託送料金とは|仕組み・レベニューキャップ・北海道の単価をわかりやすく解説

託送料金とは、発電所でつくられた電気を事業所や家庭まで届けるために使う送配電網(送電線・変電所・配電線など)の利用料金です。電気料金の中に含まれており、北海道では送配電網を管理する北海道電力ネットワークが設定しています。

北海道電力と契約していても新電力と契約していても、同じ送配電網を使うため託送料金は必ずかかります。2025年10月と2026年11月に続けて見直されたことで、法人の電気料金にも影響が出ています。

このページでは、託送料金の仕組みと決まり方(レベニューキャップ制度)、北海道の単価の水準を基礎から解説します。最新の改定内容は北海道電力の託送料金・電気料金の値上げまとめで随時更新しています。

この記事でわかること

  • 託送料金とは何か、電気料金のどこに含まれているか
  • 託送料金を決めるレベニューキャップ制度の仕組み
  • 北海道の託送料金の水準と、これまでの改定
  • 新電力に切り替えても託送料金が変わらない理由

1. 託送料金とは?

送配電網を使うための「道路の通行料」のようなものです

電気は、発電所から送電線・変電所・配電線を通って需要家に届きます。この送配電網を使う料金が託送料金です。発電や小売の会社が変わっても、電気が通る道は同じ送配電網なので、利用料も同じようにかかります。

誰が設定するか一般送配電事業者(北海道では北海道電力ネットワーク)
誰が払うか小売電気事業者が送配電事業者に支払い、電気料金に含めて需要家が負担
主な使い道送電線・変電所・配電線の維持・更新、停電対応、需給調整など
決まり方レベニューキャップ制度(国が承認した収入上限の範囲で設定)

電気料金のどこに含まれているか

法人の電気料金は、基本料金・電力量料金・燃料費等調整額・再エネ賦課金などで構成されています。託送料金は明細に別の行として出ることは少なく、多くの場合は基本料金と電力量料金の中に含まれています。そのため託送料金が改定されると、基本料金や電力量料金の単価が変わる形で請求額に反映されます。

ポイント:新電力に切り替えても託送料金はなくなりません

新電力も北海道電力ネットワークの送配電網を使って電気を届けるため、託送料金は同じようにかかります。ただし、託送料金の改定をいつ・どのように料金に反映するかは、契約先や料金メニューによって異なります。

2. 託送料金はどう決まる?レベニューキャップ制度

託送料金は、2023年4月に始まったレベニューキャップ制度で決まります。送配電事業者が5年単位の事業計画をつくり、国が「この期間にこれだけの収入を得てよい」という上限(収入の見通し)を承認します。事業者はその範囲内で効率化を図りながら託送料金を設定します。

1
事業計画の策定
送配電事業者が5年間の設備投資や費用の計画をつくります。
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2
収入の見通しの承認
国が審査し、5年間の収入上限を承認します。
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3
託送料金の設定
収入上限の範囲で、電圧区分ごとの託送料金を約款で定めます。
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4
期間中の見直し
物価・金利の大きな変動などがあれば、収入の見通しを変更し、託送料金も見直されます。

現在は第1規制期間(2023〜2027年度)です。北海道電力ネットワークは、この期間中に需要の減少や物価・金利の上昇を理由に託送料金を見直しています。

3. 北海道の託送料金の水準と改定の経緯

北海道電力ネットワークが公表した2025年10月改定後の平均単価は次のとおりです。電圧が低いほど、使う設備が多くなるため単価は高くなります。

区分2025年10月改定前改定後
低圧(小規模事業所など)9.70円/kWh10.23円/kWh
高圧(中規模の工場・ビル)4.42円/kWh4.69円/kWh
特別高圧(大規模工場)2.57円/kWh2.70円/kWh

※北海道エリア全体の平均単価(消費税抜き)。実際の託送料金は基本料金と電力量料金に分かれており、契約によって負担は異なります。

時期主な出来事
2023年4月レベニューキャップ制度の開始(第1規制期間)
2024年4月発電側課金の導入などに伴う託送料金の見直し
2025年10月需要減少による収入不足などを理由に託送料金を改定
2026年11月物価・労務費・金利の上昇を反映して再び見直し(収入の見通し+544億円)

2026年11月の見直しでは、北海道電力の法人向け料金で基本料金の上げ幅が大きくなっています。詳しい単価は北海道電力の料金改定まとめをご覧ください。

北海道 北海道で託送料金が上がりやすい背景

北海道は面積が広く、需要家1件あたりの送配電設備の距離が長くなりがちです。人口減少で電気の使用量が減ると、設備の維持費を少ない使用量で分担することになり、単価が上がりやすくなります(構造的な説明であり、個別の改定理由は各回の公表資料をご確認ください)。

4. 託送料金の負担を抑えるには

託送料金の単価そのものは、どの電力会社でも変えられません。負担を抑える方法は、使用量と契約電力を減らすことです。

  • 契約電力(デマンド)を下げる:基本料金に含まれる託送料金の負担が減ります。仕組みはデマンドの解説をご覧ください。
  • 使用量を減らす:LED化や空調の更新など、設備の省エネで電力量料金の負担が減ります。
  • 料金全体を比べる:託送料金の改定の反映方法や、そのほかの料金の差は契約先によって異なります。

同じく全国一律で決まる料金には再エネ賦課金や容量拠出金があります。

5. よくある質問(FAQ)

Q1. 託送料金とは何ですか?

A. 送電線・変電所・配電線などの送配電網を使うための利用料金です。電気料金の中に含まれており、北海道では北海道電力ネットワークが設定しています。

Q2. 新電力に切り替えると託送料金はかかりませんか?

A. かかります。新電力も同じ送配電網を使って電気を届けるため、託送料金は電気料金に含まれます。

Q3. レベニューキャップ制度とは何ですか?

A. 送配電事業者が5年ごとの事業計画をつくり、国が収入の上限(収入の見通し)を承認し、その範囲で託送料金を設定する制度です。2023年4月に始まりました。

Q4. 北海道の託送料金はいくらですか?

A. 2025年10月改定後の平均単価は、低圧10.23円/kWh、高圧4.69円/kWh、特別高圧2.70円/kWh(消費税抜き)です。2026年11月1日から再び見直されています。

6. まとめ

  • 託送料金は送配電網の利用料金で、電気料金の基本料金・電力量料金の中に含まれています。
  • 北海道では北海道電力ネットワークが、レベニューキャップ制度のもとで設定しています。
  • 新電力に切り替えても託送料金はかかります。
  • 2025年10月と2026年11月に続けて見直されており、負担を抑えるには契約電力と使用量を減らすことが基本です。

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記事情報
公開日:2023年10月8日
最終更新日:2026年10月25日(用語解説として全面リライト)
参照資料:
・北海道電力ネットワーク「託送供給等に係る収入の見通しの変更承認について」(2026年9月4日)https://www.hepco.co.jp/network/info/2026/1253176_2077.html
※本記事は上記資料などに基づいて作成しています。最新情報は北海道電力ネットワークの公式サイトをご確認ください。