北海道の再生可能エネルギーの割合は、2025年度で43.3%でした。道内で発電された電気のうち、水力・太陽光・風力・バイオマス・地熱でつくった電気の割合です(北海道電力ネットワークが公表する需給実績を、totokaが年度ごとに集計した値)。2023年度に40.5%で初めて4割を超えたあと、2024年度は39.1%に下がり、2025年度に再び4割を超えました。
2024年度の全国値は23.1%(資源エネルギー庁)です。集計の方法が違うため厳密な比較はできませんが、北海道エリアの割合は全国のおよそ1.7倍の水準です。ただし、「道内で発電された電気の割合」と「小売電気事業者の電源構成」は別の数字です。北海道電力の2025年度の電源構成では、水力・再エネ(FIT以外)・FIT電気を合わせても19%で、道内の発電の割合とは大きく違います。
この記事では、再エネの割合の推移と月別・時間帯別の変化、小売の電源構成との違い、全国との比較、再エネが多いことによる影響(出力制御・市場価格)、北海道の導入目標、法人が再エネ電気を調達する方法の概要を整理します。数値はすべて公表データにもとづき、2026年10月28日時点のものです。
この記事でわかること
・北海道の再生可能エネルギーの割合(2025年度の値と、2021〜2025年度の推移)
・月別・時間帯別でどう変わるか(春は6割近く、冬は3割台)
・「エリアの発電量の割合」と「北海道電力の電源構成」の違い
・全国との比較(2024年度の実績、2040年度の国の見通し)
・再エネが多いことによる影響(出力制御、市場価格)と、北海道の導入目標
・法人が再エネ電気を調達する方法の概要
更新履歴
- 2026年10月28日:全面改訂。確認できた最新年度(2025年度)の値に更新し、推移・月別の変化・小売の電源構成との違い・全国比較・出力制御と市場価格・導入目標・法人の調達方法を追加。根拠を確認できなかった記述(洋上風力の事業計画、導入ポテンシャルの比率、GX投資額など)を削除
- 2024年7月22日:初版公開(2023年度に40.5%で初の4割超え)
1. 北海道の再生可能エネルギーの割合|2025年度は43.3%、推移は?
北海道電力ネットワークは、北海道エリアの電源ごとの発電実績を「需給実績」として公開しています。この実績を年度(4月〜翌年3月)で合計すると、再エネの割合は次のように動いてきました。
再エネの割合 = (水力+地熱+バイオマス+太陽光+風力)÷(原子力+火力+水力+地熱+バイオマス+太陽光+風力)
北海道電力ネットワークが公表する30分ごと(2023年度までは1時間ごと)の発電実績を、年度で合計して計算しています。揚水・蓄電池の充放電と、本州との連系線による電気の出入りは分母に含めていません。この割合は、北海道電力ネットワークの需給実績をもとにした筆者集計(totoka集計)で、公式の公表値ではありません。発電実績は速報値で推計値を含み、あとから修正されることがあります。
| 年度 | 再エネ合計 | 水力 | 太陽光 | 風力 | バイオマス・地熱 | 火力 | 発電量(億kWh) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2021年度 | 29.5% | 14.1% | 8.3% | 4.2% | 2.9% | 70.5% | 319.9 |
| 2022年度 | 35.1% | 16.4% | 8.9% | 4.6% | 5.1% | 64.9% | 302.8 |
| 2023年度 | 40.5% | 15.4% | 10.3% | 7.9% | 6.9% | 59.5% | 304.6 |
| 2024年度 | 39.1% | 12.5% | 10.3% | 9.8% | 6.4% | 60.9% | 305.5 |
| 2025年度 | 43.3% | 15.3% | 10.6% | 10.0% | 7.4% | 56.7% | 310.6 |
表:北海道エリアの発電量に占める電源別の割合(北海道電力ネットワーク「北海道エリアの需給実績」をもとにした筆者集計。分母は原子力・火力・水力・地熱・バイオマス・太陽光・風力で、揚水・蓄電池・連系線は含まない。公式の公表値ではない。四捨五入のため合計が合わない場合があります)
この表からわかることは3つです。
- 風力は4.2%(2021年度)から10.0%(2025年度)へ、バイオマス・地熱は2.9%から7.4%へ増えました。太陽光は8.3%から10.6%です。
- 水力は12.5〜16.4%の間で動いています。2024年度は水力が12.5%に下がり、風力が増えても再エネ全体は前年度を下回りました。水力が増減した理由は、この資料からは確認できません(降水量や融雪の影響(推測))。
- 原子力の発電実績は、この期間を通じて0です。再エネ以外の残りは火力です。
この記事の初版(2024年7月)は、2023年度の40.5%を「初の4割超え」として紹介しました。上の表では、4割を超えた最初の年度が2023年度です。電力調査統計をもとにした北海道の資料でも、2016〜2022年度の割合は34.0%以下でした。一方で、2024年度は39.1%と4割を下回り、2025年度に43.3%となりました。水力や日射・風の条件で、年度ごとに数ポイント動きます。単年の値だけでなく、複数年の推移で見るのが確実です。
・需給実績の集計(本記事):2022年度は35.1%
・電力調査統計(資源エネルギー庁):北海道の資料では、同じ2022年度が34.0%(年間の再エネ発電電力量11,444,663千kWh)
・北海道の「新エネルギー導入量」:太陽光・風力・中小水力・バイオマス・地熱・廃棄物の発電電力量で、割合ではなく量(2023年度は12,433百万kWh)で公表されています
対象とする電源や集計の範囲が違うためです。数字を引用するときは、出典と定義をそろえてください。
2. 月別・時間帯別で見ると|春は6割近く、冬は3割台
年度の割合は、1年を通した平均です。月別に見ると、再エネの割合は大きく変わります。
| 月 | 2025年度の再エネの割合 | 2025年度の発電量(億kWh) | 2026年度の再エネの割合 |
|---|---|---|---|
| 4月 | 48.4% | 25.0 | 55.2% |
| 5月 | 58.6% | 23.8 | 62.7% |
| 6月 | 56.2% | 23.1 | 51.7% |
| 7月 | 43.9% | 26.5 | 45.1% |
| 8月 | 44.8% | 24.0 | 47.2% |
| 9月 | 51.3% | 21.9 | 44.2% |
| 10月 | 41.5% | 23.2 | — |
| 11月 | 42.0% | 26.5 | — |
| 12月 | 35.7% | 30.7 | — |
| 1月 | 31.7% | 32.0 | — |
| 2月 | 34.5% | 27.5 | — |
| 3月 | 39.4% | 26.6 | — |
表:北海道エリアの月別の再エネの割合(北海道電力ネットワーク「北海道エリアの需給実績」をもとにした筆者集計で、公式の公表値ではない。2026年度は9月分まで。10月分以降は未公表のため空欄)
2025年度は、5月が58.6%で最も高く、1月が31.7%で最も低くなりました。2026年度の4〜9月は合計で50.8%です(2025年度の4〜9月は50.3%)。春から夏の半年分なので、年度の値(2025年度は43.3%)とは比べられません。
30分ごとの値で見ると、2025年度の最高は89.2%、最低は15.4%でした。再エネの割合が5割以上だった30分は、全体の約29%(17,520コマ中5,026コマ)です。
2025年度の発電量は、5月の23.8億kWhに対して、12月が30.7億kWh、1月が32.0億kWhでした。エリアの電気の使用量が冬に大きくなっています(需要は5月21.3億kWh、1月32.2億kWh)。このうち太陽光の発電量は、5〜6月の3.8億kWhに対して、12〜1月は1.4〜1.5億kWhです。風力は12月が4.0億kWhで最も多くなりました。冬は火力が1月に21.8億kWh(5月は9.9億kWh)と大きく増え、再エネの割合は3割台になります。
3. 「エリアの発電量の割合」と「小売の電源構成」は別の数字
「北海道の再エネが4割」と聞くと、北海道電力から買う電気も4割が再エネだと考えがちです。しかし、この2つは数えているものが違います。
| 項目 | エリアの発電量に占める割合 | 小売電気事業者の電源構成 |
|---|---|---|
| 何を数えるか | 北海道エリアで実際に発電された電気 | その事業者が供給する電気の調達元(自社電源、他社からの購入、卸電力取引所からの調達) |
| 出典の例 | 北海道電力ネットワーク「北海道エリアの需給実績」 | 北海道電力「電源構成・CO2排出係数」(「電力の小売営業に関する指針」にもとづく) |
| FIT電気の扱い | 発電した電源として再エネに数える | 「FIT電気」として別枠で表示。非化石証書を使っていない部分は、再エネとしての価値やCO2ゼロの価値を持たない扱い |
| 2025年度の再エネの値 | 43.3%(totoka集計) | 水力(3万kW以上)5%、再エネ(FIT以外)6%、FIT電気8%(合計19%) |
表:エリアの発電量の割合と小売の電源構成の違い(北海道電力ネットワークの需給実績をもとにした筆者集計、および北海道電力の公表資料(グラフ)による)
北海道電力が公表している2025年度の電源構成実績は次のとおりです(離島分を除く。公式ページでは数値がグラフ(画像)で示されており、以下はそのグラフによる値です)。
| 電源 | 割合 |
|---|---|
| 石炭 | 38% |
| その他(揚水分・廃棄物・電源区分が特定できない他社調達分など) | 24% |
| FIT電気 | 8% |
| LNG | 7% |
| 卸電力取引所(水力・火力・原子力・FIT電気・再エネなどを含む) | 7% |
| 再エネ(FIT以外。水力3万kW未満・太陽光・風力・バイオマス・地熱) | 6% |
| 水力(3万kW以上。揚水分を含まない) | 5% |
| 石油 | 5% |
表:北海道電力の電源構成実績(2025年度。北海道電力「電源構成・CO2排出係数」ページのグラフによる)
同社は、非化石証書の使用状況も公表しています(これもグラフによる値です)。2025年度は、非化石証書あり(再エネ指定)が7%、非化石証書あり(再エネ指定なし)が15%、非化石証書なしが78%です。CO2排出係数は、基礎排出係数・調整後排出係数ともに0.522kg-CO2/kWh(2025年度暫定値。12月頃に国から確定値が公表される予定)とされています。なお同社は、非化石証書(再エネ指定)を使ったCO2排出量ゼロの料金メニューを一部のお客さまに販売しており、上の電源構成はそれ以外のメニューの値です。
つまり、道内で再エネの発電が多いことと、自社が使う電気が再エネ扱いになることは別の話です。事業者ごとの違いは「北海道電力を含めた旧一般電気事業者の電源構成について解説」で整理しています。
4. 全国との比較|2024年度の全国は23.1%、2040年度の見通しは4〜5割
資源エネルギー庁の「令和6年度(2024年度)におけるエネルギー需給実績(確報)」では、2024年度の全国の発電電力量は9,911億kWhで、再エネが23.1%、原子力が9.4%、非化石電源の合計が32.5%、化石電源が67.5%でした。同じ年度の北海道エリアと並べると次のようになります。
| 項目 | 全国(2024年度確報) | 北海道エリア(2024年度) |
|---|---|---|
| 再エネ | 23.1% | 39.1% |
| 原子力 | 9.4% | 0%(発電実績なし) |
| 非化石(再エネ+原子力) | 32.5% | 39.1% |
| 火力(全国は「化石電源」) | 67.5% | 60.9% |
表:全国と北海道エリアの電源構成(全国は資源エネルギー庁「エネルギー需給実績(確報)」、北海道は北海道電力ネットワークの需給実績をtotokaが集計)
全国の値は資源エネルギー庁のエネルギー需給実績、北海道の値は北海道電力ネットワークの需給実績の集計で、統計も集計の範囲も違います。数ポイントの差には意味がありません。「全国の1.7倍(39.1÷23.1)」も目安です。また、2025年度の全国値は、2026年10月28日時点で確認できていないため、2024年度で比較しています。
国は2025年2月18日に、第7次エネルギー基本計画を閣議決定しました。資源エネルギー庁の「2040年度におけるエネルギー需給の見通し」では、2040年度の電源構成を次のように示しています。
| 電源 | 2022年度(実績) | 2040年度(見通し) |
|---|---|---|
| 再エネ | 21.8% | 4〜5割程度 |
| 太陽光 | 9.2% | 23〜29%程度 |
| 風力 | 0.9% | 4〜8%程度 |
| 水力 | 7.7% | 8〜10%程度 |
| 地熱 | 0.3% | 1〜2%程度 |
| バイオマス | 3.7% | 5〜6%程度 |
| 原子力 | 5.6% | 2割程度 |
| 火力 | 72.6% | 3〜4割程度 |
表:2040年度の電源構成の見通し(資源エネルギー庁「2040年度におけるエネルギー需給の見通し(関連資料)」2025年2月)
北海道エリアの2025年度の割合(43.3%)は、数字の上では、国が2040年度の全国の姿として示す「4〜5割程度」の範囲にあります。ただし、前述のとおり統計の定義が違うため、「北海道はすでに国の目標を達成した」とまでは言えません。国の数字は全国の発電電力量に対する見通しで、道内の割合に対する目標ではありません。
5. 再エネが多いことの影響|出力制御と市場価格
出力制御:電気が余る時間帯に、太陽光・風力を止める
電気は、使う量と発電する量を常に合わせる必要があります。北海道電力ネットワークは、火力の出力を抑えるなどの対策をしても発電量が需要量などを上回ると見込まれるときに、太陽光・風力などの発電事業者に出力抑制を指示しています。
北海道電力ネットワークの公表では、太陽光・風力の出力制御日数は、2025年度が18日、2026年度は10月24日現在で52日です。2026年度は、すでに2025年度の日数を上回っています。仕組み、ルールの違い(旧ルール・無制限無補償ルール)、法人の対策は「「出力制御」とは?2024年以降の見通しと北海道における太陽光発電所の対応策」で詳しく解説しています。
市場価格:春の昼間は安く、冬は高い
日本卸電力取引所(JEPX)のスポット市場では、翌日に受け渡す電気を30分ごとに取引し、エリアごとの価格(エリアプライス)が決まります。連系線が混雑すると市場が分断され、エリアごとの価格が異なる場合があります(資源エネルギー庁の資料による)。JEPXが公開している30分ごとの価格を単純平均すると、北海道は次のとおりでした。
| 期間 | システムプライス | 北海道 | 東京 |
|---|---|---|---|
| 2024年度(年度平均) | 12.29円 | 12.64円 | 13.66円 |
| 2025年度(年度平均) | 11.06円 | 11.70円 | 12.45円 |
| 2025年度の4〜6月、10〜16時の受渡分 | 6.84円 | 5.78円 | 10.60円 |
| 2025年度の12〜2月 | 10.78円 | 12.25円 | 11.48円 |
| 2026年度の4〜9月 | 16.69円 | 14.13円 | 20.48円 |
表:JEPXスポット市場の価格(円/kWh。日本卸電力取引所の公開データをもとにtotokaが30分値を単純平均)
- 年度平均では、北海道は必ずしも安くありません。2024年度・2025年度とも、北海道の平均はシステムプライスを上回りました。
- 春の昼間は安くなります。2025年度の4〜6月、10〜16時の1,092コマのうち、北海道の価格が0.5円以下だったのは290コマ(26.6%)です。春の昼間に価格が下がる理由は、再エネの発電が多い時間帯に、連系線の容量が限られるためと考えられます(推測)。
- 冬は北海道の方が高くなります。2025年度の12〜2月は、北海道が12.25円で、システムプライスの10.78円を上回りました。
- 2026年度の4〜9月は、北海道(14.13円)がシステムプライス(16.69円)と東京(20.48円)を下回っています。この期間の要因は、本記事では分析していません。
上の表は卸電力取引所の取引価格です。市場価格に連動する料金プランでも、請求額には託送料金や管理料などが加わります。仕組みは「高圧電力の市場連動プラン|JEPX連動の料金の仕組みと比較のポイント【北海道】」を参照してください。
6. 北海道の再エネ導入目標|道の行動計画(2030年度)と国の見通し
北海道は「北海道省エネルギー・新エネルギー促進行動計画【第Ⅲ期】」で、新エネルギーの導入目標を定めています。計画期間は令和3(2021)年度から令和12(2030)年度までで、計画の中間年度である令和7(2025)年度に点検を行い、2026年3月に改定されました。目標年度は2030年度です。
| 項目 | 2019年度の実績 | 2024年度の実績 | 2030年度の目標 | 目標に対する割合(2024年度) |
|---|---|---|---|---|
| 新エネ発電設備容量(万kW) | 365.1 | 527.7 | 824.0 | 64.0% |
| 新エネ発電電力量(百万kWh) | 8,786 | 13,541 | 20,455 | 66.2% |
表:北海道の新エネルギー導入量と目標(北海道「北海道省エネルギー・新エネルギー促進行動計画【第Ⅲ期】」、「北海道における新エネルギーの導入」より。最右列は公表値から算出)
この「新エネルギー」は、太陽光、風力、中小水力、バイオマス、地熱、廃棄物の発電です。設備容量の2024年度の実績は、陸上風力が126.4万kW(2030年度の目標は184.6万kW)、洋上風力が10.0万kW(同150.9万kW)です。目標の発電電力量のうち、洋上風力の3,965百万kWh分は道外に移出すると仮定されています。
この計画には、発電量に占める再エネの割合(%)の目標は書かれていません(今回確認した範囲)。目標は導入量(万kW、百万kWh)で示されています。また、導入量は後から改訂されることがあり、令和5(2023)年度の発電電力量は、計画の本文では12,598百万kWh、最新の道のページでは12,433百万kWhです。
計画の本文によると、国は洋上風力の案件形成を、2030年に全国で1,000万kW(道内は最大205万kW)、2040年に3,000〜4,500万kW(道内は最大1,465万kW)と目指しています。一方で、計画は、固定価格買取制度の買取期間の終了に伴う発電設備の廃止などで、発電量が減る要因もあるとしています。洋上風力で発電した電気を消費地に送るには、送電網の整備が必要とも書かれています。
7. 法人が再エネ電気を調達する方法|概要
環境省の「はじめての再エネ活用ガイド(企業向け)」(2022年3月)は、企業が再エネを調達する方法を整理しています。ここではその概要を紹介します。
| 方法 | 概要 | 主な注意点(ガイドの記載) |
|---|---|---|
| 自家消費型太陽光(購入・リース) | 自社の敷地内の屋根などに太陽光発電を設置し、同じ場所で使う。購入は自社が設備を所有し、リースは月々のリース料を払う | 購入は初期費用と維持管理の手間がかかる。リースは基本的に初期費用は不要だが長期契約が必要。再エネ賦課金はかからない |
| オンサイトPPA | 発電事業者が屋根などに設備を設置・所有・維持管理し、発電した電気を需要家に供給する(第三者所有モデル) | 初期費用は基本的に不要。長期契約が必要で、途中解約時に違約金が生じる場合がある。再エネ賦課金はかからない |
| オフサイトPPA | 離れた場所の発電所から、小売電気事業者を介して電気を届ける。大量の再エネ電気を調達できる | 託送料金、需給調整、インバランスのコストがかかり、オンサイトPPAより割高な傾向。再エネ賦課金がかかる |
| 再エネ電力メニュー | 小売電気事業者の再エネ電力メニュー(再エネ100%、証書を含む)に契約を切り替える | 契約の手続きだけで短期間に調達できる。メニュー名や電源構成の内訳は事業者によって異なる。複数の地域に拠点がある場合は拠点ごとに検討する |
| 非化石証書・その他の証書 | 電力とは別に、再エネ由来の環境価値を証書として購入する(非化石証書、J-クレジット、グリーン電力証書) | 非化石証書には「FIT非化石証書」と「非FIT非化石証書」がある。FIT非化石証書は2021年11月から需要家も直接調達でき、使えるのはスコープ2に限られる。非FIT非化石証書は小売電気事業者のみが調達できる(ガイド作成時点) |
表:企業の再エネ調達方法の概要(環境省「はじめての再エネ活用ガイド(企業向け)」2022年3月より。制度や価格は変わる可能性があります)
自社が使う電気が再エネ扱いになるかは、契約している電気メニューの電源構成と、非化石証書などの証書を使っているかで決まります。前章のとおり、北海道電力の電源構成でも、FIT電気のうち非化石証書を使っていない部分は、再エネとしての価値を持たない扱いです。調達方法を選ぶ前に、「再エネとして主張したい範囲」(スコープ2の報告、RE100などの目標)を確認してください。RE100などの考え方は「ESG・SDGs・RE100・SBTをわかりやすく解説」、再エネ賦課金は「再エネ賦課金とは」で解説しています。
8. よくある質問(FAQ)
A. 北海道電力ネットワークの需給実績をtotokaが集計すると、2025年度は43.3%です(水力15.3%、太陽光10.6%、風力10.0%、バイオマス・地熱7.4%)。統計によって数字は変わります。電力調査統計をもとにした北海道の資料では、2022年度が34.0%(本記事の集計では35.1%)です。
A. 本記事の集計では、2023年度(40.5%)です。ただし2024年度は39.1%で4割を下回り、2025年度は43.3%でした。
A. 北海道電力の2025年度の電源構成実績(離島分を除く)は、水力(3万kW以上)5%、再エネ(FIT以外)6%、FIT電気8%です。FIT電気のうち非化石証書を使っていない部分は、再エネとしての価値を持たない扱いです。非化石証書の使用状況は、再エネ指定ありが7%、再エネ指定なしが15%です。
A. 高い水準です。2024年度は、全国が23.1%(資源エネルギー庁)、北海道エリアが39.1%(本記事の集計)です。ただし統計や集計範囲が違うため、目安としての比較です。
A. 一概には言えません。卸電力取引所(JEPX)のスポット価格は、春の昼間は北海道が安くなる一方、年度平均では2024年度・2025年度ともシステムプライスを上回り、冬は高くなりました。また、電気料金には託送料金など市場価格以外の要素も含まれます。
A. 環境省のガイドは、自家消費型太陽光(購入・リース)、オンサイトPPA、オフサイトPPA、小売電気事業者の再エネ電力メニュー、非化石証書などの証書の購入を挙げています。方法によって、初期費用、契約期間、再エネ賦課金の有無、「再エネ」として使える範囲が違います。
9. まとめ
- 北海道の再エネの割合は、2025年度が43.3%(需給実績の集計)。2023年度に40.5%で初めて4割を超え、2024年度は39.1%に下がった
- 月別では春(5月は58.6%)に高く、冬(1月は31.7%)に低い。年度の値は1年の平均
- 「エリアの発電量の割合」と「小売の電源構成」は別の数字。北海道電力の2025年度の電源構成では、水力・再エネ(FIT以外)・FIT電気の合計は19%
- 全国は2024年度が23.1%、国の2040年度の見通しは4〜5割程度。統計の定義が違うため、比較は目安
- 再エネが多い影響として、出力制御(2025年度18日、2026年度は10月24日現在で52日)があり、スポット価格は春の昼間に安く、冬は高い
- 北海道の2030年度の目標は導入量(824.0万kW、20,455百万kWh)で示され、割合の目標は確認できない。法人の調達方法は、自家消費、PPA、再エネ電力メニュー、証書など
記事情報
公開日:2024年7月22日
最終更新日:2026年10月28日(全面改訂)
参照資料:
・北海道電力ネットワーク「北海道エリアの需給実績」(北海道電力ネットワーク)、「過去の系統の需給に関する情報 ダウンロード」(北海道電力ネットワーク)
・北海道電力「電源構成・CO2排出係数」(北海道電力)
・北海道電力ネットワーク「再エネ出力制御指示に関する報告(2026年度、10月24日更新)」(PDF)、「過去の出力制御実績【需給バランスの制約】」(Excel)
・資源エネルギー庁「令和6年度(2024年度)におけるエネルギー需給実績(確報)」(PDF)
・資源エネルギー庁「2040年度におけるエネルギー需給の見通し(関連資料)」2025年2月(PDF)
・経済産業省「第7次エネルギー基本計画が閣議決定されました」2025年2月18日(経済産業省)
・資源エネルギー庁「間接送電権について」2017年10月30日(PDF)
・北海道「北海道省エネルギー・新エネルギー促進行動計画【第Ⅲ期】」令和8年3月改定(北海道、本文PDF(1〜29ページ)、本文PDF(30〜44ページ))
・北海道「北海道における新エネルギーの導入」(北海道)
・北海道「北海道のGXや脱炭素化に向けて」(環境省北海道地方環境事務所掲載、電力調査統計の引用)(PDF)
・日本卸電力取引所(JEPX)「スポット市場」(JEPX)
・環境省「はじめての再エネ活用ガイド(企業向け)」2022年3月(PDF)
※2026年10月28日時点の情報です。「totoka集計」と記した値は、北海道電力ネットワークの需給実績およびJEPXの公開データを、totokaが本文の方法で集計したもので、公表元が算出した値ではありません。公表元の速報値や集計は後から修正されることがあります。出力制御日数は北海道電力ネットワークの公表値で、2026年度は10月24日現在の値です。
