スマートメーターとは?仕組み・Bルート・ほくでんの設置状況を解説【北海道】

スマートメーターは、通信機能を備えた電気メーターです。電気の使用量を30分ごとに自動で計測し、検針員が訪問しなくても遠隔で検針できます。北海道電力ネットワーク(ほくでんネットワーク)の管内では、資源エネルギー庁の資料で2024年3月末時点の設置率が100%(取替作業が困難な場所などを除く)とされており、法人・家庭のほぼすべてがすでにスマートメーターです。

法人にとって大事なのは、メーターそのものよりも「30分ごとの使用量データ」をどう受け取り、どう使うかです。高圧で受電している事業所では、30分ごとの平均電力の最大値(デマンド)が契約電力と基本料金を左右します。データは小売電気事業者のWebサービスで見るほか、ほくでんネットワークに「Bルートサービス」を申し込めば、自社のエネルギー管理機器(EMS)で直接受け取ることもできます。

この記事では、2026年10月27日時点の北海道電力ネットワーク・資源エネルギー庁・経済産業省の公表資料をもとに、スマートメーターの仕組み、北海道での設置状況、Aルート・Bルート・Cルートの違い、Bルートの申込方法、高圧のメーターとデマンドの関係、2025年度から順次導入される計画の次世代スマートメーターへの置き換えを整理します。電力データの第三者提供(電力データ管理協会)の詳しい内容は、別記事で扱います。

この記事でわかること
・スマートメーターの仕組みと、従来のメーターとの違い(30分計測・遠隔検針・ブレーカー機能・遠隔での通電)
・北海道電力ネットワーク管内の設置状況と、オプトアウト制度・通電作業の最新の扱い
・Aルート・Bルート・Cルートの意味と、法人がデータを受け取る方法
・Bルートの申込方法(低圧用・高圧用の違い)
・高圧のメーターとデマンドの関係、次世代スマートメーターで変わること

更新履歴

  • 2026年10月27日:全面改訂。北海道電力ネットワーク管内の設置状況、Aルート・Bルート・Cルート、Bルートの申込方法(低圧・高圧)、高圧のデマンドとの関係、次世代スマートメーター、オプトアウト制度、2026年5月からの通電作業(遠隔操作)を追記。根拠を確認できなかった記述を削除
  • 2023年9月6日:初版公開

1. スマートメーターとは?従来のメーターとの違い

北海道電力ネットワークは、スマートメーターを「通信機能を備えた電気メーターで、遠隔での検針や30分ごとの電気ご使用量の計測を行うことができる」ものと説明しています。従来は検針員が月1回メーターを目視で読み、1か月分の合計使用量だけを把握していました。スマートメーターでは、毎日30分ごとの使用量が自動で記録され、通信で送られます。30分ごとなので、1日あたり48コマのデータになります。

項目 従来のメーター スマートメーター
計測の単位 月1回の検針で1か月間の総使用量 30分ごとの使用量を毎日自動で計測
検針の方法 検針員が現地で目視。立会いが必要な場合もある 通信による遠隔での自動検針。敷地への立入りや立会いが不要
契約アンペアのブレーカー(低圧) 屋内に契約用の安全ブレーカーを設置 メーターに「契約用安全ブレーカー機能」を内蔵(北海道電力ネットワーク管内)
通電・遮断 現地での作業が必要 遠隔操作が可能な物件では、遠隔で「通電」「遮断」ができる
需要家がデータを受け取る方法 請求書・検針票の月間使用量 小売電気事業者のWebサービス、Bルート(自社の機器で直接受信)など

表:従来のメーターとスマートメーターの違い(北海道電力ネットワーク「スマートメーターについて」「電気ご使用開始時の通電作業(遠隔操作)のご案内」をもとに作成)

北海道電力ネットワークは、通信機器は総務省の「電波防護指針」に基づいて対応していること、通信には高度な暗号化などのセキュリティ対策を講じていることを案内しています。また、スマートメーターの計測や通信に使う電力は、お客さまの使用電力量には加算されず、設置によって料金が高くなることはないとしています。

メーターには計量法に基づく検定の有効期間があり、北海道電力ネットワークは一般家庭(低圧供給・単独メーター)の場合は10年ごとに取り替えると案内しています。経済産業省の次世代スマートメーター制度検討会の取りまとめでも、スマートメーターの検定有効期間は10年間とされています。ただし、計量法施行令(別表第三)で10年となるのは、定格電圧300V以下で変成器と組み合わせない電力量計(低圧の単独計器)です。高圧の事業所で使う、変成器と組み合わせる電子式の電力量計は7年(電子式でないものは5年)です。

2. 北海道(ほくでんネットワーク管内)の設置状況

資源エネルギー庁の資料(2025年2月28日、電力・ガス基本政策小委員会)によると、現行のスマートメーターは2014年から設置が始まり、高圧部門(工場等)は2016年度までに全国で全数導入が完了しています。低圧部門(家庭等)は、沖縄エリアの2024年度末の完了をもって全国で全数導入が完了する予定とされていました。

区分 北海道電力ネットワーク管内 全国
低圧(家庭・小規模な店舗など) 2024年3月末時点で約373.7万台、設置率100%(一部取替作業が困難な場所などを除く) 2024年3月末時点で約8,064.4万台、設置率99.9%。沖縄エリアの2024年度末の完了で全数導入完了の予定
高圧(契約電力500kW未満の高圧小口・500kW以上の大口) 導入完了 2016年度までに全数導入完了

表:スマートメーターの導入状況(資源エネルギー庁「スマートメーターのオプトアウトについて」2025年2月28日)

メーターの取付けについて、北海道電力ネットワークの託送供給等約款では、料金の算定に必要な計量器とその付属装置(計量情報を伝送する通信装置を含む)は、原則として同社が選定・所有し、同社の負担で取り付けると定めています。ただし、託送契約を結ぶ小売電気事業者など(約款上の「契約者」)の希望で付属装置を施設する場合や、変成器の2次配線などで特に多額の費用がかかる場合は、その契約者の負担になることがあります。託送供給等約款は北海道電力ネットワークと小売電気事業者などの間の取り決めのため、需要家に費用が請求されるかどうかは、小売電気事業者との契約によります。

オプトアウト制度(通信機器の取外し)は2028年4月開始予定

スマートメーターの通信機器を外したいという希望に対しては、「スマートメーターのオプトアウト制度」が2028年4月から始まる予定です。北海道電力ネットワークは、通信機器の取外しを希望する場合、事務手数料として計量器ごとに44,000円を負担することになると案内しています。検定有効期間の満了でメーターを取り替える際に、引き続き取外しを希望する場合は、再度手数料がかかります。

反対に、現在通信機器を外している場合や旧型の計量器が付いている場合で、通信機器付きのスマートメーターを希望するときは、同社のWebフォームから申し込めます。制度開始日より前に設置すれば、事務手数料はかからないとされています。

北海道 ほくでんネットワーク管内のスマートメーターの2つの特徴

(1)契約用安全ブレーカー機能を内蔵
北海道電力ネットワーク管内のスマートメーターには、契約アンペアを超えると一時的に電気を止める「契約用安全ブレーカー機能」が内蔵されています。止まってから約15秒後に自動で「入」に戻ります。ただし、短時間に「入」と「切」を8回繰り返すと自動では戻らず、停電が続きます。これは使い過ぎで止まった場合の自動復帰であり、送配電設備の事故による停電を直す機能ではありません。

(2)2026年5月から、契約廃止時に通電しない設定に
北海道電力ネットワークは2026年5月から、遠隔操作ができる物件では、電気の契約を廃止したときにスマートメーターの「通電」「遮断」機能で通電しない設定にしています。引越しや入居で電気を使い始めるときは、ブレーカー操作だけでは使えず、小売電気事業者への使用開始の申込みにもとづく通電作業(遠隔操作)が必要です。内見・清掃・凍結防止ヒーターなど一時的な使用でも申込みが必要とされているため、空き室や季節利用の施設を管理する法人は注意が必要です。施設側の契約で再点の手間を減らす方法は「介護施設・寮の電気再点を不要に|施設契約×基本料金0円の2方式」で解説しています。

3. 電力データの流れ:Aルート・Bルート・Cルートとは

スマートメーターで計った電力データには、主に3つの通り道があり、一般に「Aルート」「Bルート」「Cルート」と呼ばれます。法人がデータを使うときは、どのルートで受け取るかによって、受け取れる時期・手間・費用が変わります。

ルート データの流れ 主な用途 法人から見たポイント
Aルート スマートメーター → 一般送配電事業者(ほくでんネットワーク)のシステム 遠隔検針、料金計算に使う使用量の確定、配電系統の運用 需要家が直接使うルートではない
Bルート スマートメーター → 需要家のHEMS・EMSなどの機器 使用量の見える化、デマンド監視、設備制御 申込みが必要。サービスは無料だが、受信機器は自社で用意。通信はベストエフォート
Cルート 一般送配電事業者のシステム → 小売電気事業者などの事業者 小売電気事業者の請求、需給管理、Webでの使用量表示 契約している電力会社のWebサービスで30分値を確認できる場合がある(内容は会社ごとに異なる)

表:スマートメーターのデータの3つのルート(経済産業省 次世代スマートメーター制度検討会「低圧スマートメーターBルート運用ガイドライン」、総務省掲載資料「スマートメーター通信システムについて」(2015年)などをもとに作成)

Cルートについて、国の検討では、スマートメーターの30分値を計量後60分以内(ベストエフォート)に一般送配電事業者から小売電気事業者へ提供することが、維持すべきサービスレベルとして整理されています。小売電気事業者が使用量を把握してWebサービスに表示できるのは、この仕組みがあるためです。

契約前の見積りに使われる「使用量照会」

電力会社の見直しで見積りを取るとき、小売電気事業者が需要家の同意を得て、ほくでんネットワークから使用量情報を取得する仕組みが「使用量照会」です。北海道電力ネットワークによると、低圧・高圧・特別高圧のすべての需要者が対象で、提供される期間は直近13か月分です。その間に名義の変更があった場合、前の名義人の分は提供されません。法人の場合は、公印付きの「使用量照会パスワード発行委任状」が本人確認書類として必要になります。旧型計量器の場合は月間使用量のみの提供とされています。

第三者へのデータ提供(電力データ管理協会)

電気事業者ではない事業者が電力データを使えるようにする制度もあります。経済産業省の発表では、一般送配電事業者のデータを集約する「電力データ集約システム」が2023年9月28日に運用を開始し、自治体等や一般社団法人電力データ管理協会を通じてデータ利用事業者に提供されます。同協会は国の認定を受けた団体で、統計加工されたデータと、本人の同意がある個別のデータ(個データ)を扱います。北海道電力ネットワークのエリアは、2024年9月から10月に対象を拡大する予定とされていました。制度の背景や利用条件は「スマートメーターの電力データ開放」の記事で解説しています。

4. Bルートの申込方法(北海道電力ネットワーク)

北海道電力ネットワークの「電力メーター情報発信サービス(Bルートサービス)」は、30分ごとの使用量など、スマートメーターで計測したデータを需要家のHEMS・EMS機器に向けて発信するサービスです。低圧用と高圧・特別高圧用で、受信方法と申込先が違います。

項目 低圧用 / 高圧・特別高圧用
対象 低圧:同社の供給区域内で低圧の契約をしている本人
高圧・特別高圧:同社の供給区域内で高圧(標準電圧6,000V)・特別高圧(30,000V以上)の供給を受けている需要者
受信する機器 低圧:スマートメーターとの相互接続認証(SMA認証)を取得したHEMS機器
高圧・特別高圧:SMA認証を取得したEMS機器等
通信方式 低圧:原則920MHz帯特定小電力無線(難しい場合は電力線搬送通信(PLC))
高圧・特別高圧:イーサネット(LANケーブル)。機器とメーター側の通信端末をつなぐケーブルは需要家が用意
主な発信データ 低圧:積算電力量、定時積算電力量(30分ごと)、瞬時電力、瞬時電流 など
高圧・特別高圧:積算有効電力量、定時需要電力(30分平均電力)、月間最大需要電力、力測積算無効電力量 など
履歴データ 最大44日前まで保有(承諾日より前の分や、メーター取替前の分は発信できない)
申込方法・申込先 利用規約に同意のうえ、所定の申込書を郵送または窓口へ持参
低圧:最寄りのほくでんネットワーク
高圧・特別高圧:業務部カスタマーサービスセンター 需要受付グループ(札幌市中央区)
費用 サービスの申込み・利用は無料。HEMS・EMS機器の購入・設置、ケーブルなどは利用者の負担
使い始めるまで 低圧:同社がメーターを設定し、HEMS機器に登録する認証IDとパスワードを郵送。通常は申込みから1〜2週間程度
高圧・特別高圧:同社がメーターの取替・設定を行い、利用者が通信の成立を確認した時点から利用開始

表:Bルートサービスの低圧用と高圧・特別高圧用の違い(北海道電力ネットワーク Bルートサービスの案内ページ・利用規約[低圧用]令和2年4月1日実施・[高圧・特別高圧用]令和6年6月1日実施)

1
受信する機器を決める
認証を取得したHEMS・EMS機器を選ぶ。対応機器は一般社団法人エコーネットコンソーシアムのWebサイトに掲載されている。機能はメーカーにより異なる。
▼
2
利用規約に同意して申し込む
北海道電力ネットワーク所定の申込書(申込書兼委任状)を郵送または窓口に提出。高圧・特別高圧は供給地点特定番号の単位で申し込む。
▼
3
メーターの設定(必要なら取替)
同社がメーターを設定する。対応するメーターが付いていない場合は取替工事を行う。
▼
4
機器を接続・登録する
低圧は郵送された認証IDとパスワードを利用者がHEMS機器に登録。高圧はLANケーブルでEMS機器とメーター側の通信端末をつなぐ(希望すれば通信端末への接続は同社が行う)。

図:Bルート利用開始までの流れ(北海道電力ネットワークの案内ページ・利用規約をもとに作成)

注意 Bルートで失敗しやすい点

・電気の契約手続きが完了してから設定されるため、新築の引渡しや移転の直後は、すぐに使えないことがあります。

・通信環境によっては、データを受信できない場合があります。通信はベストエフォートで、データの遅延や欠落が起きることがあります。

・履歴は最大44日前までで、申込みの承諾日より前のデータは受け取れません。過去の分析が必要なら、早めに申し込むか、別の方法(電力会社のWebサービスなど)で保存しておく必要があります。

高圧の申込みに必要な供給地点特定番号の見方は「供給地点番号の仕組み」で解説しています。

5. 高圧のメーターとデマンド(30分値と基本料金の関係)

高圧で受電している事業所では、30分ごとのデータが基本料金に直結します。北海道電力ネットワークの託送供給等約款では、高圧・特別高圧の「最大需要電力」を、30分ごとの需要電力の最大値で、記録型計量器により計量される値と定めています。

最大需要電力(デマンド)= その月の「30分ごとの平均電力」の最大値

実量制の契約電力 = 当月を含む過去1年間の各月の最大需要電力のうち最も大きい値

北海道電力は、実量制契約の契約電力をこのように決めると案内しており、基本料金は契約電力に基づいて計算されます。つまり、1年のうちたった30分でも大きなデマンドが出ると、その後1年間の基本料金に影響します。託送供給等約款でも、託送の契約電力(北海道電力ネットワークと小売電気事業者などの間の「接続送電サービス契約電力」)は、低圧の場合や、高圧で500kW未満の場合、各月「その1月の最大需要電力等と前11月の最大需要電力等のうち、いずれか大きい値」とされています。

データを見る方法 仕組み 向いている使い方
デマンド監視装置(パルス) 北海道電力は、別途手続きのうえ同社の計量器の計量信号(パルス)を使えると案内している。装置本体と配線工事は需要家側で手配 目標値を超えそうなときの警報や、設備の自動しゃ断でデマンドを抑える
Bルート(高圧・特別高圧用) イーサネットでEMS機器に、30分平均電力や月間最大需要電力などを発信 EMSでの見える化、無効電力量も含めた分析
小売電気事業者のWebサービス 例:北海道電力は法人向け「ほくでんエネモールbiz」で見える化サービス「e-ディマンドマネージャー」を提供(同社と契約している期間のデータが対象、保有期間は過去25か月まで) カレンダー形式での実績の振り返り、気温との関係の確認、省エネ法の定期報告用の電力量の集計

表:高圧の事業所が30分値・デマンドを確認する主な方法(北海道電力「デマンド監視制御装置による省エネ・節電のご紹介」、ほくでんエネモールbiz「e-ディマンドマネージャー FAQ」「e-ディマンドマネージャー 活用術」、北海道電力ネットワーク Bルート利用規約[高圧・特別高圧用])

デマンドの決まり方と下げ方は「電気のデマンドとは?契約電力・基本料金の決まり方と下げ方」、デマンド監視装置の営業で確認すべき点は「悪質なデマンド営業に騙されないために」で解説しています。

6. 次世代スマートメーターで何が変わる?

経済産業省の次世代スマートメーター制度検討会は、2022年5月に取りまとめを公表しました。現行のスマートメーターの検定有効期間(取りまとめでは10年。高圧の変成器付き電子式計器は7年)の満了に合わせて、2025年度から随時、次世代スマートメーターへ置き換え、2030年代早期までに導入を完了するため、各一般送配電事業者が導入計画を策定・実施することが適当とされています。低圧の次世代スマートメーターは、一般送配電事業者10社で仕様を統一する方針です。

機能 対象 内容(取りまとめの整理)
5分値の取得 低圧・高圧 すべてのメーターではなく、需要家の一部(取りまとめでは10%程度以上など。割合は各一般送配電事業者が決める)について、有効電力量・無効電力量(低圧は電圧も)の5分値を一般送配電事業者のシステムへ送る(Aルート)。配電系統の電圧管理や停電の検知に使う
15分値の計量 低圧・高圧 有効電力量の15分値を計量・保存。将来の市場制度の見直しに応じて、送信データを30分値と切り替えられるようにする
Bルートの通信方式の追加 低圧・高圧 低圧はWi-SUN(無線)に加えWi-Fi(2.4GHz)も選べる通信部を設計し、Wi-Fiは複数機器の接続が可能。高圧はイーサネット(有線)に加えWi-SUNも選べる通信部を設計
Bルートの欠損対応 低圧・高圧 有効電力量の1分値をメーターに60分間保存し、データが欠けたときに取り直せるようにする
遠隔アンペア制御 低圧 単相2線・単相3線120A以下の機種でメーターに開閉器を内蔵し、需給ひっ迫時などに遠隔で使用できる電流の上限を変える
特定計量・共同検針 低圧 「IoTルート」で特定計量制度の計量器のデータを集める。ガス・水道メーターの1時間ごとの値を1日1回ガス・水道事業者へ送る共同検針にも対応

表:次世代スマートメーターに追加される主な機能(経済産業省 次世代スマートメーター制度検討会「取りまとめ」2022年5月)

北海道 ほくでんネットワークの次世代化と水道メーターの実証

北海道電力ネットワークは2022年3月の国の審議会資料で、2023〜2027年度の5年間に、次世代スマートメーターの導入(スマートメーター取替・システム改修)として120億円程度の投資を想定していました(資料作成時点の想定値)。

また、2026年4月15日には、BIPROGY・札幌市と、電力スマートメーターの通信ネットワークを使った水道スマートメーターの共同実証の協定を締結しました。実証期間は2027年3月31日までで、札幌市内の住宅や市有施設の水道メーターの指針値や漏水等のアラーム情報を、同社のスマートメーターネットワーク経由で取得できるかを確認します。

自社の建物のメーターがいつ次世代機に替わるかは、検定有効期間(低圧の単独計器は10年、高圧の変成器付き電子式計器は7年)の満了時期などによって変わります。電力広域的運営推進機関の2025年6月19日の資料も、次世代スマートメーターは2025年度より順次導入予定で、導入スケジュールは一般送配電事業者により異なるとしています。この記事の執筆時点で、北海道電力ネットワーク管内の次世代機への具体的な交換スケジュールを示す公表資料は確認できませんでした。BルートでEMSを使っている場合は、メーター交換後も同じ機器・通信方式で受信できるか、機器メーカーに確認しておくと安心です(推測:通信方式の追加は「選べるようにする」という整理のため、既存方式が直ちに使えなくなるとは限りません)。

7. よくある誤解と注意点

誤解 スマートメーターを付ければ電気代が下がる

スマートメーターは使用量を細かく計るための機器で、付けただけで使用量は減りません。30分値を見て、ピークが出る時間帯の設備の運転を見直すなど、行動につなげて初めて効果が出ます。

誤解 停電を自動で直してくれる

北海道電力ネットワーク管内のスマートメーターにある自動復帰は、契約アンペアを超えて止まったときに約15秒後に戻る機能です。設備の事故などによる停電を復旧させる機能ではありません。

8. よくある質問(FAQ)

Q1. ほくでんネットワーク管内で、まだスマートメーターになっていない建物はありますか?

A. 資源エネルギー庁の資料では、北海道電力ネットワーク管内の低圧は2024年3月末時点で設置率100%ですが、取替作業が困難な場所などは除かれています。また、需要家の希望で通信機器を外していたり、旧型の計量器が付いていたりする例もあります。通信機器付きのスマートメーターを希望する場合は、北海道電力ネットワークのWebフォームから申し込めます。

Q2. 30分ごとの使用量はどこで確認できますか?

A. 主な方法は、契約している小売電気事業者のWebサービス(北海道電力の法人向けは「ほくでんエネモールbiz」など)と、Bルートで自社の機器に受信する方法です。提供される内容や期間は会社ごとに異なるため、契約先に確認してください。電力会社の見直しで見積りを取る際は、小売電気事業者が同意を得て「使用量照会」で直近13か月分の使用量情報を取得する方法もあります。

Q3. Bルートの利用に費用はかかりますか?

A. 北海道電力ネットワークのBルートサービスは、申込み・利用とも無料です。ただし、HEMS・EMS機器の購入や設置、高圧の場合のLANケーブルなどは利用者の負担です。低圧で、通信が届かない以外の理由で指定外の通信方式を希望する場合などは、費用がかかることがあります。

Q4. 次世代スマートメーターへの交換はいつですか?費用はかかりますか?

A. 国の取りまとめでは、2025年度から随時置き換え、2030年代早期までに導入を完了するとされています。個々の建物の交換時期は検定有効期間の満了時期などによるため、北海道電力ネットワークからの案内を確認してください。料金の算定に必要な計量器は、託送供給等約款で原則として同社の負担で取り付けると定められています。

Q5. スマートメーターの通信機器は外せますか?

A. 2028年4月から「スマートメーターのオプトアウト制度」が始まる予定です。北海道電力ネットワークの案内では、通信機器の取外しには計量器ごとに44,000円の事務手数料がかかり、検定満了による取替時に続けて希望する場合は再度負担が必要です。

Q6. 自社の電力データを他の会社のサービスに使ってもらうことはできますか?

A. Bルートで受け取ったデータは、利用規約上、利用者が自由に使えますが、第三者に渡す場合は利用者の責任で行うとされています。電力データ管理協会を通じて、本人の同意にもとづき個別のデータを事業者に提供する仕組みもあります。詳しくは「スマートメーターの電力データ開放」をご覧ください。

9. まとめ

  • スマートメーターは通信機能付きの電気メーターで、30分ごとの使用量を自動で計測し、遠隔で検針する
  • 北海道電力ネットワーク管内の低圧は2024年3月末時点で設置率100%(取替困難箇所などを除く)。高圧は全国で2016年度までに導入完了
  • データの通り道はAルート(送配電事業者へ)・Bルート(自社の機器へ)・Cルート(小売電気事業者などへ)の3つ
  • Bルートは低圧用・高圧用ともに無料で申し込めるが、受信機器やケーブルは自社負担。履歴は最大44日前まで
  • 高圧では、30分平均電力の最大値(デマンド)が過去1年の契約電力と基本料金を決めるため、30分値の監視が基本料金の管理に直結する
  • 次世代スマートメーターは2025年度から順次置き換える計画(北海道の具体的なスケジュールは公表資料で確認できず)。5分値・15分値、Wi-FiでのBルート、遠隔アンペア制御、共同検針などが加わる

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記事情報
公開日:2023年9月6日
最終更新日:2026年10月27日(全面改訂)
参照資料:
・北海道電力ネットワーク「スマートメーターについて」(北海道電力ネットワーク)
・北海道電力ネットワーク「スマートメーターの『契約用安全ブレーカー』機能について」(北海道電力ネットワーク)
・北海道電力ネットワーク「よくあるご質問(電線・電柱・メーター等の設備)」(北海道電力ネットワーク)
・北海道電力ネットワーク「スマートメーターのオプトアウト制度(有償化)について」(北海道電力ネットワーク)
・北海道電力ネットワーク「電気ご使用開始時の通電作業(遠隔操作)のご案内」(北海道電力ネットワーク)
・北海道電力ネットワーク「電力メーター情報発信サービス(Bルートサービス)[低圧用]」(北海道電力ネットワーク)、同利用規約[低圧用](PDF)
・北海道電力ネットワーク「電力メーター情報発信サービス(Bルートサービス)[高圧・特別高圧用]」(北海道電力ネットワーク)、同利用規約[高圧・特別高圧用](PDF)
・北海道電力ネットワーク「使用量照会のお申し込み」(北海道電力ネットワーク)
・北海道電力ネットワーク「託送供給等約款」令和8年10月1日実施(北海道電力ネットワーク)
・北海道電力ネットワーク「札幌市における水道スマートメーターの共同実証実験に関する協定書の締結について」2026年4月15日(北海道電力ネットワーク)
・北海道電力ネットワーク「ネットワークの次世代化に向けた取組と課題」2022年3月30日(経済産業省)
・北海道電力「デマンド監視制御装置による省エネ・節電のご紹介」(北海道電力)
・ほくでんエネモールbiz「e-ディマンドマネージャー FAQ」(北海道電力)
・ほくでんエネモールbiz「e-ディマンドマネージャー 活用術」(北海道電力)
・資源エネルギー庁「スマートメーターのオプトアウトについて」2025年2月28日(経済産業省)
・次世代スマートメーター制度検討会「取りまとめ」2022年5月(経済産業省)
・電力広域的運営推進機関「次世代スマートメーターの導入に伴うマニュアル変更について」2025年6月19日(電力広域的運営推進機関)
・計量法施行令 別表第三(検定証印等の有効期間)(e-Gov法令検索)
・次世代スマートメーター制度検討会「低圧スマートメーターBルート運用ガイドライン[第5.0版]」2022年5月31日(経済産業省)
・経済産業省「電気事業法第34条及び第37条の3に基づく電力データの提供に関して、電力データ集約システムの運用が開始されました」2023年9月28日(経済産業省)
・一般社団法人電力データ管理協会(電力データ管理協会)
・株式会社東芝「スマートメーター通信システムについて」2015年9月30日(総務省)
※2026年10月27日時点の情報です。Bルートの申込書式や手続き、オプトアウト制度の手数料・開始時期、次世代スマートメーターの交換時期は変更されることがあります。最新の内容は北海道電力ネットワークの案内で確認してください。