FFストーブからエアコンに切り替え|北海道の費用・暖房費・工事

灯油のFFストーブ(FF式石油暖房機)は、寒冷地向けのエアコンに切り替えられます。北海道の事務所や店舗でも、冬の暖房と夏の冷房を1台でまかなえる場合があります。ただし、エアコンを付ければ終わりではありません。能力の確認、電源と電気契約、FFの撤去、灯油タンクの撤去と消防への届出まで、決めることがいくつもあります。

北海道では「冷房はなく、FFで暖房だけ」という事務所や店舗がまだ多くあります。夏の暑さが増え、灯油の価格も上がるなか、FFの更新時期をきっかけに冷暖房をまとめて見直す動きが出ています。

この記事では、札幌など北海道でFFからエアコンへ切り替える際の判断と工事の中身を解説します。暖房を止めない工事の順番や、灯油タンクの撤去手続きも取り上げます。灯油と電気のどちらが安いかの計算は、熱量単価の比較記事で詳しく扱っています。

この記事でわかること

  • FFからエアコンへの切り替え方3パターン(全面切替・併用・一部切替)
  • 寒冷地エアコンの暖房能力がFFの代わりになるかを確かめる方法
  • 灯油代と電気代はどちらが安いか(灯油1,000Lの試算例)
  • 切替工事に含まれる工事項目と、見落としやすい点
  • 冬でも暖房を止めずに切り替える工事の順番と、見積もり前にそろえる情報
  • 灯油タンクを撤去するときの消防への届出(札幌市の例)

1. FFストーブからエアコンへの切り替えとは?3つのパターン

① 一言でいうと

FFからエアコンへの切り替えとは、灯油を燃やす暖房を、電気で動くヒートポンプの冷暖房に置き換えることです。FF式は、給排気筒で屋外から空気を取り込み、燃焼した排気を屋外に出す「密閉式」の暖房機です。暖房専用のため、冷房はできません。

切り替え方は、FFをすべて撤去するかどうかで3つに分かれます。

区分内容向いている事業所灯油タンク
A. 全面切替FFをすべて撤去し、冷暖房をエアコンに一本化部屋数が少ない事務所・小規模店舗。灯油の配達や点検の手間をなくしたい撤去できる
B. 併用エアコンを主暖房にし、FFは厳寒日の補助として残す天井が高い、出入りが多いなど、エアコンだけでは不安がある店舗残る(点検・管理も継続)
C. 一部切替冷房がほしい部屋だけエアコンにし、他はFFのまま夏に暑い部屋が限られる事業所。段階的に進めたい場合残る
ポイント:決め手は「灯油タンクを残すかどうか」

BとCは、FFが1台でも残る限り、灯油の配達・タンクの点検・届出の管理が続きます。灯油まわりの手間をなくしたいならA、能力面の不安を残したくないならB、という考え方で選ぶとわかりやすくなります。暖房方式そのものの比較は暖房設備工事のページにまとめています。

2. FFストーブをエアコンに替えるタイミングはいつ?

おすすめは、FFが更新時期を迎えたときです。FFを同じものに買い替える前に、エアコンへの切り替えを比べておくと、費用を二重にかけずに済みます。

きっかけ目安・根拠
FFの使用年数経済産業省の注意喚起チラシは、FF式石油暖房機は使用8年を目安に点検・取替えを検討するよう呼びかけています
修理部品の有無メーカーの補修用部品の保有期間には限りがあります。例えばコロナは、FF式石油ヒーターの補修用性能部品の最低保有期間を製造打ち切り後7年としています
夏の暑さFFは冷房ができません。夏の室温が業務に影響している場合は、冷房の導入と暖房の更新を1回の工事にまとめられます
灯油の価格2026年は北海道の灯油価格が大きく上がっています。背景と影響額は北海道の灯油価格の解説記事で取り上げています

※出典:経済産業省「FF式石油暖房機」チラシ、株式会社コロナ 暖房機器カタログ。部品保有期間はメーカー・機種により異なります。

3. 寒冷地エアコンでFFの代わりになる?暖房能力の確かめ方

FFの代わりになるかどうかは、「真冬の外気温で、エアコンが何kWの暖房能力を出せるか」で判断します。エアコンは外の空気から熱をくみ上げるため、外気温が下がるほど暖房能力が落ちやすい機器です。

① カタログの暖房能力は「外気7℃」の値

エアコンのカタログに書かれた暖房能力は、外気温7℃の条件で示されるのが一般的です。家庭用では、外気温2℃での「低温暖房能力」もあわせて表示されています。札幌の冬は、これより寒い日が続きます。

気象庁の平年値(1991〜2020年)では、札幌の1月の日最低気温は-6.4℃、2月は-6.2℃です。これは平均であり、これより冷え込む朝も珍しくありません。旭川・帯広など内陸の都市では、さらに低い気温を想定する必要があります。

② 寒冷地向けの業務用エアコンは「-15℃」「-25℃」を見る

メーカー各社は、寒冷地向けの業務用エアコンを出しています。例えば三菱電機の「ズバ暖」設備用パッケージエアコンは、外気温-15℃でも定格の暖房能力を発揮するとしています。暖房運転は-25℃までできます。同社の標準シリーズの運転範囲は-20℃までです。ダイキンも寒冷地向けの「スゴ暖」シリーズで、-15℃でも暖房能力が変わらず、-25℃まで運転できると案内しています。

外気温と、確認したい暖房能力の目盛り 寒冷地向け機種の例:定格の暖房能力を保つ範囲 運転できる範囲 寒い 7℃ カタログの 暖房能力の条件 2℃ 家庭用の低温 暖房能力の条件 -6.4℃ 札幌 1月の 日最低気温(平年) -15℃ 寒冷地向け機種が 定格能力を示す例 -25℃ 寒冷地向け機種の 運転下限の例 ※気温は気象庁平年値(1991〜2020年)。-15℃・-25℃は三菱電機・ダイキンの寒冷地向け機種の公表値の例です

図1:カタログの条件と北海道の冬の気温の位置関係

③ FFの「最大暖房出力」とエアコンの「低温時の能力」を比べる

手元でできる確認方法は、FFの銘板やカタログにある暖房出力(kW)と、候補のエアコンの低い外気温での暖房能力(kW)を並べることです。例えばコロナのFF式温風暖房機「FF-VG35SK」の暖房出力は3.48〜1.74kWと表示されています。この最大値がひとつの目安になります。

STEP 1 FFの銘板で 最大暖房出力を確認 STEP 2 部屋の広さ・天井高・ 出入りから必要能力を検討 STEP 3 低い外気温での エアコンの能力で比較 ※FFの出力は目安です。最終的な機種選定は、建物の条件をもとにした暖房負荷の検討で決めます

図2:FFの代わりになるかを確かめる3ステップ

注意:FFの出力を「そのまま必要能力」とみなさない

FFは、部屋に対して大きめの機種が付いていることも、逆に足りずに着込んでしのいでいることもあります。FFの出力は比較の出発点にとどめてください。窓の大きさ、断熱、天井高、出入口の開閉の多さで、必要な暖房能力は変わります。

北海道 霜取り運転の時間も考えておく

エアコンは、室外機に付いた霜を溶かす「霜取り運転」の間、暖房が弱まったり止まったりします。湿った雪が多い日や冷え込む朝は回数が増えがちです。出入口の近くや人が長くとどまる席は、吹き出し位置や台数の分け方まで含めて計画します。寒冷地での暖房不良の原因は業務用エアコンの暖房が効かない原因の記事で解説しています。

4. FFからエアコンにすると灯油代は安くなる?試算例

安くなるかどうかは、エアコンの冬の平均的な効率(COP)と、灯油・電気の単価で決まります。寒冷地向けのエアコンでも、北海道の冬に必ず光熱費が下がるとは限りません。

① 灯油1,000L分の暖房をエアコンでまかなう場合の試算例

年間に灯油を1,000L使う事務所を例に、同じ熱量をエアコンでつくった場合の電気代を計算しました。単価と効率はすべて仮定値です。

項目FF(灯油)エアコン
COP 2.0
エアコン
COP 2.5
エアコン
COP 3.0
使用量灯油 1,000L約4,333kWh約3,466kWh約2,888kWh
年間の燃料費・電気代約15.9万円約15.2万円約12.1万円約10.1万円
FFとの差―約0.7万円安い約3.8万円安い約5.8万円安い

※試算例です。灯油159円/L(コープさっぽろ札幌地区の2026年10月1日以降の定期配達価格)、灯油の発熱量36.7MJ/L、FFの効率85%(仮定)、電気35円/kWh(仮定・税込の従量単価相当)で計算。電気の基本料金、FF自体の消費電力、メンテナンス費は含みません。

エアコンが安くなる目安:期間平均COP > 電気単価 ÷ 3.6 ÷(灯油単価 ÷ 36.7 ÷ FFの効率)

この試算の条件では、エアコンの期間平均COPが約1.9を上回れば、電気のほうが安くなります。カタログのCOPは外気温が高い条件の値です。北海道の冬の期間平均は、それより低くなるのが一般的です。

注意:動力の契約を新設すると基本料金が増える

建物に動力の契約がなく、業務用エアコンのために新設する場合は、毎月の基本料金が加わります。上の差額が小さい条件では、基本料金で差がなくなることもあります。自社の請求書の単価と契約内容で計算し直してください。計算方法の詳細は熱量単価の比較記事で解説しています。

ポイント:光熱費だけで判断しない

差額が小さくても、灯油の配達・残量管理・タンク点検がなくなること、夏に冷房が使えることは金額に表れにくい効果です。逆に、光熱費の削減だけで工事費を回収しようとすると、年数がかかる場合があります。

5. 切替工事には何が含まれる?工事項目チェックリスト

FFからエアコンへの切り替えは、「エアコンの設置」と「灯油設備の撤去」の2つの工事を合わせたものです。見積もりを取るときは、次の項目が入っているかを確認してください。

工事項目主な内容見落としやすい点
室外機の設置置き場所の決定、架台・基礎、防雪フード落雪・吹きだまりを避けられる位置か。除雪の手間まで考える
冷媒配管・ドレン室内機と室外機をつなぐ配管、結露水の排水屋外のドレンが凍って詰まらない経路・勾配か
電源工事分電盤からの専用回路。業務用は三相200Vが中心建物に動力(三相)の引込みがあるか。家庭用の200V機種は200Vの回路が取れるか
電気の契約動力の契約の新設・容量変更申込みから使えるまで時間がかかることがある。毎月の基本料金が増える
FFの撤去本体・給排気筒の取り外し外壁に残る給排気筒の穴をふさぎ、防水処理をする
灯油配管の撤去タンクからFFまでの送油管の取り外し屋内外の配管の中に灯油が残っている。抜き取ってから撤去する
灯油タンクの撤去残った灯油の処理、タンク・基礎の撤去容量によっては消防署への廃止の届出が必要(第7章)

室外機の置き場所の考え方は業務用エアコン設置のチェックリスト、防雪フードは防雪フードの解説で詳しく取り上げています。

① 業務用と家庭用(寒冷地ルームエアコン)のどちらにするか

小さな事務室なら、寒冷地向けの家庭用エアコンも選択肢になります。店舗の売場や広いフロアは、業務用が基本です。電源と電気契約の違いは業務用と家庭用エアコンの違いの記事、動力の契約と基本料金は業務用エアコンの動力契約の記事で解説しています。

② 費用はどこで差がつく?

工事費は、建物の条件で大きく変わります。金額の目安は北海道の業務用エアコン更新の費用相場にまとめています。FFからの切り替えでは、通常の入れ替えにはない次の費用が加わる点に注意します。

費用が増えやすい項目増える理由
電源工事・動力の引込みFFは小さな電源で動くため、エアコン用の回路や三相電源が新たに必要になることが多い
室外機の架台・防雪フードFFには室外機がないため、置き場所を一からつくる
FF・送油管・灯油タンクの撤去本体の撤去に加え、残った灯油の処理と配管の撤去が必要
外壁の補修給排気筒の穴をふさぎ、防水処理をする

6. 暖房を止めずに切り替える工事の順番

冬に工事をするなら、「エアコンを先に付けて動作を確かめ、FFは最後に撤去する」順番が基本です。FFを先に外すと、エアコンの試運転で問題が見つかったときに暖房のない日ができてしまいます。

1
現地調査と機種選定
FFの銘板・台数、部屋の条件、室外機の置き場所、分電盤と電気の契約を確認し、機種と台数を決めます。
▼
2
電源と電気契約の手配
動力の引込みや契約の変更が必要な場合は、早めに申し込みます。ここが工期を左右することがあります。
▼
3
エアコンの設置と試運転(FFは残したまま)
寒い時間帯に暖房を運転し、室温の上がり方と霜取り時の様子を確認します。
▼
4
FF・送油管の撤去と外壁の補修
給排気筒の穴をふさぎ、雨水や冷気が入らないように処理します。併用(パターンB)の場合はこの工程を省きます。
▼
5
灯油タンクの残油処理・撤去と届出
タンクの灯油を使い切るか抜き取ってから撤去し、必要に応じて消防署へ廃止の届出をします。
ポイント:灯油の注文量を工事日程に合わせる

撤去予定のタンクに満タン近くまで給油すると、残った灯油の処理に手間がかかります。切替時期が決まったら、配達の量やタイミングを販売店と調整しておくと無駄が出にくくなります。

① 見積もりの前にそろえておく情報

次の情報がそろっていると、現地調査の回数が減り、見積もりの精度も上がります。写真はスマートフォンで撮ったもので十分です。

確認そろえる情報使い道
□FFの銘板の写真(型番・暖房出力)と台数必要な暖房能力の目安にする
□部屋の広さ・天井の高さ・出入口の位置エアコンの能力と台数を決める
□直近1年分の灯油の請求書(購入量)灯油代と電気代を比べる
□電気の請求書(契約種別・契約容量)動力の有無と基本料金の変化を確認する
□分電盤の写真専用回路を増やせるかを確認する
□灯油タンクの容量・設置場所の写真撤去方法と届出の要否を判断する
□室外機を置けそうな場所の写真(冬の積雪状況がわかるもの)落雪・吹きだまりの影響を確認する

7. 灯油タンクを撤去するときの届出は?(札幌市の例)

灯油タンクの容量によっては、撤去する(灯油の貯蔵をやめる)ときにも消防署への届出が必要です。灯油は消防法上の第4類第2石油類で、指定数量は1,000リットルです。

届出が必要な量(札幌市)指定数量の5分の1以上(個人の場合は2分の1以上)、指定数量未満。灯油なら事業所で200L以上
届出の時期貯蔵を始めるときに加え、廃止するときも同様に届出が必要
届出先所轄の消防署長(札幌市は電子申請にも対応)
様式少量危険物貯蔵取扱所設置(廃止)届出書
公式ページ札幌市「少量危険物貯蔵取扱所設置(廃止)届出書」

北海道の事業所でよく使われる490型のタンクは、200L以上の規制の対象に入ります。設置時の基準は札幌市の灯油タンクの設置基準の記事で解説しています。札幌市以外の市町村では、様式や運用が異なるため、管轄の消防署に確認してください。

重要 使わないタンクを放置しない

札幌市消防局によると、令和7年中の少量危険物施設等の事故は104件で、そのうち101件が流出事故でした。流出量は合計19,893リットルです。FFを撤去したあとも灯油が入ったタンクや配管を残すと、劣化による漏えいのリスクだけが残ります。

8. FFからエアコンへの切り替えでよくある失敗5つ

失敗1:標準機種を選び、真冬に暖まらない

カタログの暖房能力(外気7℃)だけで選ぶと、真冬に能力が足りなくなることがあります。北海道で主暖房にするなら、低い外気温での暖房能力と運転できる下限の温度を確認します。

失敗2:FFを先に撤去して、暖房のない日ができる

エアコンの試運転や電源工事が遅れると、その間は暖房がありません。冬の工事は、FFを最後に撤去する順番にします。

失敗3:電源と電気契約の手配が間に合わない

動力の引込みや契約の変更が必要なのに、機器の手配だけ先に進めてしまうケースです。電源の確認は、機種選定と同時に行います。

失敗4:給排気筒の穴やタンクを残したままにする

外壁の穴から冷気や雨水が入る、使わないタンクから灯油が漏れるといった問題につながります。届出が必要な容量のタンクなら、廃止の届出も忘れずに行います。

失敗5:「灯油なら停電に強い」と思い込む

FF式は、ファンで強制的に給排気を行うため、電気がないと運転できません。停電時に使えないのはエアコンも同じです。停電への備えは、電気を使わない暖房器具や非常用電源などで別に考えます。

9. 北海道の事業者にとってのポイント

北海道 FFからエアコンへ切り替えるときのポイント

■ 札幌と内陸部では、確認する外気温が違う
札幌の1月の日最低気温は平年で-6.4℃です。旭川・帯広・北見などの内陸部は、さらに低い気温を前提に機種を選びます。複数の拠点がある企業は、拠点ごとに条件をそろえて比べてください。

■ 室外機は「雪の下にならない場所」から決める
FFは給排気筒が壁にあるだけでしたが、エアコンは屋外に室外機を置きます。落雪・吹きだまり・除雪の動線を見て、置き場所を最初に決めることが、冬の暖房停止を防ぐ近道です。

■ 工事は暖房シーズンの前後が組みやすい
冬の工事も可能ですが、積雪で搬入や室外機まわりの作業に手間がかかります。FFの更新時期が近い場合は、秋や春に工事できるよう前もって計画すると、暖房への影響を抑えられます。

■ 冷房の導入とセットで考える
冷房がない事業所にとって、FFの更新は冷房を入れる好機です。暖房だけの更新を繰り返すより、冷暖房を1回の工事でまとめるほうが、工事の手間を減らせる場合があります。

■ 補助金は公募要領で対象を確かめる
空調の更新や燃料の転換に使える補助金は、年度や公募ごとに対象設備と要件が変わります。北海道の制度は北海道の業務用エアコン補助金のまとめ記事で整理しています。多くの制度は交付決定前の発注を対象外としているため、契約の前に確認が必要です。

10. よくある質問(FAQ)

Q1. FFストーブをやめて、エアコンだけで札幌の冬を越せますか?

A. 寒冷地向けで、真冬の外気温でも必要な暖房能力が出る機種を選べば、主暖房として使えます。標準機種は低い外気温で能力が落ちるため、外気-15℃前後での暖房能力と、運転できる下限の温度を確認します。

Q2. 灯油タンクを撤去するとき、消防への届出は必要ですか?

A. 札幌市では、事業所で灯油を200L以上(指定数量の5分の1以上)貯蔵している場合、廃止するときも所轄の消防署長への届出が必要です。札幌市以外は、管轄の消防署に確認してください。

Q3. FF式とエアコンでは、停電時に強いのはどちらですか?

A. どちらも電気がないと運転できません。FF式はファンで強制的に給排気を行うためです。停電への備えは、電気を使わない暖房器具や非常用電源などで別に検討します。

Q4. 冬でもFFからエアコンへの切替工事はできますか?

A. できます。ただし積雪で作業に手間がかかるため、エアコンを先に設置して試運転で暖房能力を確かめ、FFは最後に撤去する順番にします。こうすると暖房のない日をつくらずに済みます。

Q5. FFからエアコンに替えると、灯油代より電気代は安くなりますか?

A. 条件しだいです。灯油159円/L、電気35円/kWh、FFの効率85%と仮定すると、エアコンの冬の期間平均COPが約1.9を上回れば電気のほうが安くなります。動力の契約を新設する場合は、基本料金も加えて比べます。

11. まとめ

  • FFからエアコンへの切り替えは、全面切替・併用・一部切替の3パターンがあり、灯油タンクを残すかどうかが分かれ目です。
  • 切り替えを考えるよい時期は、FFが更新時期を迎えたときです。経済産業省は使用8年を目安に点検・取替えの検討を呼びかけています。
  • カタログの暖房能力は外気7℃の値です。北海道では、-15℃前後での暖房能力と運転できる下限の温度を確認します。
  • 灯油代より安くなるかは、冬の期間平均COPと単価しだいです。試算例の条件では、COPが約1.9を上回れば電気が安くなります。
  • 工事には、室外機・配管・電源・電気契約に加え、FF・送油管・灯油タンクの撤去と外壁の補修が含まれます。
  • 冬の工事は、エアコンを先に付けて試運転し、FFを最後に撤去する順番にします。
  • 札幌市では、事業所で灯油200L以上のタンクを廃止するときも、消防署への届出が必要です。