再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)とは、電気を使うすべての需要家が、使用量に応じて負担する全国一律の料金です。2026年度の単価は1kWhあたり4.18円で、2026年5月検針分から2027年4月検針分まで適用されます。前年度の3.98円から0.20円上がり、制度開始以来はじめて4円台になりました。
北海道の法人は、冬の暖房や融雪で電気使用量が増えやすく、使用量に比例する賦課金の影響を受けやすい立場にあります。しかも賦課金は、電力会社を切り替えても金額が変わりません。
この記事では、最新の単価、法人の負担額の目安、2012年度からの単価推移、そして2026年11月に申請受付がある減免制度までを、経済産業省・資源エネルギー庁の公表資料をもとに整理します。単価が改定されるたびに、このページを更新します。
この記事でわかること
- 2026年度の再エネ賦課金単価(4.18円/kWh)と適用期間
- 単価の決まり方と、2026年度に過去最高となった理由
- 月の使用量別に見た法人の年間負担額
- 2027年度分の減免申請(2026年11月1日〜30日)の要件
- 賦課金の負担を減らせる方法と、減らせない方法
更新履歴
- 2026年10月25日:関連記事2本を統合。2027年度適用分の減免申請(2026年11月受付・原単位基準4.72)の情報を追加
- 2026年3月20日:2026年度の単価4.18円/kWhを反映
- 2025年3月21日:2025年度の単価3.98円/kWhを反映
1. 最新の再エネ賦課金単価は?(2026年度)
2026年度は4.18円/kWh。2026年5月検針分から適用です
経済産業省は2026年3月19日、2026年度の賦課金単価を1kWhあたり4.18円に設定すると公表しました。新しい単価が明細に反映されるのは、多くの場合2026年6月の請求分からです。
| 正式名称 | 再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金) |
| 2026年度の単価 | 4.18円/kWh(2025年度3.98円から+0.20円) |
| 適用期間 | 2026年5月検針分 〜 2027年4月検針分 |
| 計算方法 | 電気使用量(kWh)× 単価(円/kWh) |
| 対象 | 電気を使うすべての需要家(電力会社による違いなし) |
| 決定する機関 | 経済産業大臣(毎年度、年度開始前に公表) |
| 根拠法 | 再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法 |
2027年度の単価は、例年どおりであれば2027年3月に公表されます。直近3年はいずれも3月中旬〜下旬に公表されています。公表後、このページの単価と試算表を更新します。
2. 再エネ賦課金とは?仕組みと計算式
再エネの買取費用を、電気の利用者全体で分担する仕組みです
再エネ賦課金は、固定価格買取制度(FIT)と一体の制度です。FITでは、太陽光や風力などで発電された電気を、国が定めた価格で一定期間買い取ります。その買取にかかる費用の一部を、電気の利用者が使用量に応じて負担しています。
FITは2012年7月に始まりました。制度の初期には太陽光発電の導入が急増し、当時の高い買取価格の契約が今も続いています。これが、賦課金が高止まりしている大きな理由です。
単価は「買取費用 − 回避可能費用」を販売電力量で割って決まります
賦課金単価は、次の式で算定されます。
| 算定式 |
|---|
| 賦課金単価 =(① 買取費用等 − ② 回避可能費用等)÷ ③ 販売電力量 |
| 要素 | 意味 |
|---|---|
| ① 買取費用等 | 再エネの電気を買い取るのにかかる費用(事務費等を含む) |
| ② 回避可能費用等 | 再エネの電気を買ったことで、発電や調達をしなくて済んだ費用。卸電力市場の価格に連動します |
| ③ 販売電力量 | 全国で販売される電力量の見込み |
単価は全国一律で、北海道電力でも新電力でも同じです。電力会社の切り替えで下がるのは、基本料金や電力量料金など、賦課金以外の部分です。
3. なぜ2026年度は過去最高の4.18円になったのか?
主因は「回避可能費用」の減少です
2026年度の上昇は、再エネの買取費用が増えたためではありません。買取費用はほぼ横ばいでした。相殺に使う回避可能費用が減り、割る側の販売電力量も減ったことで、単価が押し上げられました。
| 算定要素 | 2025年度の想定 | 2026年度の想定 | 単価への影響 |
|---|---|---|---|
| ① 買取費用等 | 4兆8,540億円 | 4兆8,507億円 | ほぼ横ばい(▲33億円) |
| ② 回避可能費用等 | 1兆7,906億円 | 1兆6,495億円 | ▲1,411億円で押し上げ要因 |
| ③ 販売電力量 | 7,708億kWh | 7,665億kWh | ▲43億kWhで押し上げ要因 |
回避可能費用は、卸電力市場の価格が下がると小さくなります。つまり、市場価格が落ち着くと賦課金は上がりやすいという、一般の感覚とは逆の動きをします。2023年度に単価が1.40円まで下がったのは、燃料高騰で市場価格が上がり、回避可能費用が大きくなったためです。
2023年度は賦課金が下がりましたが、同じ時期に燃料費調整額が大きく上がっていました。賦課金の上下だけで電気代全体を判断しないことが大切です。
4. 法人の負担はいくら?使用量別の年間シミュレーション
月1万kWhの事業所で年間約50万円、前年度比で年2.4万円の増加です
賦課金は使用量に比例します。月の使用量ごとに、2025年度と2026年度の年間負担額を試算しました。
| 月の使用量 | 規模の目安 | 2025年度 (3.98円) | 2026年度 (4.18円) | 年間増加額 |
|---|---|---|---|---|
| 1,000 kWh | 小規模事務所 | 47,760円 | 50,160円 | +2,400円 |
| 3,000 kWh | 飲食店・小売店舗 | 143,280円 | 150,480円 | +7,200円 |
| 10,000 kWh | 中規模オフィス・施設 | 477,600円 | 501,600円 | +24,000円 |
| 30,000 kWh | 中規模ホテル・スーパー | 1,432,800円 | 1,504,800円 | +72,000円 |
| 50,000 kWh | 大型商業施設・中規模工場 | 2,388,000円 | 2,508,000円 | +120,000円 |
| 100,000 kWh | 大型工場 | 4,776,000円 | 5,016,000円 | +240,000円 |
※試算例。年間使用量=月の使用量×12か月として計算。単価は税込。規模の目安は一般的なイメージで、実際の使用量は事業所ごとに異なります。
年 477,600円
月10,000kWh/年120,000kWh
年 501,600円
同じ使用量でも年24,000円の増加
図1:月10,000kWhの事業所の賦課金負担(試算例)
自社の負担額は「年間の使用量 × 4.18円」で出せます
正確に把握するには、直近12か月の請求書に記載された使用量を合計し、4.18円を掛けます。月ごとの請求書には「再エネ発電賦課金」などの名称で金額が記載されています。
北海道の事業所は、暖房・融雪・換気による熱損失の影響で、冬に電気使用量が増える傾向があります。賦課金は使用量に比例するため、冬の請求書ほど金額が大きくなります。年平均で試算するより、冬季の月別請求書で差を実感しやすい点に注意してください。
5. 減免制度は使える?2027年度分の申請は2026年11月です
電気を大量に使う事業者は、賦課金の2〜8割が減免されます
一定の要件を満たし、経済産業大臣の認定を受けた事業所は、賦課金が減免されます。減免率は業種と、原単位改善の取組(優良基準)を満たすかどうかで決まります。
| 業種 | 優良基準を満たす | 満たさない |
|---|---|---|
| 製造業等 | 8割減免 | 4割減免 |
| 非製造業等 | 4割減免 | 2割減免 |
※農業・林業、漁業、鉱業・採石業・砂利採取業は製造業と同等の減免率です(資源エネルギー庁)。
受付期間を過ぎると申請できません。申請にはgBizIDのプライムまたはメンバーアカウントが必要で、エントリーアカウントでは申請できません。アカウントの発行には時間がかかるため、早めに準備してください。
主な認定要件
| 電気使用量 | 申請事業所の申請事業における電気使用量が年間100万kWhを超えること |
| 原単位の基準 | 電気使用量(kWh)÷ 売上高(千円)が基準値を超えること。2027年度適用分の基準値は4.72(年度ごとに変わります) |
| そのほか | 原単位改善の取組など、資源エネルギー庁が定める要件があります(詳細は公式の概要資料で確認) |
| 申請方法 | 減免認定申請システムからのオンライン申請。公認会計士・税理士の確認書類などの添付が必要 |
| 問い合わせ先 | 減免認定申請ヘルプデスク(設置期間:2026年9月1日〜2027年1月15日) |
申請から減免までの流れ
申請する事業者が取得します。
減免認定申請システムに申請内容を入力し、根拠資料を添付します。
通知書はシステム上で交付されます。郵送やメールでは届きません。
申し出がないと、認定を受けても減免は適用されません。
申請事業だけで年間100万kWh超(月平均で約8.3万kWh超)が必要です。一般的な事務所・店舗・小規模工場ではこの水準に届かないため、減免より使用量そのものを減らす対策が現実的です。
6. 再エネ賦課金の推移(2012年度〜2026年度)
制度開始時の0.22円から、約19倍の4.18円になりました
図2:再エネ賦課金単価の推移(経済産業省・資源エネルギー庁の公表値より作成)
| 年度 | 単価(円/kWh) | 年度 | 単価(円/kWh) |
|---|---|---|---|
| 2012年度 | 0.22 | 2020年度 | 2.98 |
| 2013年度 | 0.35 | 2021年度 | 3.36 |
| 2014年度 | 0.75 | 2022年度 | 3.45 |
| 2015年度 | 1.58 | 2023年度 | 1.40 |
| 2016年度 | 2.25 | 2024年度 | 3.49 |
| 2017年度 | 2.64 | 2025年度 | 3.98 |
| 2018年度 | 2.90 | 2026年度 | 4.18 |
| 2019年度 | 2.95 | — | — |
※2012年度は制度開始(2012年7月)以降の適用分です。
7. 今後、再エネ賦課金は下がるのか?
当面は高い水準が続く見通しです
政府は第7次エネルギー基本計画で、再エネの比率を大きく引き上げる方針を示しています。買取費用の総額はすぐには減りにくく、卸電力市場の価格が落ち着けば賦課金が上がりやすい構造も変わりません。
転機はFIT初期案件の買取期間満了です
事業用太陽光の買取期間は20年です。高い買取価格で契約された制度初期の設備は、2030年代に入ると順次買取期間を終えます。そのため、2030年代以降に買取費用が減り始める可能性が指摘されています。
ただし、市場価格や新しい再エネ導入量によって単価は上下します。将来の単価は確定しておらず、ここで示した見通しも推測を含みます。
8. 賦課金の負担を減らす方法は?
減らせるのは「電力会社から買う電気の量」だけです
単価は変えられないため、負担を減らすには購入電力量を減らすしかありません。方法ごとの効果を整理しました。
| 方法 | 賦課金への効果 | 初期投資 | 向いている事業所 |
|---|---|---|---|
| 省エネ・運用改善(LED化、空調更新、断熱、デマンド管理など) | 使用量の削減分だけ減る | 小〜中 | すべての事業所 |
| 自家消費型太陽光(自社所有) | 自家消費分はかからない | 大 | 屋根や敷地に余裕があり、長期投資ができる企業 |
| オンサイトPPA | 一般に、敷地内設備からの供給分はかからない | なし | 初期投資を抑えたい企業(契約形態は要確認) |
| 減免制度 | 2〜8割減免 | なし | 年間100万kWh超の大規模事業所 |
| 電力会社・料金プランの見直し | 変わらない | なし | 賦課金以外の部分を下げたい場合 |
年12万kWhの10%にあたる1万2,000kWhに4.18円を掛けると、50,160円です。電力量料金の削減分も合わせると、効果はさらに大きくなります。
電気料金全体の構成を知るには、北海道電力の託送料金・電気料金の値上げまとめや、容量拠出金の解説もあわせて確認すると全体像がつかめます。設備更新に使える補助金は北海道の省エネ補助金まとめ、太陽光はソーラーカーポート補助金の解説で整理しています。
9. 北海道の事業者にとってのポイント
■ 冬季の請求額を前もって見込んでおく
冬に使用量が増える事業所ほど、冬の月の賦課金も大きくなります。昨冬の使用量に4.18円を掛け、月ごとの負担額を予算に組み込んでおくと、請求書が届いてから慌てずに済みます。
■ 年間100万kWhを超える事業所は11月の申請を確認する
食品工場や冷凍冷蔵倉庫など電力多消費の事業所は、減免の要件を満たす可能性があります。2027年度分の受付は2026年11月30日までで、gBizIDの準備が前提です。
■ 自家消費型太陽光は「夏の昼間」で採算を考える
北海道では冬季に積雪で発電量が大きく落ちます。夏の昼間の冷房・冷蔵設備の電力と発電が重なる事業所ほど、自家消費率が上がり、賦課金の削減効果も出やすくなります。
■ 賦課金だけでなく電気料金全体で判断する
電気料金には、燃料費調整額や容量拠出金など、賦課金以外にも変動する要素があります。単価の内訳ごとに年間の金額を並べると、どこに手を打つべきかが判断しやすくなります。
10. よくある質問(FAQ)
A. 1kWhあたり4.18円です。2026年5月検針分から2027年4月検針分まで、全国一律で適用されます。
A. 安くなりません。単価は全国一律で、どの電力会社でも同じ使用量なら同じ金額です。切り替えで下がるのは基本料金や電力量料金などの部分です。
A. 2027年度適用分は2026年11月1日から11月30日までの申請です。申請事業の電気使用量が年間100万kWhを超えることなどが要件で、gBizIDのプライムまたはメンバーアカウントが必要です。
A. かかりません。賦課金は電力会社から購入した電気の使用量に対して課されるため、自社の太陽光で発電して自家消費した分は対象外です。
A. 当面は高い水準が続く見通しです。高い価格で買い取っているFIT初期の設備が買取期間を終える2030年代以降に、下がり始める可能性が指摘されていますが、確定していません。
11. まとめ
- 2026年度の再エネ賦課金は4.18円/kWhで、2026年5月検針分から2027年4月検針分まで適用されます。
- 2026年度の上昇は、買取費用の増加ではなく、回避可能費用と販売電力量の減少が主因です。
- 月1万kWhの事業所で年間約50万円、前年度より年2.4万円の負担増です(試算例)。
- 電力会社を切り替えても賦課金は変わらず、減らすには購入電力量を減らす必要があります。
- 年間100万kWh超の事業所は、2026年11月1日〜30日に2027年度分の減免を申請できます。
記事情報
公開日:2024年3月20日
最終更新日:2026年10月25日(関連記事2本を統合し、2027年度適用分の減免申請情報を追加)
参照資料:
・経済産業省「再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2026年度以降の買取価格等と2026年度の賦課金単価を設定します」(2026年3月19日)https://www.meti.go.jp/press/2025/03/20260319004/20260319004.html
・資源エネルギー庁「賦課金の減免制度について」https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/fit_nintei_genmei.html
・資源エネルギー庁「再生可能エネルギー発電促進賦課金」https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/surcharge.html
※本記事は上記資料に基づいて作成しています。最新情報は経済産業省・資源エネルギー庁の公式サイトをご確認ください。
