高圧電力の相見積で比べるのは、基本料金や電力量料金の「単価」ではなく、同じ条件で計算した年間の総額です。見積書ごとに、契約電力の置き方、力率割引の有無、燃料費や市場価格にもとづく調整、容量拠出金、損失率、契約期間と違約金の扱いが違うため、単価だけを並べると安く見える見積が実際には高くなることがあります。
この記事は、特定の会社の比較ではなく、見積をどう比べるかの手順をまとめたものです。見積を依頼する前にそろえるデータ、比較表に入れる項目、仮定の数字で見る年間総額の出し方、契約期間と違約金の見方を順に説明します。数字の例はすべて仮定です。
料金の仕組みの詳細は、既存の記事に任せます。市場連動プランは「【北海道企業向け】高圧電力の市場連動プランを徹底比較!管理料の差で電気料金がここまで変わる理由」、損失率は「北海道で新電力を選ぶなら「損失率」を見ろ!見積もりの安さに隠された「5%の罠」を徹底解説」、容量拠出金は「容量拠出金とは|北海道企業への影響と単価推移【2026年8月更新】」で詳しく解説しています。この記事では、それらを相見積の中でどこに置くかを扱います。
この記事でわかること
・相見積で「条件をそろえる」とは何をそろえることか
・見積を依頼する前に用意するデータ(請求書、30分値、供給地点特定番号など)
・契約電力、力率割引、燃料費調整・市場価格調整、容量拠出金、損失率の見方
・仮定の数字で年間総額を比べる方法と、契約期間・違約金の織り込み方
・北海道の法人が冬のピークと市場連動の変動で気をつける点
更新履歴
- 2026年10月31日:全面改訂。特定の会社に触れない書き方に改め、契約電力・力率割引・燃料費調整と市場価格調整・容量拠出金・損失率・契約期間と違約金の見方、仮定の数字による年間総額の比較例を追加。根拠を確認できなかった記述(他エリアとの事業者数の比較など)を削除
- 2026年1月6日:初版公開
1. 相見積で比べるのは「同じ条件の年間総額」
高圧の電気料金は、いくつかの部品の合計です。見積書のどこに何が入っているかを分けて見ないと、比べる意味がありません。
| 料金の部品 | 決まり方 | 見積書で確認すること |
|---|---|---|
| 基本料金 | 契約電力(kW)× 単価。力率で割引・割増しされる場合がある | 契約電力の置き方、力率割引の有無と条件 |
| 電力量料金 | 使用電力量(kWh)× 単価。時間帯別や休日平日別の単価もある | 料金の区分(一般・時間帯別など)と、単価の適用条件 |
| 燃料費調整・市場価格調整 | 燃料価格や卸電力市場の価格に応じて、使用電力量に調整単価を掛ける | 算定式、何に連動するか、反映の時期、上限の有無 |
| 容量拠出金の扱い | 小売電気事業者が負担する費用を、料金にどう含めるか | 単価に含むのか、別建てで加算されるのか |
| 損失率の扱い | 送配電での電気の損失分を、料金の計算にどう反映するか | 市場価格などの補正に使うか、使う場合の式 |
| 再エネ賦課金 | 使用電力量 × 国が定める単価(2026年度は4.18円/kWh) | 契約先で変わらない。比較表では同額として扱う |
| 契約期間・違約金 | 契約書・約款で決まる | 期間、自動更新、中途解約の条件と金額 |
表:高圧電力の料金の部品と見積書の確認点(再エネ賦課金の単価は経済産業省の2026年3月19日公表。2026年5月検針分から2027年4月検針分に適用)
見積書が「単価だけ」で出てくる場合は、依頼した側が条件を指定して、同じ形式で出し直してもらいます。条件がそろっていない見積は、年間総額に直しても比べられません。
2. 見積を依頼する前にそろえるデータ
精度の高い見積を引き出すには、こちらから十分なデータを渡す必要があります。データが少ないと、見積を出す側が余裕を見込んだ単価にするか、辞退することがあります(推測)。
| データ | 入手先 | 見積に必要な理由 |
|---|---|---|
| 電気料金の請求明細(直近12か月分) | 現在の契約先 | 契約電力、力率、使用電力量、現在の料金の内訳を確認するため |
| 30分ごとの使用量データ(直近12〜13か月分) | 現在の契約先に依頼する、または高圧向けのBルートサービスなどで自社に取り込む | 最大需要電力と使い方(昼夜・季節の形)を見積に反映するため |
| 供給地点特定番号(22桁) | 請求書など | 供給地点を特定し、契約先を変更する手続きに使うため |
| 受電設備の情報(契約受電設備の容量など) | 電気主任技術者、保安点検の報告書 | 契約電力の上限や、契約できる区分を確認するため |
| 現在の契約の期間と解約条件 | 契約書・約款 | 解約の通知期限や違約金を、切替時期の判断に入れるため |
表:相見積の前にそろえるデータ(供給地点特定番号は、ほくでんNW「供給地点特定番号」より)
30分値データの取り方
ほくでんNWの「使用量照会」は、契約に先立って、小売電気事業者が需要者の同意を得て使用量情報を取得する仕組みです。低圧・高圧・特別高圧のすべての需要者が対象で、提供される期間は直近13か月分です。需要者が名義を変えている場合、前の名義人の期間分は提供されません。見積を依頼する側が直接データを渡す場合は、現在の契約先に依頼するほか、高圧向けの「Bルートサービス」(30分ごとの使用量をスマートメーターからお客さまのEMS機器に発信するサービス)を利用する方法があります。Bルートサービスは、対応するスマートメーターとEMSなどの機器が必要で、申込みは書面で行います。
30分値が手に入らない場合は、請求明細の月別の使用電力量と最大需要電力だけでも見積を依頼できます。ただし、見積は粗くなり、そのぶん条件を変えたときの差も大きくなります。比較表には「30分値を使った見積か」を必ず列として入れ、使っていない見積は参考値として扱います。
3. 契約電力と力率:基本料金の前提をそろえる
契約電力の決まり方は契約で違う
基本料金は「契約電力 × 単価」です。契約電力が違えば、同じ単価でも基本料金は変わります。北海道エリアの標準的な高圧の約款(2026年11月1日実施予定の版)では、契約電力は次のように決まります。他の契約先の料金メニューで同じ決め方とは限らないため、見積ごとに確認してください。
| 契約電力 | 決め方(標準約款の例) |
|---|---|
| 500kW未満 | 各月の契約電力は、その月の最大需要電力と、前の11か月の最大需要電力のうち、いずれか大きい値。最大需要電力は、30分ごとの需要電力の最大値 |
| 500kW以上 | 使用する負荷設備・受電設備の内容、同一業種の負荷率等をもとに、お客さまと契約先の協議で決める |
表:高圧の契約電力の決まり方の例(北海道エリアの標準的な高圧の約款、2026年11月1日実施版より。業務用電力の例)
500kW未満の場合は、冬に一度記録した大きな最大需要電力が、その月を含む12か月間、契約電力として残ります。たとえば1月に200kWを記録すると、1月から同じ年の12月まで、各月の契約電力は200kW以上になります(翌年の1月に、その1月の値が前の11か月から外れます)。
北海道の施設は、冬に暖房の電力が増えやすく、最大需要電力が冬に出る建物が多くなります(推測)。見積の試算が、夏などの低い月の最大需要電力を基準にしていると、契約後に基本料金が試算より高くなります。
仮定の数字で見ます。実際の契約電力が200kW、見積が150kWで試算されていた場合、基本料金単価が1,900円/kW・月なら、差は 50kW × 1,900円 × 12か月 = 年間1,140,000円です。見積依頼には、冬のピークを含む直近12か月以上の30分値を渡し、契約電力を何kWで試算したかを見積書に書いてもらうのが確実です。
力率割引の有無と条件
力率は、受電した電気がどれだけ有効に使われているかを示す数値です。標準約款(高圧)の例では、力率は毎日午前8時から午後10時までの平均力率で、85%を基準に、85%を上回る1%ごとに基本料金を1%割引、下回る1%ごとに1%割増しします。力率の改善(進相コンデンサなど)は、基本料金の割引につながります。力率の基本は「北海道企業のための「力率」入門〜電気料金削減が可能な力率改善をわかりやすく解説〜」で解説しています。
見積書の比較では、力率割引(割増し)がある料金メニューか、基準の力率はいくつか、を確認します。仮定の数字で見ると、基本料金が月400,000円で力率が95%のとき、割引は(95−85)=10%なので、月360,000円です。割引のない見積と比べるときは、同じ力率で計算した基本料金で並べます。
4. 燃料費調整と市場価格調整:同じ「調整」でも式が違う
燃料費調整や市場価格調整は、基本の単価とは別に、毎月の使用電力量に調整単価を掛けて足し引きする項目です。見積書で「調整込み」「調整別」「独自調整」と書かれていても、中身は契約先ごとに違います。比較のため、北海道エリアの標準的な高圧の約款(2026年11月1日実施予定の版)の仕組みを例に見ます。
| 項目 | 算定の仕組み(標準約款の例) |
|---|---|
| 燃料費調整 | 貿易統計にもとづく原油・LNG・石炭の3か月の平均価格から「平均燃料価格」を出し、基準燃料価格との差に応じて調整単価を決める。平均が基準を上回れば料金に加え、下回れば差し引く。たとえば1〜3月の平均にもとづく単価は、6月の料金の計量期間から適用される |
| 市場価格調整 | 卸電力取引所の翌日取引(スポット市場)の価格を、3か月について「全時間帯の単純平均」と「毎日8時〜16時の単純平均」に係数を掛けて合算し、「平均市場価格」を出す。基準市場価格との差に調整係数を掛けて調整単価とし、上回れば加え、下回れば差し引く。係数や基準は料金表で定める |
表:燃料費調整と市場価格調整の仕組みの例(北海道エリアの標準的な高圧の約款、2026年11月1日実施版の別表2より要約)
見積書では、次の4点を確認してください。
- 算定式が標準的な約款と同じか、独自の式か。独自の場合は、式と、使う指標の名前を書面で示してもらう
- 市場価格に連動する項目があるか。ある場合は、連動の対象(スポット市場の価格か)、平均する期間、係数、上限の有無を確認する
- 反映の時期。標準的な約款は、算定期間の数か月あとの料金に適用する
- 見積の試算で調整をいくらと置いたか。全社が同じ前提(同じ調整単価)で計算した総額を出してもらうか、調整は別にして比べる
市場価格に連動する仕組み、北海道エリアの価格実績(2021年1月に月平均66.59円/kWhになった例など)、管理料の見方は「【北海道企業向け】高圧電力の市場連動プランを徹底比較!管理料の差で電気料金がここまで変わる理由」に詳しくまとめています。
5. 容量拠出金と損失率:見えにくい費用の置き場所
容量拠出金
容量拠出金は、電力広域的運営推進機関(広域機関)が、小売電気事業者から徴収する費用です。電気を供給する力(kW)を確保する容量市場の費用にあてられます。広域機関の資料によると、小売電気事業者の分は、夏季・冬季のピーク時のkWシェアなどに応じて請求されます。この資料は小売電気事業者への請求の仕組みを説明するもので、需要家にどう負担させるかは書かれていません。
つまり、見積書で「単価に含む」のか、「別建てで加算」するのかを、依頼する側が確認する必要があります。比較表には、容量拠出金に相当する費用の置き場所(単価に含む/別建て)を書き、別建ての見積は、その金額を年間総額に足して比べます。仕組みと単価の推移は「容量拠出金とは|北海道企業への影響と単価推移【2026年8月更新】」にまとめています。
損失率
送配電では、電気を送る途中で損失が出ます。託送供給等約款は、電圧ごとに損失率を決めていて、高圧は4.7%(2026年11月1日実施予定の約款)です。市場価格にもとづく単価を、損失率で補正して計算する方式があります。その場合、見かけの単価が同じでも、補正の有無で実質の単価が変わります。仮定の数字で見ると、市場価格が12円/kWhのとき、損失率(4.7%)で補正すると 12 ÷ (1 − 0.047) ≒ 12.59円/kWhです。補正の入れ方による差の考え方は「北海道で新電力を選ぶなら「損失率」を見ろ!見積もりの安さに隠された「5%の罠」を徹底解説」で詳しく扱っています。
見積書では、「損失率で補正しているか」「補正の式は何か」を確認します。補正の方式が違う見積は、同じ市場価格の仮定で計算し直して比べます。
6. 契約期間・自動更新・違約金
単価が安くても、契約期間が長く、違約金が重い契約は、別の契約への見直しがしにくくなります。次の点を、見積の段階で書面で確認します。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 契約期間 | 開始日と終了日、期間の長さ(1年か、複数年か) |
| 自動更新 | 更新の有無、更新後の期間と料金条件、更新を止める通知の期限 |
| 中途解約の違約金 | 発生する条件、計算式(残りの期間 × 基本料金など)、上限 |
| 契約電力の変更 | 契約期間中の増減が認められるか、料金への影響 |
| 料金の見直し条項 | 契約期間中に、契約先が単価や調整の式を変更できる条項があるか |
北海道エリアの標準的な高圧の約款では、契約期間は契約が成立した日から、料金の適用開始日が属する年度の末日(3月31日)までです。期間満了前に別段の意思表示がなければ、契約は1年ごとに同一条件で継続されます。複数年契約や違約金の定めは契約先ごとに違うため、契約書・約款の条文で確認してください。
違約金を年間総額に入れる(仮定の数字)
見積Yが「3年契約。2年目の終わりに解約すると、残り12か月分の基本料金の50%を違約金とする」という条件だとします(すべて仮定)。月の基本料金が340,000円なら、違約金は 12か月 × 340,000円 × 50% = 2,040,000円です。見積Yの年間総額が他より安くても、その差額(たとえば年間30万円)が違約金を取り戻すまでに約7年かかる計算になります。短い期間で見直す可能性があるなら、違約金の額を比較表に入れて判断します。
7. 仮定の数字で年間総額を比べる
ここまでの項目を、1つの表にまとめて年間総額を出します。以下は、説明のための仮定の数字です。実在の料金メニューの単価ではありません。
年間総額 = 基本料金(契約電力 × 単価 × 12 × 力率割引後)+ 電力量料金 + 容量拠出金の別建て + 燃料費調整 + 市場価格調整
前提:契約電力200kW、年間使用量600,000kWh、力率95%。再エネ賦課金は契約先で変わらないため、比較から除きます。
| 項目 | 見積X(仮定) | 見積Y(仮定) |
|---|---|---|
| 基本料金単価 | 1,900円/kW・月 | 1,700円/kW・月 |
| 力率割引 | あり(95%で10%割引) | なし |
| 電力量料金単価 | 16.50円/kWh | 15.80円/kWh |
| 容量拠出金 | 単価に含む | 別建て 0.50円/kWh |
| 調整の仕組み | 燃料費調整のみ | 燃料費調整+市場価格調整 |
| 基本料金(年間) | 4,104,000円 | 4,080,000円 |
| 電力量料金(年間) | 9,900,000円 | 9,480,000円 |
| 容量拠出金の別建て(年間) | 0円 | 300,000円 |
| 調整前の合計 | 14,004,000円 | 13,860,000円 |
| 燃料費調整(年間平均+1.00円/kWhと仮定) | 600,000円 | 600,000円 |
| 市場価格調整(+0.80円/kWhと仮定) | なし | 480,000円 |
| 調整後の年間総額 | 14,604,000円 | 14,940,000円 |
表:年間総額の比較例(すべて仮定の数字。基本料金は 見積X=200kW × 1,900円 × 12か月 × 0.9、見積Y=200kW × 1,700円 × 12か月)
調整前は、見積Yのほうが144,000円安く見えます。ところが、容量拠出金の別建てと市場価格調整を足すと、見積Yのほうが336,000円高くなります(仮定)。力率割引の有無や、調整の置き方で、順位が逆になる例です。市場価格調整の+0.80円は、市場価格が下がれば小さくなり、上がれば大きくなります。年間総額の比較は、調整単価を複数のケース(低い・標準・高い)で置いて、結果が逆転しないかも見ておきます。
見積の「年間○○万円の削減」は、どの月の市場価格や調整単価を前提にしたかで大きく変わります。削減額の横に、前提(調整単価の仮定、契約電力、市場連動の有無、上限の有無、違約金)を並べた比較表を作ると、社内の稟議でも説明しやすくなります。
8. 見積を依頼するときに指定する条件
見積依頼の文書に、次の条件を入れておくと、各社の見積の形がそろい、比べやすくなります。
1. 算定根拠:添付の30分値データ(直近12か月以上)と請求明細を使うこと
2. 提示項目:基本料金単価(円/kW)、電力量料金単価(円/kWh)、力率割引の有無と条件を、分けて示すこと
3. 契約電力:試算に使った契約電力(kW)と、その決め方
4. 調整:燃料費調整・市場価格調整の算定式、連動する指標、反映の時期、上限の有無
5. 容量拠出金・損失率:料金への含め方(単価に含む/別建て)と、補正の式
6. 契約条件:契約期間、自動更新の条件、中途解約の違約金の計算式
7. 試算:調整単価を複数のケースで置いた場合の年間総額
8. 見積の有効期限と、契約開始の希望時期
複数拠点を同時に依頼する場合は、拠点ごとに条件をそろえたうえで、請求書をまとめられるか、データ(CSV)で受け取れるかも確認します。契約電力の変更や、拠点の閉鎖・移転があり得る場合は、そのときの扱い(契約電力の変更、解約)を事前に聞いておきます。
9. 価格以外に確認すること
- 供給力の調達方法の説明:自社で電源を持つのか、卸電力市場などから調達するのか、調達が難しくなったときの対応を、見積の段階で説明してもらう
- 請求と問い合わせの窓口:複数拠点の請求書の取りまとめ、使用量データの提供、問い合わせの対応時間
- 契約先が供給できなくなったときの扱い:ほくでんNWの「最終保障供給」は、北海道内の高圧・特別高圧で、いずれの小売電気事業者とも電気の需給契約が成立しない需要を対象に、料金などを定めた約款です。新しい契約の成立前に現在の契約を解約すると、この状態になりうるため、切替の日程は契約の成立を確認してから進めます
- 停電時の連絡先:契約先を変えても、停電は送配電のほくでんNWが復旧します。連絡先の整理は「停電対応マニュアル|北海道の法人が最初の10分でやること・連絡先【ほくでんNW】」を参照してください
10. よくある質問(FAQ)
A. 社数に決まりはありません。大切なのは、全社に同じデータと同じ条件を渡し、同じ形式で見積をもらうことです。条件がそろっていれば、少ない社数でも比べられます。条件がばらばらの見積を何社集めても、年間総額では比べられません。
A. 現在の契約先に依頼するのが基本です。高圧では、スマートメーターの30分ごとのデータをEMSなどに取り込む「Bルートサービス」もあります。それでも用意できない場合は、請求明細の月別の使用電力量と最大需要電力で見積を依頼できますが、見積は粗くなります。比較表では、30分値を使っていない見積を参考値として扱います。
A. 避けるべきとは限りませんが、価格が上がったときの負担を試算してから判断します。連動の対象、平均する期間、係数、上限の有無を確認し、市場価格が高い場合と低い場合の年間総額を比べます。北海道エリアでは、2021年1月に月平均が66.59円/kWhになった実績があります(日本卸電力取引所の公表データ)。詳しくは「【北海道企業向け】高圧電力の市場連動プランを徹底比較!管理料の差で電気料金がここまで変わる理由」を参照してください。
A. 変わりません。電柱・電線などの送配電設備は、契約先に関係なくほくでんNWが管理していて、停電の復旧もほくでんNWが行います。仕組みは「【北海道企業必見】新電力に乗り換えても停電しない仕組みについて徹底解説」、停電時の連絡先は「停電対応マニュアル|北海道の法人が最初の10分でやること・連絡先【ほくでんNW】」で解説しています。
A. 現在の契約の解約条件(通知期限、違約金)を、契約書・約款で先に確認します。新しい契約が成立する前に現在の契約を解約すると、どの小売電気事業者とも契約がない状態になり、最終保障供給の対象になりうるため、切替の日程は新しい契約の成立と合わせて進めます。
11. まとめ
- 相見積は、単価ではなく「同じ条件で計算した年間総額」で比べる。条件は、依頼する側が指定してそろえる
- 依頼前に、請求明細(12か月)、30分値データ、供給地点特定番号、受電設備の情報、現在の契約の解約条件をそろえる
- 見積の比較表には、契約電力、力率割引、燃料費調整・市場価格調整の式と上限、容量拠出金の置き場所、損失率の補正、契約期間・違約金を入れる
- 北海道は冬のピークで契約電力が決まりやすい。見積の試算が夏の需要になっていないか確認する
- 調整単価を複数のケースで置き、順位が逆転しないかを見る。違約金が重い契約は、見直しのしやすさも含めて判断する
記事情報
公開日:2026年1月6日
最終更新日:2026年10月31日(全面改訂)
参照資料:
・北海道電力「電力契約標準約款(高圧)」2026年11月1日実施(PDF)
・北海道電力ネットワーク「託送供給等約款」2026年11月1日実施版(PDF)
・北海道電力ネットワーク「使用量照会のお申し込み」(ほくでんNW)
・北海道電力ネットワーク「供給地点特定番号」(ほくでんNW)
・北海道電力ネットワーク「電力メーター情報発信サービス(Bルートサービス)[高圧・特別高圧用]」(ほくでんNW)
・北海道電力ネットワーク「最終保障供給のご案内」(ほくでんNW)
・電力広域的運営推進機関「容量拠出金の説明会資料」(PDF)
・経済産業省 報道発表(2026年3月19日、2026年度の再生可能エネルギー発電促進賦課金単価)(経済産業省)
※2026年10月31日時点の情報です。約款は2026年11月1日実施予定の版を例にしており、料金メニューの内容は契約先ごとに異なります。計算例の数字はすべて仮定で、実在の料金メニューの単価ではありません。実際の見積は、契約書・約款の条文で確認してください。
