新電力の料金プラン比較5つのポイント|法人の高圧・低圧の見積りの比べ方【北海道】

法人が新電力の料金プランを比べるときは、見積書の単価ではなく、同じ使用量・同じ契約電力・同じ力率で計算し直した「年間総額」で比べるのが基本です。そのうえで、契約期間と解約条件、料金が変動する仕組み、事業者の登録と説明の中身を確認します。この5つをそろえて見ると、見積書の見た目の安さに引きずられずに判断できます。

北海道では、2026年11月1日に北海道電力ネットワークの託送料金(送配電網の利用料金)が見直され、北海道電力も同じ日から高圧・低圧の料金を見直す予定です。高圧の業務用電力(一般料金)は、基本料金が1kWあたり2,693円20銭から2,970円10銭に上がり、電力量料金は1kWhあたり7銭の上昇にとどまる予定です。改定前の単価で作られた見積りと、改定後の単価で作られた見積りを並べると、正しく比べられません。

この記事では、主に高圧(契約電力50kW以上)の法人を対象に、料金プランを比べるときの5つのポイントを、2026年10月27日時点の公式資料と法令をもとに整理します。低圧(50kW未満)の補足も最後に入れています。燃料費調整と電源調達調整費の違い、市場連動プランの細かい比較、新電力の撤退リスクなどは、それぞれ詳しい記事に案内します。

この記事でわかること
・新電力の料金プランを比べるときの5つのポイント
・電気料金の構成(基本料金・電力量料金・調整額・容量拠出金相当額・再エネ賦課金)と見積書の読み方
・同じ使用量・同じ力率で年間総額を比べる方法と、仮定の数字による計算例
・2026年11月1日の託送料金と北海道電力の料金見直しが、見積りの比較に与える影響
・契約期間・解約条件と、電気事業法で事業者に義務づけられている説明の中身

更新履歴

  • 2026年10月27日:全面改訂。比較の5つのポイントを「料金の構成・前提をそろえる・契約期間と解約条件・変動リスク・事業者の確認」に組み替え、年間総額の計算例(仮定)、2026年11月1日の託送料金・北海道電力の料金見直し、電気事業法と「電力の小売営業に関する指針」による説明事項を追記。根拠を確認できない事例・削減率・数値を削除
  • 2025年6月25日:初版公開

1. 結論:新電力の料金プランは「年間総額」と「条件」で比べる

新電力の料金プランを比べるときに見るべき点は、次の5つです。前半の2つが「いくらになるか」、後半の3つが「その金額がどれだけ確かか」を判断するための点です。

ポイント1:料金の構成を分解する 基本料金・電力量料金・燃料費等調整額(または電源調達調整費)・容量拠出金相当額・再エネ賦課金のうち、どれが単価に含まれ、どれが別項目かを確認する
ポイント2:比較の前提をそろえる 直近12か月の使用量・契約電力・力率を各社の見積りに同じように当てはめ、年間総額で比べる
ポイント3:契約期間と解約条件 契約期間、自動更新、更新しない場合の申出期限、中途解約の違約金、期間中の単価改定の条件を比べる
ポイント4:変動リスクの持ち方 固定・燃料費調整連動・電源調達調整費・市場連動のどれか、上限があるかを確認し、予算の振れ幅を見込む
ポイント5:事業者の確認 登録小売電気事業者か、法律で決められた説明と書面の交付があるか、仲介する会社の立場は何かを確認する

以下、1つずつ見ていきます。

2. ポイント1:料金の構成を分解する

高圧の電気料金は、おおむね次の式で計算されます。北海道電力の高圧の標準約款では、料金は「基本料金」「電力量料金」「再エネ賦課金」の合計で、電力量料金には「燃料費等調整額」が加減されます。

月の電気料金 = 基本料金 + 電力量料金 ± 燃料費等調整額 + 再エネ賦課金

基本料金 = 基本料金単価 × 契約電力(kW)×(185 − 力率)÷ 100
電力量料金 = 電力量料金単価 × 使用電力量(kWh)
※新電力では、これに容量拠出金相当額などの別項目が加わることがあります

新電力の見積書では、この構成が会社ごとに違います。比べる前に、各社の見積書を同じ項目に分解しておくことが第一歩です。

項目 決まり方 北海道電力(高圧)の場合 新電力の見積りで確認する点
基本料金 単価 × 契約電力(kW)。力率で割引・割増 契約電力500kW未満は、その月と前11か月の最大需要電力(30分ごとの需要電力の最大値)のうち大きい値。力率85%を基準に、1%上回るごとに1%割引、下回るごとに1%割増 契約電力の決め方は同じか。力率の割引・割増の有無と、見積りに使った力率の値
電力量料金 単価 × 使用電力量(kWh) 業務用電力(一般料金)は2026年11月1日から23円47銭/kWh(予定) 時間帯別・季節別の単価か。単価に何が含まれているか
燃料費等調整額 燃料価格などの変動を毎月の単価に反映 燃料費調整+市場価格調整+離島ユニバーサルサービス調整。高圧は平均燃料価格・平均市場価格に上限なし。2026年11月分は0円75銭/kWh 北海道電力と同じ式か、独自の式か、「電源調達調整費」などの別の仕組みか
容量拠出金相当額 小売電気事業者が負担する容量拠出金を料金に反映 標準約款の料金の構成に、この名前の別項目はない 別項目で請求するか。kWh単位かkW単位か。見積りの合計に入っているか
再エネ賦課金 全国一律の単価 × 使用電力量 4.18円/kWh(2026年5月検針分〜2027年4月検針分) どの会社でも単価は同じ。比較では各社に同じ額を入れるか、全社とも除く

表:高圧の電気料金の構成と確認点(北海道電力「電力契約標準約款(高圧)[2026年11月1日実施]」「燃料費等調整の方法」「燃料費等調整のお知らせ(2026年11月分)」、経済産業省「2026年度の賦課金単価」をもとに作成)

容量拠出金相当額は「別項目かどうか」と「計算の単位」を見る

容量拠出金は、将来の供給力(kW)を確保するための費用で、電力広域的運営推進機関(OCCTO)によると、小売電気事業者が需要シェアに応じて負担します。この負担を料金にどう反映するかは、各社の料金設計によります。

たとえば、容量拠出金相当額を使用電力量(kWh)に応じて請求する方式から、契約電力(kW)に応じて請求する方式に変えたと公表している新電力があります。同じ金額の見積りでも、kWh単位かkW単位かで、使い方による増減のしかたが変わります。見積書の合計に容量拠出金相当額が入っているかどうかも、必ず確認してください。制度の詳細は「容量拠出金とは|北海道企業への影響と単価推移」で解説しています。

燃料費調整と、新電力が独自に設ける「電源調達調整費」の違いは「電源調達調整費と燃料費調整額の違い」、再エネ賦課金の単価の推移は「再エネ賦課金とは」で解説しています。

3. ポイント2:比較の前提をそろえ、年間総額で比べる

見積書の単価は、会社ごとに「どの使用量で」「どの力率で」「どの項目を含めて」計算したかが違います。前提がそろっていない見積りの合計額を並べても、比較になりません。次の手順で、自社の実績に各社の単価を当てはめ直します。

1
直近12か月の実績を集める
請求書(検針票)から、月ごとの使用電力量(kWh)、最大需要電力・契約電力(kW)、力率を書き出します。市場連動プランを検討するなら、30分ごとの使用量データも用意します。
▼
2
各社の単価を同じ実績に当てはめる
基本料金は同じ契約電力・同じ力率で、電力量料金は同じ月別使用量で計算します。時間帯別の単価なら、時間帯ごとの使用量で計算します。
▼
3
調整額と別項目の扱いをそろえる
燃料費等調整額や電源調達調整費は、同じ月の実績単価を入れるか、仕組みの違いとして別に比べます。容量拠出金相当額など別項目は、すべて加えます。
▼
4
年間総額と月ごとの差を見る
年間の合計だけでなく、冬など使用量が多い月にどちらが高くなるかも確認します。

力率の前提がずれると、基本料金が大きく変わる

北海道電力の高圧では、力率85%を基準に、1%上回るごとに基本料金を1%割引し、下回るごとに1%割増します。力率は、毎日午前8時から午後10時までの平均力率です。同じ仕組みの料金で「力率100%」を前提に見積もると、基本料金は15%割引された金額になります。実際の力率が95%なら割引は10%なので、見積書の基本料金は実際より安く見えます。

次の表は、2社の見積りを同じ前提に直した例です。単価・使用量・力率はすべて説明のための仮定の数字で、実在の会社の料金ではありません。

項目(仮定) A社 見積書のまま A社 前提をそろえた後 B社
基本料金単価 2,600円/kW 2,600円/kW 2,900円/kW
電力量料金単価 22.00円/kWh 22.00円/kWh 21.40円/kWh
計算に使った力率 100%(割引15%) 95%(割引10%) 95%(割引10%)
基本料金(年間) 5,304,000円 5,616,000円 6,264,000円
電力量料金(年間) 13,200,000円 13,200,000円 12,840,000円
容量拠出金相当額(別項目0.60円/kWh) 見積書の合計に含まず 360,000円 単価に含む
年間総額 18,504,000円 19,176,000円 19,104,000円

表:前提をそろえた年間総額の計算例(仮定:契約電力200kW、年間使用量600,000kWh、実際の力率95%。両社とも力率85%基準・1%につき1%の割引・割増とし、燃料費等調整額と再エネ賦課金は両社同じとして除外)

見積書のままではA社が年60万円安く見えますが、実際の力率と別項目をそろえると、B社のほうが年7万2,000円安くなります。差の大小は条件しだいですが、前提をそろえる前と後で、順位が入れ替わることがあるという点が重要です。

ポイント:見積りを依頼するときに前提を指定する

各社に同じ実績データを渡し、「この使用量・この力率で、年間の総額と内訳を出してください」と依頼すると、あとで計算し直す手間が減ります。依頼の文面や、渡すデータの一覧は「高圧電力の相見積・完全攻略マニュアル」にまとめています。力率と最大需要電力の考え方は「力率入門」「デマンドとは」を参照してください。

北海道 2026年11月1日の料金見直しは「基本料金」が中心

北海道電力ネットワークは、2026年11月1日から託送料金を見直す予定です。高圧の標準的な託送料金(高圧標準接続送電サービス)は、基本料金が1kWあたり842円60銭から1,108円80銭に上がり、電力量料金(2円28銭/kWh)は据え置きです(いずれも消費税等相当額を含む)。

これを受けて北海道電力も、同じ日から高圧の料金を見直す予定です。業務用電力(一般料金)は基本料金が2,693円20銭から2,970円10銭/kW、電力量料金が23円40銭から23円47銭/kWhになる予定です。託送料金は小売電気事業者などが送配電網を使うための料金なので、新電力の料金にも関係します。実際に、改定後の託送料金の変動分を料金に反映すると公表した新電力もあります。見積書が改定後の託送料金を織り込んでいるかどうかを、必ず確認してください。

基本料金が中心に上がるため、同じ契約電力なら使用量が少ない(負荷率が低い)施設ほど、上がる割合が大きくなります。仮定の数字で計算すると、次のとおりです。

仮定の施設 見直し前(年間) 見直し後(年間) 増加額 増加率
契約電力200kW・年間600,000kWh 20,503,680円 21,210,240円 706,560円 約3.4%
契約電力200kW・年間300,000kWh 13,483,680円 14,169,240円 685,560円 約5.1%

表:北海道電力 業務用電力(一般料金)の基本料金と電力量料金だけで計算した例(仮定:力率85%で割引・割増なし。燃料費等調整額・再エネ賦課金を含まない。単価は消費税等相当額を含む。北海道電力「電気料金の見直しについて」2026年9月25日をもとに計算)

見直しの経緯や低圧への影響は「北海道電力の託送料金・電気料金 値上げまとめ」で詳しく解説しています。

4. ポイント3:契約期間と解約条件を比べる

年間総額が安くても、契約期間が長く、途中でやめにくい契約だと、あとで条件の良いプランが出ても動けません。電気事業法施行規則第3条の12第1項は、契約前に説明すべき事項として、次のような項目を定めています。

説明事項(施行規則第3条の12第1項) 比べるときの確認点
契約期間(第17号)、更新に関する事項(第18号) 何年契約か。自動更新か。更新しない場合はいつまでに申し出るか
変更・解約の申出の連絡先と方法(第19号) 書面か、メールか、誰に出すか
変更・解約に期間の制限がある場合の内容(第20号) 解約できない期間や、解約できる時期の限定があるか
変更・解約に伴う違約金などの負担(第21号)、その他の条件(第22号) 違約金の計算方法(定額か、残り期間に応じるか)と、上限があるか
事業者側からの変更・解約に関する事項(第23号) 事業者が契約を変更・解約できる条件と、事前の通知の時期

表:契約期間と解約条件の確認点(電気事業法施行規則第3条の12第1項をもとに作成)

経済産業省の「電力の小売営業に関する指針」は、需要家からの解約を一切認めない期間を設けること、不当に高額の違約金を設定すること、自動更新を拒否できる期間を極めて短くすることなどを「問題となる行為」の例に挙げています。見積りの段階で約款や契約書の案を取り寄せ、これらの条件を並べて比べてください。

期間中でも単価が変わる条件を確認する

「契約期間中は単価固定」とされていても、託送料金の変更や法令の改正などがあれば単価を改定できる、と定めている約款があります。北海道電力の高圧の標準約款も、託送料金の変更などで料金表を変更する必要が生じた場合は、契約期間の満了前でも変更後の料金を適用すると定めています。北海道電力の高圧の契約期間は、契約成立日から料金適用開始日が属する年度の末日までで、その後は申出がなければ1年ごとに同じ条件で継続します。

また、指針は、切替え先の小売電気事業者が、今の契約の解約が必要なことと、解約条件によっては違約金などが生じる可能性があることを説明するのが望ましいとしています。切り替えで得られる差額から、今の契約の違約金を差し引いて判断することも忘れないでください。

5. ポイント4:料金の変動リスクの持ち方を選ぶ

新電力の料金プランは、燃料価格や卸電力市場の価格の変動を、どの程度、料金に反映するかで性格が分かれます。同じ年間総額の見積りでも、変動の仕組みが違えば、翌年以降の請求額の振れ幅が変わります。

タイプ 単価が動く仕組み 確認すること
燃料費調整連動型 燃料の貿易統計価格などから算定した調整単価を毎月加減する。北海道電力の高圧は、燃料費調整に加えて市場価格調整も含む 北海道電力と同じ式か。基準価格や係数が違わないか。上限の有無
電源調達調整費型 事業者が自社の調達費用などをもとに独自の式で調整する 算定式と参照する指標、過去の推移、上限の有無
市場連動型 日本卸電力取引所(JEPX)のスポット市場価格に連動する。スポット市場は1日を30分単位に区切った48商品を取引する 連動の算定式(係数・手数料・損失率の扱い)、上限の有無、過去の高騰時にいくらになったか
期間固定型 契約期間中は調整を行わない、または単価を固定する 固定の範囲(どの項目が固定か)、期間中に改定できる条件、更新時の単価

表:料金の変動の仕組みによるプランの分類(北海道電力「燃料費等調整の方法」、日本卸電力取引所「取引市場の概要」をもとに作成。名称は事業者により異なります)

変動の影響は、年間の使用量に比例します。たとえば年間600,000kWhの施設(仮定)で、調整単価が1kWhあたり1円違うと、年間で60万円の差になります。見積り時点の調整単価だけでなく、「1円動いたらいくら変わるか」を予算の幅として持っておくと、プランの性格を比べやすくなります。

重要 変動する料金は「算出方法」と「上限の有無」の説明が義務

燃料や電力の取引価格の変動で料金が変わるプランについては、その旨と、変動額の算出方法、上限の有無を説明することが法令で義務づけられています(施行規則第3条の12第1項第8号)。指針は、メリットだけを伝えてデメリットを伝えないことは説明義務違反にあたるとし、過去に価格が大きく動いた事例をグラフで示すなど、分かりやすく説明することが望ましいとしています。説明がない場合は、資料を求めてください。

市場連動プランの手数料や損失率の違いは「高圧電力の市場連動プランの比較」「損失率の見方」で、燃料費調整と電源調達調整費の計算の違いは「電源調達調整費と燃料費調整額の違い」で解説しています。

6. ポイント5:事業者と説明の中身を確認する

電気を小売りするには、経済産業大臣の登録が必要です(電気事業法第2条の2)。資源エネルギー庁の「登録小売電気事業者一覧」には、2026年9月30日現在で823事業者が掲載されています。見積りを出した会社が、一覧に載っている登録番号と一致するかを確認します。

登録と名称 説明事項の最初に、小売電気事業者の名称と登録番号が入っているか(施行規則第3条の12第1項第1号)
仲介する会社の立場 媒介・取次ぎ・代理の会社が入る場合は、その旨と会社名が説明されているか(同第2号)。説明義務・書面交付義務は、媒介・取次ぎ・代理を業として行う会社にもかかります
契約前と契約後の書面 契約前の説明時に書面(契約締結前交付書面)、契約後に遅滞なく書面(契約締結後交付書面)が交付されるか(電気事業法第2条の13・第2条の14)。承諾すれば電子的な方法での提供もできます
財務状況・調達の方針 指針は、財務状況などの公表情報を分かりやすく提供すること、要望があれば調達コストの変動への対応方針(リスクヘッジの割合など)を合理的な範囲で提供することを「望ましい行為」としています
請求書の内訳 請求書に託送料金相当額などの内訳を記載することが「望ましい行為」とされています。切り替え後の請求書で、見積りと同じ項目が確認できるか

新電力の撤退・倒産が相次いだ経緯や、契約先が撤退したときの最終保障供給については「新電力は本当にやばい?倒産・撤退の実態と確認すべき点」、媒介・取次ぎ・代理の違いは「新電力の提案会社はどの契約方式?」で解説しています。

7. 低圧(契約電力50kW未満)の契約で比べるときの補足

店舗や小規模な事務所など低圧の契約でも、比べ方の基本は同じです。同じ使用量・同じ契約電力で年間総額を出し、契約期間と解約条件、変動の仕組みを確認します。そのうえで、低圧には次の2点が加わります。

1つ目は、北海道電力の規制料金(特定小売供給約款に基づく料金メニュー)がまだ残っていることです。北海道電力によると、規制料金メニューは燃料費調整の計算に使う平均燃料価格に上限がある一方、自由料金メニューには上限がなく、燃料価格が高騰すると自由料金メニューの請求額の方が高くなる可能性があります。新電力の自由料金と比べるときは、この上限の有無も比較の材料になります。

2つ目は、低圧も2026年11月1日に基本料金が大きく上がる予定であることです。北海道電力の低圧電力(動力)は、基本料金が1kWあたり1,413円06銭から1,681円02銭に、電力量料金が28円95銭から29円03銭/kWhになる予定です(消費税等相当額を含み、燃料費等調整額と再エネ賦課金を含まない)。低圧でも、見積りが改定後の単価を前提にしているかを確認してください。

規制料金と自由料金の違いと、低圧のプランの比べ方は「規制料金と自由料金の違い」で解説しています。

8. よくある失敗と注意点

注意 単価や「削減率」だけで選ぶ

基本料金単価が安くても電力量料金単価が高い、またはその逆の場合、どちらが安いかは使い方で変わります。見積書の「削減率」も、何と比べて、どの前提で計算したかを確認しないと意味がありません。

注意 改定前と改定後の単価が混ざった比較

2026年11月1日の託送料金の見直しの前に作られた見積りと、後に作られた見積りを並べると、基本料金の差が実際より大きく、または小さく見えます。比べる前に、各社の見積りがどの時点の単価かを確認します。

注意 別項目と、切り替えに伴う費用の見落とし

容量拠出金相当額などの別項目や、今の契約の違約金を合計に入れずに比べると、切り替え後に想定より高くなります。

注意 自動更新の申出期限を過ぎる

自動更新の契約では、更新しない旨の申出期限を過ぎると、同じ条件でもう1期間続くことがあります。契約期間の満了日と申出期限を、社内の予定表に入れておきます。

9. よくある質問(FAQ)

Q1. 法人が新電力の料金プランを比較するとき、何を比べればよいですか?

A. 自社の直近12か月の使用量・契約電力・力率を各社の単価に同じように当てはめた「年間総額」で比べます。そのうえで、契約期間と解約条件、燃料費調整や市場連動などの変動の仕組みと上限の有無、登録小売電気事業者かどうかと説明・書面の内容を確認します。

Q2. 見積りを比べるために、どんな資料を用意すればよいですか?

A. 直近12か月分の請求書(検針票)で、月ごとの使用電力量、最大需要電力・契約電力、力率を確認します。市場連動プランを検討する場合は、30分ごとの使用量データもあると、時間帯ごとの単価で計算できます。切り替えの手続きには供給地点特定番号も必要です。

Q3. 2026年11月の託送料金の見直しは、新電力の料金にも関係しますか?

A. 託送料金は、小売電気事業者などが北海道電力ネットワークの送配電網を使うための料金なので、新電力の料金にも関係します。改定後の託送料金の変動分を料金に反映すると公表した新電力もあります。見積りが改定後の託送料金を前提にしているか、各社に確認してください。

Q4. 固定単価と市場連動は、どちらが得ですか?

A. 一概には言えません。市場連動型は卸電力市場の価格が安い時期には安くなり、高騰すると高くなります。燃料費調整連動型や期間固定型も、算定式や固定の範囲によって振れ幅が違います。年間総額に加えて「調整単価が1円動くと年間いくら変わるか」を計算し、予算の許容範囲と比べて選ぶのが現実的です。

Q5. 契約期間の途中で解約すると、違約金はかかりますか?

A. 契約によります。違約金がある場合はその内容を、解約に期間の制限がある場合はその内容を、契約前に説明することが法令で定められています(電気事業法施行規則第3条の12第1項第20号・第21号)。不当に高額な違約金などは、経済産業省の指針で「問題となる行為」とされています。

Q6. 低圧の店舗や事務所でも、同じ比べ方でよいですか?

A. 基本は同じです。低圧では、北海道電力の規制料金メニュー(燃料費調整の平均燃料価格に上限がある)が残っているため、新電力の自由料金と比べるときは、この上限の有無も比較の材料になります。

10. まとめ

  • 新電力の料金プランは、単価ではなく、同じ使用量・同じ契約電力・同じ力率で計算した年間総額で比べます
  • 見積書を基本料金・電力量料金・調整額・容量拠出金相当額・再エネ賦課金に分解し、別項目の漏れをなくします
  • 2026年11月1日に託送料金と北海道電力の料金が見直される予定で、高圧は基本料金が中心に上がります。見積りがどの時点の単価かを確認します
  • 契約期間・自動更新・違約金・期間中の単価改定の条件を、約款や契約書の案で並べて比べます
  • 燃料費調整・電源調達調整費・市場連動の違いと上限の有無を確認し、「1円動いたらいくら変わるか」で振れ幅を見込みます
  • 登録番号、仲介する会社の立場、契約前後の書面の交付を確認します

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法人の電気料金を、新電力を含む各社の年間総額で比べて見直しています。

電気料金の見直し →

記事情報
公開日:2025年6月25日
最終更新日:2026年10月27日(全面改訂)
参照資料:
・北海道電力「託送料金の見直しに伴う電気料金の見直しについて」2026年9月25日(北海道電力)
・北海道電力「電気料金の見直しについて」2026年9月25日(PDF)
・北海道電力「標準電圧6,000Vで受電されるお客さま向け料金単価表」(北海道電力)
・北海道電力「電力契約標準約款(高圧)[2026年11月1日実施]」(PDF)
・北海道電力「燃料費等調整の方法(高圧・特別高圧)」(北海道電力)
・北海道電力「燃料費等調整のお知らせ(高圧・特別高圧)2026年11月分」(PDF)
・北海道電力「低圧電力」(北海道電力)、「料金メニュー」(北海道電力)
・北海道電力ネットワーク「託送供給等約款の変更届出について(託送料金の見直し)」2026年9月11日(北海道電力ネットワーク)、「託送料金単価表」(PDF)
・経済産業省「一般送配電事業者8社から託送供給等約款の変更届出を受理しました」2026年9月11日(経済産業省)
・e-Gov法令検索「電気事業法」(e-Gov)、「電気事業法施行規則」(e-Gov)
・経済産業省「電力の小売営業に関する指針」令和8年6月8日最終改定(PDF)
・資源エネルギー庁「登録小売電気事業者一覧」(資源エネルギー庁)、「電力会社の切り替え方法」(資源エネルギー庁)
・経済産業省「2026年度以降の買取価格等と2026年度の賦課金単価を設定します」2026年3月19日(経済産業省)、資源エネルギー庁「再生可能エネルギー発電促進賦課金」(資源エネルギー庁)
・電力広域的運営推進機関「小売電気事業者向け:容量拠出金について」(OCCTO)
・日本卸電力取引所「取引市場の概要」(JEPX)
※2026年10月27日時点の情報です。2026年11月1日実施の料金単価は、公表済みの見直し後の単価(実施予定)です。計算例はすべて仮定の数字で、実在の会社の料金や削減額を示すものではありません。最新の単価と条件は各社の約款・公式サイトでご確認ください。