エアコン2027年問題とは?いつ買う?補助金・業務用への影響【北海道】

「エアコン2027年問題」とは、家庭用エアコン(ルームエアコン)の省エネ基準が2027年度から引き上げられることを指す言葉です。省エネ法のトップランナー制度で、壁掛け形は2027年度、壁掛け形以外とマルチタイプは2029年度から新しい目標基準値になります。一方、店舗や事務所で使う業務用パッケージエアコンは別の区分で、2026年10月27日時点で2027年度から基準が変わるという公表はありません。

「2027年から安いエアコンが買えなくなる」という話もよく聞きます。ただし、トップランナー制度はメーカー・輸入事業者に向けた目標で、お店での販売や、設置済みのエアコンの使用を禁止する仕組みではありません。一方で、室内機がコンパクトな機種(寸法規定タイプ)に認められていた低めの基準がなくなるため、メーカーが低価格帯の機種を見直す可能性はあります(推測)。

この記事では、資源エネルギー庁の公表資料と省エネ法の条文をもとに、何がいつ変わるのか、業務用エアコンとの違い、北海道で関係する寒冷地仕様の基準、冷媒の規制、2026年10月27日時点で受付中の補助金を、北海道の法人向けに整理します。

この記事でわかること
・エアコン2027年問題の中身(対象・目標年度・新しい基準値)
・「買えなくなる」「値上がりする」と言われる理由と、制度上の正しい位置づけ
・業務用エアコンは対象が別であることと、自社の機器の見分け方
・北海道に関係する寒冷地仕様の基準と、冷媒(キガリ改正・フロン排出抑制法)の動き
・2026年10月27日時点で受付中・終了済みのエアコン関係の補助金

更新履歴

  • 2026年10月27日:全面改訂。新しい目標基準値(区分ごとの数値)と目標年度、省エネ法上の位置づけ(勧告・公表・命令)、業務用エアコンとの違い、寒冷地仕様、冷媒の削減スケジュール、2026年10月27日時点の補助金の受付状況を追記。根拠を確認できない記述を削除
  • 2025年12月18日:初版公開

1. エアコン2027年問題とは:何が、いつ変わるのか

エアコンは、省エネ法(エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律)のトップランナー制度の対象機器です。国は機器ごとに省エネ性能の目標(目標基準値)と目標年度を決め、メーカー・輸入事業者はその目標の達成を求められます。

家庭用エアコンの新しい目標基準値は、2022年5月31日の経済産業省告示で定められ、2022年6月1日に施行されました。目標年度は、壁掛け形が2027年度(2027年4月1日〜2028年3月31日)、壁掛け形以外とマルチタイプが2029年度(2029年4月1日〜2030年3月31日)です。つまり「2027年問題」の「2027」は暦年ではなく年度です。

区分 対象 新しい目標年度 それまでの基準
家庭用:壁掛け形(直吹き) 一般的なルームエアコン 2027年度以降 2010年度以降の基準(2026年度まで)
家庭用:壁掛け形以外・マルチタイプ 壁掛け形以外の直吹き形と、室内機を個別制御するマルチタイプ 2029年度以降 2012年度以降の基準(2028年度まで)など
業務用 店舗・オフィス用のパッケージエアコンなど 変更の公表なし 2015年度以降の基準

表:エアコンのトップランナー基準の区分と目標年度(資源エネルギー庁「トップランナー制度 エアコンディショナー」より。2026年10月27日時点で確認)

新しい基準は、通年エネルギー消費効率(APF)で決められています。APFは1年間の冷暖房に必要な能力を消費電力量で割った値で、数字が大きいほど省エネです。家庭用の新基準はJIS C 9612:2013の方法で算出します。APFとCOPの違いや読み方は「COPとAPFの違いとは?エアコンの省エネ性能の見方をわかりやすく解説」で解説しています。

壁掛け形の新しい目標基準値(2027年度から)

区分 冷房能力 寒冷地仕様以外 寒冷地仕様
Ⅰ・Ⅱ 2.8kW以下 APF 6.6 APF 6.2
Ⅲ・Ⅳ 2.8kW超28.0kW以下 6.84−0.210×(冷房能力−2.8)
上限6.6・下限5.3
6.44−0.210×(冷房能力−2.8)
上限6.2・下限4.9

表:家庭用・壁掛け形の2027年度目標基準値(資源エネルギー庁「トップランナー制度 エアコンディショナー」より)

壁掛け形以外は、冷房能力3.2kW以下が5.4、3.2kW超4.0kW以下が5.0、4.0kW超28.0kW以下が4.5です。室内機を個別制御するマルチタイプは、7.1kW以下が5.6、7.1kW超28.0kW以下が5.5です。こちらは2029年度からの基準です。

経済産業省の審議会の資料(2022年1月)では、新製品の開発には通常2〜3年かかるため、告示の施行年度(2022年度)から開発2回分の5年後を壁掛け形の目標年度にした、と説明されています。壁掛け形以外とマルチタイプは、機種が多品種少量で同時期の開発が難しいことから、2029年度とされました。

2. 「2027年に安いエアコンが買えなくなる」は本当か

結論から言うと、2027年度になった瞬間に、基準に届かない機種の販売や使用が禁止されるわけではありません。制度の仕組みを順に確認します。

トップランナー制度は「メーカーへの目標」

省エネ法の第149条は、国が機器ごとに「製造事業者等の判断の基準」を定めて公表すると定めています。第150条は、性能の向上を相当程度行う必要があるときに、国がメーカー・輸入事業者に勧告でき、従わなければ公表でき、正当な理由なく措置をとらず、エネルギーの使用の合理化を著しく害すると認めるときは命令できると定めています。命令に違反すると100万円以下の罰金です(第174条)。

1
国が目標基準値と目標年度を公表(第149条)
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2
目標年度にメーカー・輸入事業者ごとに達成状況を判定(出荷台数で加重した平均)
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3
性能の向上が相当程度必要な場合は勧告→公表→命令(第150条)。命令違反は罰金(第174条)

図:トップランナー制度の流れ(省エネ法 第149条・第150条・第174条、資源エネルギー庁の公表資料より)

達成の判定は、1台ずつではありません。メーカー・輸入事業者が区分ごとに出荷した機器のAPFを、出荷台数で加重して調和平均した値が基準値を下回らないかで判定します。勧告・命令の対象は、国内向けの年間の生産量または輸入量が500台以上の事業者です。さらに、一部の区分が未達成でも、各区分のAPFを出荷台数で加重して調和平均した値が、各区分の目標基準値を同じく加重して調和平均した値を下回らなければ、未達成の区分も基準を下回らない区分とみなせる特例があります(2027年度・2028年度は、区分Ⅰ〜Ⅳ(壁掛け形)の範囲で判定)。

なぜ「安い機種が減る」と言われるのか

理由の一つは、小型の室内機に認められていた低めの基準がなくなることです。2026年度までの基準では、冷房能力4.0kW以下の壁掛け形を、室内機の大きさで「寸法規定タイプ」(横幅800mm以下かつ高さ295mm以下)と「寸法フリータイプ」に分けていました。2027年度の基準では、この寸法による区分がありません。

冷房能力 2026年度までの基準
(寸法規定タイプ)
2026年度までの基準
(寸法フリータイプ)
2027年度の基準
(寒冷地仕様以外)
2027年度の基準
(寒冷地仕様)
2.8kW 5.8(3.2kW以下) 6.6(3.2kW以下) 6.6 6.2
4.0kW 4.9(3.2kW超4.0kW以下) 6.0(3.2kW超4.0kW以下) 6.6(算定式の6.588を小数第1位に四捨五入) 6.2(算定式の6.188を小数第1位に四捨五入)

表:壁掛け形の基準値の比較(資源エネルギー庁「トップランナー制度 エアコンディショナー」の表から作成。4.0kWの新基準は、算定式 6.84−0.210×(4.0−2.8)=6.588(寒冷地仕様は 6.44−0.210×(4.0−2.8)=6.188)を、同ページの注記どおり小数点以下2桁で四捨五入した値)

室内機がコンパクトな機種は、基準値が5.8や4.9から6.6(寒冷地仕様は6.2)に上がります。こうした機種で新しい基準を満たすには性能の向上が必要で、その分のコストが価格に反映されたり、メーカーが低価格帯の品ぞろえを見直したりする可能性があります。ただし、値上がりの幅や時期について、国の公表資料に予測は見当たりません。価格への影響は推測の域を出ない点に注意してください。

重要 次の言い方は、制度の説明としては正確ではありません

・「2027年4月から、基準未達のエアコンは販売禁止になる」:省エネ法の規定は、メーカー・輸入事業者への勧告・公表・命令の仕組みです。販売店での販売を禁止する規定ではありません。
・「今使っているエアコンが2027年から使えなくなる」:設置済みのエアコンの使用を止める規定はありません。
・「業務用エアコンも2027年から基準が厳しくなる」:2026年10月27日時点で、業務用の目標年度は2015年度以降のままです。

3. 業務用エアコンは対象が別:法人が最初に確認すること

トップランナー制度では、家庭用と業務用で区分も測定方法も違います。業務用はJIS B 8616(2006)の方法でAPFを求め、目標年度は2015年度以降です。四方向カセット形、マルチタイプ、床置きのダクト接続形などの形態と冷房能力ごとに基準値が決まっています。資源エネルギー庁のページでは、業務用について2027年度から新しい基準が始まるという記載はありません(2026年10月27日確認)。

注意したいのは、事務所や店舗にルームエアコンを付けているケースです。環境省・経済産業省のフロン排出抑制法の資料では、「業務用」とは製造メーカーが業務用として製造・輸入している機器を指し、事業で使っていても家庭用として販売されている機器がある、と説明しています。トップランナー制度でも、ルームエアコンとして販売される機器は家庭用の区分で扱われると考えられます(推測)。

確認すること ルームエアコン(家庭用) パッケージエアコン(業務用)
2027年度・2029年度の新基準 関係する(壁掛け形は2027年度) 関係しない(2015年度以降の基準)
フロン排出抑制法の点検義務 第一種特定製品に含まれない 第一種特定製品として簡易点検・定期点検が必要
国(SII)の設備単位型補助金 対象範囲に挙がっていない 高効率空調として対象(要件あり)

表:家庭用と業務用で変わる主なポイント(資源エネルギー庁「トップランナー制度 エアコンディショナー」、環境省・経済産業省「フロン排出抑制法の概要(機器ユーザー編)」、SII「公募要領<4次公募用>」より)

業務用かどうかは、機器に貼られたステッカーなどで確認できます。迷う場合はメーカーに確認してください。家庭用と業務用の違い全般は「業務用エアコンと家庭用エアコンの違い|事務所に家庭用はOK?【北海道】」で整理しています。

4. 北海道で関係する「寒冷地仕様」の基準

北海道 2027年度の基準では、寒冷地仕様に別の基準値がある

2027年度の壁掛け形の基準は、寒冷地仕様とそれ以外で分かれています。冷房能力2.8kW以下なら、寒冷地仕様以外がAPF6.6、寒冷地仕様がAPF6.2です。寒冷地仕様は暖房能力を高くするぶんAPFが下がる傾向があるため、別の基準値になっています。

「寒冷地仕様」は、建築物省エネ基準の地域区分で1〜4地域での使用を想定し、次の3つをすべて満たすものです。①積雪・低温による故障を防ぐ設計・製造であること、②暖房極低温(−7℃)で定格暖房標準能力以上を出せること、③寒冷地の最低外気温度(−15℃以下)で、JIS B 8615-1の運転性能の要求を満たすこと。

経済産業省の審議会の資料(2022年1月)では、寒冷地の区分を設ける理由として、北海道・東北の寒冷地域のエアコン普及率が59%で、全体の91%より低いこと(2020年のデータ)を挙げています。ガスや石油の直接燃焼の暖房より省エネ効率のよいエアコンを、寒冷地で普及させる必要があるという考え方です。

店頭やカタログでは、統一省エネラベルを見ると比べやすくなります。2022年10月からのラベルには、2027年度を目標年度とした省エネ基準達成率が表示され、寒冷地仕様の製品には「寒冷地仕様」と明記されています。暖房をエアコンでまかなう事務所や店舗では、寒冷地仕様かどうかと、その区分での達成率をあわせて確認すると判断しやすくなります。寒冷地エアコンの特徴は「寒冷地エアコンとは?普通のエアコンとの違い・デメリット・必要なケース【北海道】」で解説しています。

5. いつ買う?法人の更新判断の考え方

「2027年度の前に買うべきか、待つべきか」に、全員に共通する正解はありません。国の資料には価格の見通しがないため、価格の予想ではなく、自社の機器の状態と制度のスケジュールで判断するのが現実的です。

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機器の一覧を作る:設置場所、メーカー・型番、設置年、冷媒の種類(銘板に記載)、故障や効きの悪さの履歴
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2
家庭用か業務用かを分ける:2027年度の基準が関係するのはルームエアコン。業務用はフロン排出抑制法の点検と補助金の確認が中心
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3
急ぐ機器を決める:止まると営業に響く場所、故障が続く機器、冷媒にR22(HCFC)を使う古い機器
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4
補助金の公募時期と工事時期を合わせる:交付決定前に発注すると対象外になる制度が多い

図:法人のエアコン更新を判断する順番

冷媒にR22を使う機器は、優先度を上げて検討する価値があります。メーカー(ダイキン工業)は、R22は2020年に実質全廃となり、冷媒の入手困難や価格高騰で、故障時の修理が難しくなる場合があると案内しています。

反対に、まだ新しく調子もよい業務用エアコンを「2027年問題」を理由に前倒しで替える必要はありません。業務用は2027年度の基準変更の対象外だからです。修理と交換の分かれ目は「【北海道の企業向け】急な「業務用エアコン故障」で慌てないために。修理と交換、判断の分かれ目は?」、耐用年数の考え方は「業務用エアコンの耐用年数|6・13・15年の違いと交換時期【北海道】」で整理しています。

6. 冷媒の動き:キガリ改正とフロン排出抑制法

「2027年問題」とは別に、冷媒(熱を運ぶガス)の規制も進んでいます。省エネ基準の話と混同しないように整理します。

キガリ改正によるHFCの段階的な削減

モントリオール議定書のキガリ改正は、2016年10月にルワンダのキガリで開かれた第28回締約国会議で採択されました。代替フロン(HFC)の生産量と消費量を段階的に減らす内容で、日本を含む先進国のスケジュールは次のとおりです。

年 2019年 2024年 2029年 2034年 2036年
基準値からの削減 10% 40% 70% 80% 85%

表:先進国のHFC生産量・消費量の削減スケジュール(基準値は2011〜2013年のHFCの平均とHCFC基準値の15%の合計。CO2換算。経済産業省の資料「モントリオール議定書第28回締約国会議 HFCに係る議定書改正(キガリ改正)の採択等」より)

削減の対象はHFCの生産量と消費量です。すでに設置されている機器の使用を直接止めるものではありません。ただし、将来の補充用冷媒の価格や入手のしやすさに影響が出るかどうかは、現時点では予測できません(推測)。

業務用エアコンの管理者に課される点検

業務用エアコンは、フロン排出抑制法の「第一種特定製品」です。所有者などの管理者には、次の点検が求められています。家庭用ルームエアコンは第一種特定製品に含まれません。

点検 対象 頻度
簡易点検 すべての機器 3か月に1回以上
定期点検 エアコン:圧縮機の電動機の定格出力50kW以上 1年に1回以上
エアコン:定格出力7.5kW以上50kW未満 3年に1回以上

表:フロン排出抑制法の管理者の点検(環境省・経済産業省「フロン排出抑制法の概要(機器ユーザー編)」より)

あわせて、フロン類の算定漏えい量が年間1,000t-CO2以上になった場合は国への報告が必要です。点検の進め方と罰則は「業務用エアコンの3ヶ月点検義務|フロン排出抑制法と罰則を解説|北海道企業向け」で解説しています。

7. エアコン更新に使える補助金(2026年10月27日時点)

「エアコン2027年問題」を名目にした国の専用の補助金は、今回確認した範囲では見当たりませんでした。法人がエアコンの更新で使える主な制度と、2026年10月27日時点の受付状況は次のとおりです。国(SII)と札幌市の制度は、どちらも締切が10月30日17時必着です。

制度 エアコンの扱い 補助率・上限 受付状況(2026年10月27日時点)
国(SII)省エネ・非化石転換補助金 設備単位型[従来枠] 高効率空調(業務用パッケージエアコン、GHPなど)への更新。省エネ率10%以上などの要件あり。補助対象は設備費のみ 1/3以内・上限1億円・下限30万円 4次公募:10月5日〜10月30日17時必着。交付決定は12月下旬予定、事業は原則2027年1月31日までに完了
国(SII)省エネ・非化石転換補助金 GX設備単位型[トップ性能枠] SIIが公表する「トップ性能設備」への更新・新設。空調で対象になるのは、トップランナー基準の達成率が店舗用111%以上・ビル用109%以上・設備用107%以上で、AIを活用した制御システムを導入する電気式パッケージエアコンのみ(GHPなどは高効率空調の区分に挙がっていない)。更新は省エネ率10%以上などの要件あり。補助対象は設備費のみ 1/2以内・上限3億円・下限30万円 4次公募:従来枠と同じく10月5日〜10月30日17時必着
札幌市 製造業省エネルギー設備導入補助金 札幌市内に本社と製造拠点がある中小製造業などが対象。高効率空調への更新(年率10%以上の削減)。新規導入は対象外 3/4・上限500万円(設備費・設計費・工事費) 7月6日〜10月30日17時必着(先着順。予算に達した時点で終了。9月30日時点で申請額は予算の約70%)。令和9年1月5日までに納品・支払いを終える必要あり
北海道 省エネルギー設備導入支援事業費補助金 道内の複数の建物・エリアで面的に行う事業、またはサプライチェーンの複数事業者による事業。年率20%以上の削減。新設・増設は対象外 1/2以内・上限500万円(コンソーシアム1,000万円) 令和8年度は4月22日〜6月12日で終了
みらいエコ住宅2026事業(住宅のリフォーム) 高効率エアコンは補助対象工事の一つ。ただし、1つの居室で決められた組み合わせの省エネ改修(要件化工事)を行うことが前提。店舗・施設など住宅以外の用途は対象外。対象は平成28年(2016年)12月31日以前に新築された住宅 工事内容ごとに定める額の合計(高効率エアコンは1箇所52,000円) 交付申請の予約は遅くとも2026年11月16日まで、交付申請は遅くとも12月31日まで。工事着手は2025年11月28日〜2026年12月31日(いずれも予算上限に達した時点で終了)。リフォームの予算に対する申請額は11%(10月27日0時時点)

表:エアコン更新に関係する主な補助金(SII「公募要領<4次公募用>」、札幌市「製造業省エネルギー設備導入補助金」と同補助金の専用サイト、北海道「令和8年度 省エネルギー設備導入支援事業費補助金」、みらいエコ住宅2026事業 公式サイトより)

重要 交付決定の前に発注しない

国(SII)の設備単位型は、交付決定の通知前に発注などを済ませた事業は補助の対象になりません。契約・発注は交付決定日以降に行う決まりです。見積りの取得(原則3者以上)は、2026年3月25日以降の発行日であれば交付決定前でも有効とされています。

このほかの道内の市町村の制度や、業種別の制度は「札幌・北海道の業務用エアコン補助金【2026年10月最新】国・道・市の制度まとめ」で整理しています。

8. よくある失敗・注意点

家庭用の話を、そのまま業務用に当てはめる

2027年度の新基準は家庭用の区分の話です。店舗や事務所のパッケージエアコンまで「2027年までに替えないといけない」と考えて、急いで発注する必要はありません。

締切の直前に補助金を調べ始める

国(SII)の設備単位型には、見積りの取得や省エネ量の計算が必要です。交付決定の前に発注すると対象外になるため、更新の計画は公募時期から逆算して立てます。

住宅向けの補助金を事業所で使おうとする

みらいエコ住宅2026事業は住宅のリフォームが対象で、店舗や施設など住宅以外の用途の部分は対象外です。事務所のエアコンは、事業者向けの制度で確認します。

寒冷地仕様かどうかを確認せずに比べる

寒冷地仕様と一般の機種は、基準値も区分も違います。暖房に使う場合は、同じ区分どうしで省エネ基準達成率を比べてください。

9. よくある質問(FAQ)

Q1. エアコン2027年問題とは何ですか?

A. 省エネ法のトップランナー制度で、家庭用エアコンの壁掛け形の目標基準値が2027年度から引き上げられることを指します。2.8kW以下の場合、寒冷地仕様以外はAPF6.6、寒冷地仕様はAPF6.2です。壁掛け形以外とマルチタイプは2029年度からです。

Q2. 2027年になると、基準に届かないエアコンは販売禁止になりますか?

A. 販売禁止にはなりません。トップランナー制度はメーカー・輸入事業者への目標で、出荷台数で加重した平均で達成を判定します。未達成の場合の措置は、国による勧告・公表・命令です。設置済みのエアコンが使えなくなることもありません。

Q3. 業務用エアコンも2027年から基準が変わりますか?

A. 2026年10月27日時点では、変わるという公表はありません。業務用の目標年度は2015年度以降で、APFの測定方法もJIS B 8616(2006)と家庭用とは別です。ただし、事務所や店舗に付けたルームエアコンは家庭用の区分に入ると考えられます(推測)。

Q4. エアコン2027年問題に関係する補助金はありますか?

A. 2027年問題を名目にした国の専用の補助金は、確認した範囲では見当たりません。法人の業務用エアコンの更新では、国(SII)の設備単位型(4次公募は2026年10月30日17時必着)や札幌市の製造業向け補助金(10月30日17時必着・先着順)が使える場合があります。

Q5. 結局、エアコンはいつ買うのがよいですか?

A. 価格の公的な見通しはないため、機器の状態で判断するのが現実的です。故障が続く機器、止まると営業に響く場所の機器、冷媒にR22を使う古い機器を先に検討し、補助金を使う場合は公募時期に合わせて発注時期を決めます。

10. まとめ

  • エアコン2027年問題は、家庭用エアコン(壁掛け形)のトップランナー基準が2027年度から引き上げられる話。壁掛け形以外・マルチタイプは2029年度から
  • 新基準は2.8kW以下で寒冷地仕様以外APF6.6、寒冷地仕様APF6.2。寸法規定タイプの低めの基準はなくなる
  • 制度はメーカー・輸入事業者への目標で、販売や使用の禁止ではない。価格への影響は公的な予測がなく推測の域
  • 業務用エアコンは別の区分で、2026年10月27日時点で2027年度からの変更の公表はない。ただし事務所に付けたルームエアコンは家庭用の区分に入ると考えられる(推測)
  • 冷媒はキガリ改正でHFCの生産・消費が段階的に削減中。業務用はフロン排出抑制法の点検が必要
  • 補助金は国(SII)4次公募と札幌市の製造業向けが10月30日締切。北海道の制度は6月12日で終了

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記事情報
公開日:2025年12月18日
最終更新日:2026年10月27日(全面改訂)
参照資料:
・資源エネルギー庁「トップランナー制度 エアコンディショナー」(資源エネルギー庁)
・経済産業省告示第128号(2022年5月31日)エアコンディショナーの判断の基準等の一部を改正する告示(PDF)
・総合資源エネルギー調査会 エアコンディショナー及び電気温水機器判断基準ワーキンググループ(第5回)資料2「家庭用エアコンディショナーの取りまとめ(案)」(PDF)
・e-Gov法令検索「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」(e-Gov)
・資源エネルギー庁「2022年省エネラベルガイドブック」(PDF)
・経済産業省 オゾン層保護等推進室「モントリオール議定書第28回締約国会議 HFCに係る議定書改正(キガリ改正)の採択等」(PDF)
・環境省・経済産業省「フロン排出抑制法の概要(機器ユーザー編)」(PDF)
・ダイキン工業「R22冷媒(HCFC)生産終了のお知らせ」(ダイキン工業)
・SII「令和7年度補正予算 省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)4次公募」(SII)、「公募要領<4次公募用>」(PDF)
・札幌市「製造業省エネルギー設備導入補助金」(札幌市)、同補助金 専用サイト(製造業省エネルギー設備導入補助金)
・北海道「令和8年度 省エネルギー設備導入支援事業費補助金」(北海道)
・国土交通省「みらいエコ住宅2026事業 対象要件の詳細【リフォーム】」(みらいエコ住宅2026事業)、「特定エコ住宅設備の設置」(みらいエコ住宅2026事業)
※2026年10月27日時点の情報です。補助金の受付状況は変わることがあります。最新の要件と受付状況は、各制度の公式サイト・公募要領でご確認ください。4.0kWの基準値は、公表された算定式で計算し、資源エネルギー庁のページの注記どおり小数点以下2桁を四捨五入した値です。