイラーに転換する取組は、SHIFT事業(CO2削減)・SII電化脱炭素燃転型・道独自補助のいずれにも適合しやすく、削減効果(金額・CO2量)も大きく出ます。「いつかやるべき」を「2026年度にやる」に切り替える絶好の機会です。具体的な工事内容はボイラー工事燃料転換工事のページもご参照ください。

■ 複数拠点を持つ企業はコンソーシアム/面的取組を検討
道内に複数の拠点を持つ企業や、グループ会社・取引先と連携できる企業は、北海道独自補助の「面的取組」を検討する価値があります。コンソーシアム申請で上限額が500万円→1,000万円に拡大されるインパクトは大きく、サプライチェーン全体での脱炭素化にもつながります。

■ 苫小牧市・室蘭市・小樽市の事業者はまず市の補助金を活用
苫小牧市・室蘭市・小樽市に所在する中小企業は、まず市の補助金を活用する方が手続きが簡便で着手しやすい場合があります。市の補助金で対応しきれない大規模工事については、国・道の補助金を別途検討する2段階のアプローチが有効です。

■ 省エネ診断は「補助金活用への入口」
苫小牧市・室蘭市・小樽市の補助金では省エネ診断が必須要件、北海道独自補助でも審査優遇の対象、SII・SHIFT事業でも省エネ効果の根拠資料として有効に機能します。診断は単なる手続きではなく、自社のエネルギー使用実態を客観的に把握し、設備更新の優先順位を判断する貴重な機会です。まだ受診していない事業者は、ここから着手するのが王道です。当社の省エネ診断サービスもご活用ください。

11. よくある質問(FAQ)

Q1. 国・道・市の補助金は併用できますか?

A. 同一経費に対する重複補助は原則認められません。ただし、異なる設備・異なる事業所であれば、複数制度の併用が可能な場合があります。たとえば「A拠点のLED工事は市の補助金、B拠点のボイラー更新は国の補助金」といった組み合わせです。事前に各事務局に確認することをおすすめします。

Q2. どの補助金から検討するのが効率的ですか?

A. 投資規模で大別するのが効率的です。数千万円以上の大規模改修なら国(SII・SHIFT事業)、500万〜1,000万円規模で複数拠点なら北海道独自補助、500万円未満で苫小牧市・室蘭市・小樽市内なら市の補助金が第一候補です。事業規模に応じてあたりをつけ、各制度の要件確認に進むとスムーズです。

Q3. 省エネ診断はどの機関で受けられますか?

A. 主な実施機関は、一般財団法人 省エネルギーセンター(省エネ最適化診断)と、SII認定の省エネ診断機関(ウォークスルー診断・IT診断・伴走支援)です。市町村補助金や北海道独自補助では、これら機関の診断結果が前提条件・審査優遇の対象となるため、補助金活用の前段階として早めの受診が有効です。

Q4. 申請書類の準備にはどれくらいの期間が必要ですか?

A. 制度や事業規模によりますが、目安として、市町村補助金で2〜3週間、北海道独自補助で1〜2か月、SII・SHIFT事業の本格申請で2〜3か月程度の準備期間が必要です。CO2排出量算定や省エネ計算、見積取得、社内承認など複数の作業が並行して発生するため、公募開始前から準備を始めるのが理想的です。

Q5. 補助金が不採択だった場合の備えは?

A. SII・SHIFT事業は2次公募が予定されているため、1次で不採択でも再挑戦できます。北海道独自補助は単年度の1回公募が基本です。市町村補助金は予算到達で受付終了となるため、予算上の不採択リスクがあります。複数の制度を「本命+滑り止め」の発想で組み合わせて検討するのが現実的です。当社の省エネ補助金技術支援では、こうした複数制度の組み合わせ設計もご相談いただけます。

12. まとめ|2026年度は北海道企業にとって省エネ投資の好機

2026年度は、北海道の事業者が活用できる省エネ・脱炭素関連の補助金が、国・道・市の各レベルで充実しています。本記事で取り上げた6制度の要点を整理すると、次のとおりです。

制度こんな企業におすすめ
SII 省エネ・非化石転換補助金大規模な省エネ改修・指定設備の更新を検討する事業者
SHIFT事業(環境省)電化・燃料転換でCO2を大幅削減したい事業者/DXによる見える化から始めたい事業者
北海道独自補助複数拠点・グループ会社・サプライチェーンで面的に取り組む事業者
苫小牧市補助金苫小牧市内の中小企業で、空調・LED・ボイラー等の更新を検討する事業者
室蘭市補助金室蘭市内の中小企業で、まず省エネ診断から取り組みたい事業者
小樽市補助金小樽市内の中小企業で、省エネ診断結果に基づく設備更新を検討する事業者

多くの制度が2026年4月〜6月に公募が集中しているため、検討開始は「今すぐ」が答えになります。自社のエネルギー使用実態を整理し、どの制度に向いているかのあたりをつけて、書類準備に着手することをおすすめします。

各制度の詳細は、本記事内で紹介した個別の解説記事をご覧ください。それぞれ補助率・上限額・対象設備・申請書類の詳細をまとめています。北海道企業の省エネ補助金活用に関するご相談は、省エネ補助金技術支援のページをご参照ください。

記事情報
公開日:2026年4月30日
参照資料:
・SII(環境共創イニシアチブ)「令和7年度補正予算 省エネ・非化石転換補助金」公式サイト
・環境省「令和7年度補正予算 SHIFT事業」報道発表資料、温室効果ガス審査協会公式サイト
・北海道経済部GX推進局GX推進課「令和8年度 省エネルギー設備導入支援事業費補助金」公募資料
・苫小牧市「ゼロカーボン推進補助金」公式ページ・交付要綱
・公益財団法人室蘭テクノセンター「中小企業カーボンニュートラル促進支援事業」公募資料
・小樽市産業港湾部産業振興課「中小企業等省エネ推進補助金」公式ページ・交付要綱
※本記事は上記資料に基づいて作成しています。最新情報および詳細条件は各公式サイト・公募要領をご確認ください。補助制度の内容は予告なく変更されることがあります。