温水暖房に冷房を後付けする3つの方法|北海道の病院・学校・施設向け

パネルヒーターなどの温水暖房で冷房がない建物でも、冷房は後から付けられます。導入パターンは大きく3つです。暖房はボイラーのままエアコンを足す、冷水もつくれる熱源に替えてファンコイルで冷暖房する、暖房の主役もエアコンに移す、の3つです。

北海道には、ボイラーの温水で暖房し、冷房はない病院・学校・福祉施設・オフィスビルが多くあります。一方で札幌の真夏日は増えており、夏の室温への対策が欠かせなくなっています。

この記事では、温水暖房の建物に冷房を後付けする3つの導入パターンと選び方、電気容量や工事時期の注意点を解説します。既存の放熱器(パネルヒーター・ファンコイル)が冷房に使えるかの見分け方もまとめています。

この記事でわかること

  • 北海道で温水暖房の建物に冷房が必要になっている理由(札幌の真夏日の推移)
  • パネルヒーター・ファンコイルが冷房に使えるかの見分け方
  • 冷房を後付けする3つの導入パターンと、建物ごとの向き不向き
  • 電気容量・室外機・工事時期など、パターンを選ぶ5つのポイント
  • 見積もりの前にそろえておく情報のチェックリスト

1. なぜ温水暖房の建物に冷房が必要になっているのか

① 札幌の真夏日は2001〜2010年の約3倍に

札幌で最高気温30℃以上の日(真夏日)は、2021〜2025年の平均で年24.2日でした。2001〜2010年の平均は年7.7日で、約3倍に増えています。2025年は35日でした。

札幌の真夏日(最高気温30℃以上) 2001〜2010年平均 7.7日 2021年 27日 2022年 10日 2023年 30日 2024年 19日 2025年 35日 ※気象庁「過去の気象データ検索」札幌の年ごとの値をもとに作成 2001〜2010年は当社で平均を計算

図1:札幌の真夏日の日数の推移

真夏日だけでなく、最高気温25℃以上の夏日も、2025年は98日ありました。暖房を前提に建てられた北海道の建物は、断熱・気密が高く、熱がこもりやすい面もあります。冷房のない部屋では、夏の室温が下がりにくくなります。

② 北海道の学校の特別教室は、冷房設置率が全国最下位

文部科学省の調査(令和8年5月1日時点)では、北海道の公立小中学校の冷房設置率は次のとおりでした。冷房がない建物が多い北海道の状況を表す数字です。

区分全国北海道北海道の順位
普通教室99.6%92.1%47位
特別教室72.6%28.4%47位

※出典:文部科学省「公立学校施設における空調(冷房)設備の設置状況について」(令和8年7月30日公表)。順位は都道府県別の表から当社で算出しています。

北海道 温水暖房は北海道の建物の「標準装備」

ボイラーでつくった温水を配管で各部屋に送る温水暖房は、病院・学校・福祉施設・オフィスビルなどで広く使われています。暖房の性能は高い一方、冷房は想定されていないことが多いため、冷房の追加は「既存の暖房設備をどう扱うか」とセットで考える必要があります。

2. パネルヒーターやファンコイルで冷房はできる?

一般的な温水パネルヒーターは暖房専用で、そのまま冷房には使えません。ファンコイルは、機器や配管の条件がそろえば冷房に使える場合があります。まず、今ある放熱器(各部屋の暖房機器)の種類を確かめます。

放熱器の種類冷房に使えるか確認すること
温水パネルヒーター
(窓下などの板状の放熱器)
一般的な機種は使えない冷水を流すと表面が結露しますが、結露水を受けて排水する仕組みがありません。冷房に対応した専用の冷温水パネルもあるため、型番で確認します
ファンコイル(2管式)
(送風機付きの放熱器)
条件しだいで使える冷温水を季節で切り替える方式です。結露水を受けるドレンパンと排水、配管の保温があるか、冷水をつくる熱源があるかを確認します
ファンコイル(4管式)冷房前提の設計冷水用と温水用のコイルを持ち、1日の中で冷暖房を切り替えられる方式です。冷水の熱源が止まっていないかを確認します
床暖房・温水ルームヒーター一般的には使えない暖房用として設置されているものが大半です。冷房には別の設備が必要です

※2管式・4管式の区分は一般的な分類です。個々の機器が冷水に対応しているかは、銘板の型番とメーカー資料で確認してください。

注意:暖房用の配管にそのまま冷水を流さない

暖房用の配管は、熱を逃がさないための保温はされていても、結露を防ぐ前提になっていないことがあります。冷水を流すと、天井裏や壁の中の配管が結露し、水漏れや天井のしみの原因になります。また、冬に不凍液を使っている系統では、冷水を通す際の濃度や配管内の状態も確認が必要です。不凍液の管理は不凍液(ブライン)管理の記事で解説しています。

3. 温水暖房の建物に冷房を後付けする3つの導入パターン

冷房の後付けは、「新しく入れる設備に、冬の暖房をどこまで任せるか」で3つのパターンに分かれます。AとCは、どちらもエアコンの設置が中心で工事の中身は似ています。違いは、エアコンを冷房用として入れるか、主暖房として設計するかです。

A. エアコン追加型

新しく入れるもの:業務用エアコン(冷房が主目的)

冬の暖房:既存の温水暖房が主暖房のまま

工事:エアコンの設置が中心。温水暖房を使いながら工事できる場合が多い

B. 冷温水化型

新しく入れるもの:冷暖房兼用の熱源機(ヒートポンプチラーなど)

冬の暖房:ファンコイルに温水を送る(ボイラー併用も可)

工事:熱源・配管・放熱器の改修。暖房を止められる時期に行う

C. 暖房移行型

新しく入れるもの:冷暖房兼用の寒冷地向けエアコン(主暖房として設計)

冬の暖房:エアコンが主、温水暖房は補助・厳寒期用

工事:エアコンの設置が中心。暖房能力の設計が要

図2:温水暖房の建物に冷房を後付けする3つの導入パターン

パターンメリットデメリット・注意点向いている建物
A. エアコン追加型暖房設備に手を入れないため、工事の影響が小さい。部屋ごとに段階的に進められる冷房する各部屋に室内機・冷媒配管・ドレン配管が必要。室外機はマルチエアコンで集約できるが、置き場所と配管経路の確保が要る。夏はエアコン、冬はボイラーと設備が二重になるボイラーがまだ新しい建物、冷房したい部屋が限られる建物
B. 冷温水化型既存のファンコイルや配管を生かせれば、室外機の台数を抑えられる。熱源を1か所にまとめられる既存設備を流用できるかは詳しい調査しだい(次の①)。熱源や配管を改修するため、工事中は暖房にも影響するファンコイルで暖房している建物、熱源の更新時期が近い建物
C. 暖房移行型春・秋や真冬以外はエアコンで冷暖房でき、ボイラーの運転時間を減らせる建物全体の暖房負荷、低い外気温での能力、霜取り運転中の能力低下、ボイラーとの制御の分担を設計段階で確認する。電気の契約容量が大きくなりやすい部屋の広さが中規模で、ボイラーの燃料費や老朽化が課題の建物
ポイント:A(追加型)でも「冷暖房兼用機」を選ぶ選択肢

冷房専用のつもりでエアコンを付ける場合でも、冷暖房兼用機にしておくと、暖房が少しだけ欲しい春・秋はエアコンで済ませ、ボイラーを止める運用ができます。真冬は温水暖房、それ以外はエアコンという使い分けで、AとCの中間の運用になります。寒冷地向けの機種にするかどうかは寒冷地エアコンのデメリットと判断の記事を参考にしてください。

① B(冷温水化型)の熱源の選択肢

冷水をつくる熱源には、電気で動く冷暖房兼用の空冷ヒートポンプチラーや、ガスで動く吸収式冷温水機などがあります。チラーには冷房専用機もあるため、暖房にも使う場合は冷暖房兼用機を選びます。ガス焚きの方式は吸収式冷温水機の記事で解説しています。ヒートポンプの熱源で冬の暖房もまかなう場合は、外気温が低いときに出せる温水の温度と能力を確認し、ボイラーを残して併用するかを決めます。

② 既存のファンコイルや配管を流用できるかの調査項目

暖房用として使ってきたファンコイルや配管を冷房に流用できるかは、ドレンと保温の有無だけでは判断できません。次の項目を調査したうえで決めます。

調査項目確認する理由
ファンコイルの冷房能力暖房に合わせて選んだ機器は、冷房に必要な能力が足りないことがある
必要な冷水の流量とポンプ能力冷房は暖房より多くの水量を必要とすることがあり、既存のポンプで足りるかを確認する
配管の系統分け冷暖房をどの単位で切り替えるか(建物全体か、系統ごとか)で使い勝手が変わる
制御方式冷房・暖房の切替や、ボイラーと熱源機の運転の分担をどう制御するか
弁・継手を含めた保温直管だけでなく、弁や継手の部分からも結露が起きる
ドレンパンと排水経路結露水を受けて、確実に排水できるか

4. どのパターンを選ぶ?判断の5つのポイント

パターンを選ぶ決め手は、「ボイラーの更新時期」「放熱器の種類」「電気容量」「室外機の置き場所」「工事できる時期」の5つです。

ポイント確認すること判断の目安
① ボイラーの更新時期ボイラーの設置年・不具合の頻度更新が近ければB・Cも比較する。まだ新しければAが現実的
② 放熱器の種類パネルヒーターかファンコイルか(第2章)パネルヒーター中心ならA・C。ファンコイル中心ならBも候補
③ 電気容量受電の方式(低圧・高圧)、契約電力、受変電設備の容量冷房・暖房をエアコンにするほど電気の容量が必要になる
④ 室外機の置き場所屋上の荷重・地上の空き・落雪・積雪室内機が多いA・Cは、マルチエアコンでの室外機の集約と置き場所の確保が課題になりやすい
⑤ 工事できる時期建物を使いながら工事できるか、休館・休校期間熱源や配管を改修するBは暖房シーズン外に工事する。A・Cは暖房を使いながら工事できる場合がある

① 電気容量は最初に確認する

冷房を後付けすると、夏の電気の使用量と最大電力が増えます。高圧で契約電力が実績で決まる「実量制」の建物では、当月を含む過去12か月の最大デマンドで契約電力が決まります。最大デマンドとは、30分ごとの平均電力の最大値です。夏に一度でも最大デマンドが上がると、その後1年間の基本料金に影響します。

受変電設備(キュービクル)の容量が足りない場合は、変圧器の増設や更新が必要になることもあります。確認する数字はキュービクル更新前に確認すべき3つの数字の記事、低圧の動力契約は業務用エアコンの動力契約の記事で解説しています。

ポイント:空調・電気・補助金を別々に決めない

冷房の後付けでは、空調機の選定、電気の契約と受変電設備、補助金の公募時期が互いに影響します。別々に検討すると、機器を決めた後に変圧器の工事が必要とわかるといった手戻りが起きやすくなります。調査の段階で、この3つをまとめて検討することが大切です。

5. 費用はどこで差がつく?

冷房の後付けの費用は、方法と建物の条件で大きく変わります。エアコン本体の価格よりも、電気・配管・室外機まわりの工事で差がつきやすいのが特徴です。エアコン工事の一般的な費用の目安は北海道の業務用エアコン更新の費用相場にまとめています。

費用が増えやすい項目増える理由
受変電設備・電源工事冷房の負荷が新たに加わるため、契約電力の増加や変圧器の増設・更新が必要になることがある
室外機の設置場所づくり屋上の架台・荷重の確認、地上の基礎、防雪フードなど、もともと冷房のない建物では一からつくる
冷媒配管・ドレンの経路部屋数が多いと配管が長くなる。天井裏の配管ルートの確保が必要
配管の保温・放熱器の交換(Bの場合)既存配管で冷水を流すには結露対策の保温が必要。パネルヒーターは冷房用の機器への交換が必要
熱源機の設置(Bの場合)チラーなどの熱源機と、冷水・温水の切替や制御の工事が加わる
ポイント:補助金は「冷房の新設」を対象にしたものがある

省エネ補助金の多くは「既存設備の更新」を対象としており、冷房の新設は対象外になりやすい点に注意が必要です。一方で、冷房の新設を支援する制度もあります。北海道の介護施設向けの制度は介護施設のエアコン新設の記事、私立学校向けの制度は私立学校施設整備費補助金の記事で取り上げています。多くの制度は交付決定前の発注を対象外としているため、契約の前に確認が必要です。

6. 冷房の後付け工事はいつ、どう進める?

A・Cは、既存の温水暖房設備を残したままエアコンを設置できる場合があります。Bのように熱源や配管を改修する場合は、暖房を止められる時期に工事します。夏に間に合わせたいなら、検討は前年の秋から冬に始めるのが現実的です。

1
現地調査とパターンの決定(秋〜冬)
放熱器の種類、ボイラーの状態、電気容量、室外機の置き場所を確認し、A・B・Cのどれにするかを決めます。
▼
2
電気の契約・受変電設備の手配
契約電力の変更や変圧器の工事が必要な場合は、電気主任技術者や電力会社との調整に時間がかかります。
▼
3
補助金の確認・申請(使う場合)
公募の時期と交付決定の時期を確認し、発注のタイミングを合わせます。
▼
4
工事(暖房に影響しない時期に)
Bは暖房を止められる春や秋に、熱源・配管の工事を行います。A・Cは温水暖房を使いながらエアコンを設置できる場合があります。学校は長期休業、病院・施設は部屋ごとの順番で進めます。
▼
5
試運転と運用ルールづくり
冷房の試運転に加え、冷房と暖房の切替時期、ボイラーとエアコンの使い分けを決めておきます。
北海道 冷房工事は夏前に集中する

北海道新聞(2026年5月)は、道内でエアコン需要が高まる一方、取り付け業者の人手不足で設置作業が需要に追いつかない恐れがあると報じています。夏の直前に動き始めると、工事の日程が取れないことがあります。建物単位の工事は、余裕を持った計画が必要です。

7. 見積もりの前にそろえておく情報

次の情報がそろっていると、パターンの比較と見積もりが進めやすくなります。写真はスマートフォンで撮ったもので十分です。

確認そろえる情報使い道
□各部屋の放熱器の写真と型番(パネルヒーター・ファンコイル)冷房に使えるか、パターンBが候補になるかを判断する
□ボイラーの銘板の写真(型番・設置年)と燃料熱源の更新時期とパターンB・Cの検討
□冷房したい部屋の一覧(広さ・天井高・用途・人数)必要な冷房能力と台数を決める
□電気の請求書12か月分(契約種別・契約電力・最大デマンド)電気容量と基本料金の変化を確認する
□受変電設備(キュービクル)の銘板・点検報告書変圧器の容量に余裕があるかを確認する
□建物の図面(平面図・設備図があれば)配管ルートと室外機の置き場所を検討する
□屋上・外構の写真(冬の積雪状況がわかるもの)室外機の置き場所と雪対策を検討する

8. 冷房の後付けでよくある失敗5つ

失敗1:パネルヒーターに冷水を流せば冷房できると考える

一般的なパネルヒーターは暖房専用です。冷水を流すと結露して水が垂れます。冷房に使えるかは、放熱器の型番で確認します。

失敗2:保温していない配管に冷水を流し、天井裏で水漏れする

ファンコイルが冷水に対応していても、配管に結露対策の保温がないと、天井裏や壁内で水が出ます。B(冷温水化型)を選ぶ場合は、配管の保温状態の調査を先に行います。

失敗3:電気容量を確認せずに機器を決める

部屋数分のエアコンを決めてから、受変電設備の容量不足がわかるケースです。契約電力の増加や変圧器の工事で、費用と工期が大きく変わります。

失敗4:室外機を雪の影響を受ける場所に置く

もともと冷房のない建物では、室外機の置き場所が想定されていません。落雪や吹きだまりの場所に置くと、冬に暖房兼用で使うときに止まる原因になります。置き場所の考え方は業務用エアコン設置のチェックリストで解説しています。

失敗5:夏の直前に動き始め、その夏に間に合わない

建物単位の冷房工事は、調査・電気の手配・補助金・工事で数か月かかることがあります。夏前は工事も混み合うため、秋から冬に検討を始めます。

9. 北海道の事業者にとってのポイント

北海道 温水暖房の建物に冷房を足すときのポイント

■ 冷房は「暖房設備をどう扱うか」とセットで決める
北海道の建物は暖房設備が主役です。ボイラーをあと何年使うのかを決めてから、A・B・Cのどれにするかを選ぶと、二重投資を避けやすくなります。

■ 冷房の新設は、将来の熱源更新とあわせて計画する
今はAで冷房だけを足し、ボイラーの更新時にBやCへ移る、という段階的な計画も現実的です。そのためにも、室外機の置き場所や電気容量に将来分の余裕を見ておくと、二度手間を防げます。

■ 暖房兼用のエアコンは春・秋の燃料費にも効く
冷暖房兼用のエアコンを選べば、暖房が少しだけ欲しい時期はエアコンで済ませ、ボイラーの運転を減らせます。灯油や重油と電気のどちらが安いかは、熱量単価の比較記事の方法で計算できます。

■ 室外機の置き場所は、冬の雪から逆算する
冷房だけのつもりでも、暖房兼用で使うなら冬の運転が前提になります。屋上・地上のどちらに置くかは、落雪・吹きだまり・除雪の動線から決めます。

■ 旭川・帯広など内陸部は、暖房への移行(C)に慎重に
札幌より冬の冷え込みが厳しい地域では、エアコンを主暖房にするCは、低い外気温での暖房能力の確認がより重要です。A(追加型)やボイラーとの併用から始める選択肢もあります。

10. よくある質問(FAQ)

Q1. パネルヒーターに冷水を流して冷房できますか?

A. 一般的な温水パネルヒーターは暖房専用のため、冷房には使えません。冷水を流すと表面が結露しますが、結露水を受けて排水する仕組みがないためです。冷房に対応した専用の冷温水パネルもあるため、型番で確認します。

Q2. 既存のファンコイルは冷房に使えますか?

A. 条件しだいです。冷温水を切り替える2管式や、冷水用のコイルを持つ4管式なら冷房に使える場合があります。ただし、ドレンパンと排水、弁・継手を含めた配管の保温、冷水の熱源に加え、ファンコイルの冷房能力やポンプの能力も確認が必要です。

Q3. ボイラーを残したままエアコンを追加しても問題ありませんか?

A. 問題ありません。暖房はボイラーと温水暖房、冷房はエアコンという使い分けは、工事の影響が小さい現実的な方法です。冷暖房兼用のエアコンにすれば、春や秋はエアコンで暖房し、ボイラーの運転を減らすこともできます。

Q4. 冷房を後付けすると電気の契約はどう変わりますか?

A. 夏の最大電力が増えるため、契約電力が上がることがあります。高圧で実量制の場合は、当月を含む過去12か月の最大デマンドで契約電力が決まるため、夏の最大値がその後1年間の基本料金に影響します。受変電設備の容量も事前に確認します。

Q5. 冷房の後付け工事はいつ頼めばよいですか?

A. 夏に間に合わせるなら、前年の秋から冬に検討を始めるのが目安です。熱源や配管を改修する場合は、暖房を止められる春や秋に工事します。夏の直前は工事が混み合い、日程が取れないことがあります。

11. まとめ

  • 札幌の真夏日は2021〜2025年の平均で年24.2日と、2001〜2010年の約3倍に増えています。
  • 一般的なパネルヒーターは暖房専用で、冷房には使えません。ファンコイルは条件しだいで冷房に使えます。
  • 冷房の後付けは、A(エアコン追加型)、B(冷温水化型)、C(暖房移行型)の3つの導入パターンがあります。AとCの違いは、エアコンに冬の暖房をどこまで任せるかです。
  • 選ぶ決め手は、ボイラーの更新時期、放熱器の種類、電気容量、室外機の置き場所、工事できる時期の5つです。
  • 電気容量と受変電設備は最初に確認します。夏の最大デマンドは、その後1年間の基本料金に影響することがあります。
  • 建物単位の冷房工事は数か月かかることがあるため、夏に間に合わせるなら前年の秋から冬に検討を始めます。